ここは中川信子のホームページです。ことばの発達や障害について、
また、言語聴覚士に関連するさまざまな情報を配信していく予定です。

「そらとも」は「この空のもと、いたるところに、志を同じくする友あり」という意味です。
疲れて、ひとりぽっちと思えるときには、空を見あげ、胸いっぱいに元気を補給しましょう。
その曲がり角の先には、きっと新しい出会いと、すばらしいできごとが待っています。

5月に赤ちゃん(男の子)、つまり、私から見ると「初孫」が生まれたことは書きました。母子ともに健康で、産後1ヶ月ほどで、区内の自宅に戻りました。
満2ヶ月半になり、首もだいぶしっかりしてきて、笑うようになり「アグゥ」とか「エウゥ」とかいろんな音を出すようになりました。
人類の進歩をたどっているわけなのでしょうが、ほんとに興味深いです。

先週は、初めての予防接種がありました。
炎天下、重い重い赤ちゃんを抱っこしてバスで病院に行くのも大変そうなので(その日は35度超えでした !)私がクルマで同行しました。
遅れて次男(お父さん)も、来院しました。

小児科の外来には、赤ちゃんがいっぱい来ていて、予防注射をしているらしい診察室からは大きな泣き声が聞こえてきました。
「うちの」赤ちゃんは、あまり泣かなかったそうです。

お父さん、お母さんと、私(乳母をもじって ウババと自称していますが)と3人で「こういっちゃあナンだけど、うちの○○○クンが、一番可愛いね!」「全くです!」と言ったことでした。
他の赤ちゃんに付き添いで来院していた、お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃんも、み〜んな同じことを考えていたのでしょうね。

赤ちゃんバンザイ! です。
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お知らせする余裕もありませんでしたが7月、8月は講演続きです。(でした)
終了したのは、都内では、日本家族計画協会や、田中教育研究所の研修会、
遠出したのは、富山、磐田市(静岡県)、佐世保(九州のきこえ・ことばの教室の大会)です。

このあと8月5日(水)は、「全国公立学校難聴言語障害教育研究協議会(全難言協)」の新任者研修「はじめのいっぽ」
8月7日(木)は発達協会のセミナー
8月19日(水)は東海四県の「言語・聴覚・発達障害児教育研究大会」(名古屋)が予定されています。


4月以来更新が中断していたので、ナカガワが病気なのか?と心配してくださった方もあるみたいで、ありがとうございます。

私はいたって元気です。
4月末から連休明けにかけて、原稿の締め切りを抱えてひぃひぃ言っていました。
連休明けからは、次男の所の赤ちゃん誕生に向けての秒読みが始まって、行ったり来たりで余裕なく過ごしていました。

5月15日に無事に男の赤ちゃんが産まれました。

今、わが家に赤ちゃんとお母さんとをお預かりしているものですから、朝から晩までアタフタと過ごしていて、なかなかパソコンの前に座ることができません。

赤ちゃんは極めて利己的?な生き物なので、いやはや大変です。
でも、可愛いのは疑いようもなく、自分が息子達を育てたときのことを懐かしく思い出しています。

明日4月18日(土)と19日(日)の両日、東京流通センターで開催される「第14回子どもの福祉用具展(キッズフェスタ)」 にSTの仲間たちが参加することはおしらせしました。 ⇒⇒STキッズフェスタ 


4月18日午後1時30分から3時30分まではセミナーが開催されます。

以下の4つのテーマだそうです、。

1.就学前の子どもたちに関わっているSTから
2.学齢期の子どもたちに関わっているSTから
3.玩具ドクターのお話
4.保護者のお話

私は直接かかわっていませんが、STのチカラが発揮されるようで、楽しみです。

当日のプログラムについては、STキッズフェスタサイトをご覧ください。

19日も展示があります。お子さん連れで遊べます。

「家族」とは、なんと楽しく、また、なんと困難な単位なのでしょうか。
介護にせよ、子育てにせよ、社会的支援の充実が叫ばれていますが(まだまだ実現してはいませんが)支援が充実したらすべてが解決する、とも思えないことも、たくさんあります。

その中の一つに、障害のある子が家族にいるということの困難さがあります。
たまたま、ネットの中に、故・西村辨作さんの講演記録がありました。

障害児のきょうだい達の心の健康〜きょうだい達をどう健やかに育てるか〜

西村さんは、ST養成校での一年上で、尊敬すべき先輩でした。自閉症の人たちにかかわる仕事を中心的におこなっていました。早くに亡くなられ、残念でした。
今、西村さんがいらしたら、ことばの遅れについて、コミュニケーションの取りづらい子どもたちについて、STらしく整理された見方を提出して下さったのではないかと思うからです。

さて、この記録は1995年に行われた講演記録です。
20年も前のものですが、今も、全くその通り、と思えました。

「家族まるごと支援」

医療モデル、個人モデルから、生活モデル、社会モデルへ。

世の中は、徐々にそういう方向に向かってはいますが、まだまだ個別の訓練手法や支援者のスキルアップ、対応のコツ、といった話に目が行くことの方が多いように思います。

毎年4月2日から8日は発達障害啓発週間。
4月2日(木)は、世界自閉症啓発デーです。
青色をテーマカラーとして、世界中で、自閉症啓発の取り組みが行われます。
シンポジウムや展示などもあります。

例年のこととして、日本国内のさまざまな場所を青色に染める「ブルーライトアップ」が企画されています。東京では、東京タワーブルーライトアップが行われるほか、都内の多くのビルも青に染まる予定です。

どこに行けば、青い建物を見られるのか。
それは、こちら からお探し下さい。(NPO法人あっとオーティズム内)
青く浮かぶ建物の数々は、夢の中のように、美しいですね・・・・・・。

徳島にすむSTの友人が、通りすがりの人にかけられて、心に残っているということば。「自閉症を啓発するんじゃなくて、自閉症感謝デーにしないとだめやで」

啓発しなくても、みんなの中に“当たり前”に、発達障害の人、自閉症の人への理解が根づく日。その日をめざして、あっちでも、こっちでも、取り組みが続きます。

西東京市にある武蔵野大学に、ST(言語聴覚士)養成コースが昨年4月に新設されました。コースは二つあります。いずれも大卒者対象で
・専攻科 言語聴覚士養成課程
 ・大学院人間社会研究科 人間学専攻 言語聴覚コース   です。

私はそのことを昨年6月に知人のSTから教えてもらいました。パンフレットがきれいな紫色だったことと、STの勉強を根本的にやり直す必要を感じていることから、食指は動いたものの、もろもろの事情から諦めました。
懸念材料は記憶力、集中力の衰えと視力の低下・・・・。

その、気になっていた武蔵野大学のST養成コースの創立一周年記念シンポジウムのシンポジストにお招きいただいたので、喜び勇んで参加しました。


「地域に根差した教育・研究・臨床機関を目指して」

スピーカー(シンポジスト)と演題は以下のとおり でした。
「連携」や「地域」の話は、言語聴覚士の本流では、なかなか語られないテーマなんですよ。これだけ「地域」「在宅」「あたりまえの生活」が叫ばれているというのに。
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 「人間学に立脚した言語聴覚療法学を目指して」 
           小嶋知幸(武蔵野大学)
 「八王子言語聴覚士ネットワークの10年ーー地域職能団体のミッションを考える−」
          東川麻里(八王子言語聴覚士ネットワーク代表、北里大学)
 「急性期から、そして再び社会へ」 
          小泉智枝(北原国際病院)
 「地域で活動するSTとしての取り組み−武蔵野市失語症会話パートナー養成事業を通して−」 
         松田江美子(生活リハビリサポートセンターすばる)
 「北多摩あたりを“たま多摩ST会”でつなげたい」 
         宮田睦美(北多摩地区ST会世話人)
 「子どもの発達支援−地域での連携とSTの役割」 
        中川信子(子どもの発達支援を考えるSTの会代表)

  総合討論

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言語聴覚士の養成コースは、さまざまなレベルや内容の養成校が乱立状態になっています。3年間の学校では無理ないとしても、4年の時間が与えられている大学のコースでさえも「これは、国家試験に出るからおぼえなさいよ!」的な技術者養成に偏った教育にならざるを得ないのが現状です。

対人援助職として、STのミッションは何か?といった、本当に考えるべき問いについて考える暇もなく流されてしまうのです。

そういう意味で「人間学に立脚した」を掲げる養成コースの誕生は、STの一人として本当に喜ばしいことだと思い、応援したいと思っています。

学費もわりとリーズナブルなんですよ〜〜〜。

シンポジウムは去る3月21日でしたが、その様子がケーブルテレビのJ−COMで放送されたそうです。
URLを貼り付けます。(番組の12分くらいのところから1分間ほどです)
   https://www.youtube.com/watch?v=7NhPsoy0K9Y

ただ、悲しいかな、言語聴覚士(ST)のことが、字幕では「言語福祉士」となっていました。認知度の低さに、あらためて愕然とした、私たちでありました・・・・。

毎年開かれている「子どもの福祉用具展」、2015年は第14回を迎えます。

期日  2015年4月18日(土) 19日(日)

会場  東京流通センター(TRC)

車イス、各種スイッチ、コミュニケーションエイド、食器、遊具など、障害を持つお子さんの生活をよりよくするためのさまざまな用具が一堂に会します。

この一年に1回のフェスタに、理学療法士(PT)協会、作業療法士(OT)協会はブースを出すのに、言語聴覚士(ST)協会がブースを出さないなんてもったいない、と考える一人のSTさんが、「子どもの発達支援を考えるSTの会」のメーリングリストで出資者、協力者を募りました。会の内外から次々出資者が現れ、また(株)学苑社、東京都言語聴覚士会、などの協力もあり、決して少額ではない出展資金がクリアされ、短期間の間に、出展の見通しがたちました。

肢体不自由のお子さん達が主たる対象ですが、発達障害のお子さん達のことも視野に、いろいろなおもちゃや、遊具を展示したり、遊んだりできるよう企画し、ミニセミナーなども計画中です。

自分で言うのもナンですが、STは、本当に面白い仕事ですし、一人ずつに合わせていろんなことができるんですよ! そして、ステキな人たちが多いんですよ。

皆さま、どうぞ、参加して、STの底力に触れて下さい。
特設ホームページが開設されました。
    ↓ ↓
ST@キッズフェスタ」 随時ニュースを掲載します。

NHK教育テレビ(Eテレ)で毎日5分ずつ放送する「まいにちスクスク」。ごらんになったこと、ありますか?

今度、「ことば」の特集が4回にわたって放送されることになりました。

    本放送:2015年2月23日(月)〜26日(木)午前10:55〜11:00
再放送:2015年3月 2日(月)〜 5日(木)午後 7:55〜 8:00
まいにちスクスク ホームページ


明星大学の
星山麻木先生のステキなスタジオをお借りして撮影しました。
赤ちゃんや子どもたちが楽しく遊ぶ姿や、自然な「ことばかけ」をする親ごさんの姿が見られると思います。

ナカガワも、解説で登場します。

たまたま教育テレビをつけたらハートネットTVをやっていました。
「生き心地は良好  瑞宝太鼓」

1月15日(木)午後1時5分から再放送があるそうです。

瑞宝太鼓は、知的障害のある団員によって構成されるプロの和太鼓集団。
社会福祉法人南高愛隣会 傘下の就労継続支援A型作業所だそうです。

長崎県にあるというこの法人理念などを読んでいたら、すごいなぁ、と思うことばかり。
さらに読んでいたら、そうか、かの有名なコロニー雲仙の進化した形だったのだということがわかりました。

映画もできているというのに、全然知りませんでした。反省!!
お時間あったら、どうぞ、再放送をご覧になって下さい。

1月7日、狛江市内の I 小学校で、教員全員対象の特別支援教育校内研修会の講師を依頼されて行ってきました。新学期開始前日の午後に、長々と2時間も時間を取っての研修会だなんて、なんと申し訳ないと思いつつも、でも、巡回の折には、なかなかお話しできないようなこともお伝えしようと出かけてゆきました。

学校の先生方は、全国的には、今日明日使えるハウツー的な「対処の方法」を求める傾向が強い、と、常日ごろ感じているのですが、今日は、先生方の構えが全然違っていて、「さすが!狛江!」と、感心しました。

特別支援教育の最終形は「特別な子への特別な支援ではなく、すべての子どもへの当たり前の個別支援」「分かりやすい授業、認める声かけ」「安心できるクラス作り」に尽きるということや、STの目から見た吃音や選択性緘黙、構音の未発達、のことや対応のヒントなどについてお話ししたあと、最後に、事前質問で出されていた「クラスのほかの子たちから『僕たちだってガマンしているのに、あの子だけ許されるのはおかしい』という声が出たときに、どういうふうに説明すればいいのだろう」という問を、グループ討論で、みんなで考えていただきました。

グループごとの討議の内容がいずれも「どう対処するか」ではなく、「どう理解するか」「子どもの気持ちに近づいて考える」という方向であったことに、感動しました。

10年前、特別支援教育がやっと動き出したころの学校では「困った子」「わがままな子」としかとらえなかった子どものいろいろな行動が、深くとらえられるようになってきていることに、狛江の特別支援教育の広がりと深まりを感じたからです。

ある先生は「たとえば」の話として、やっとの思いで、4時間目に登校してくる子の話をして下さいました。給食はモリモリ食べるし、部活は好きなことだから元気に参加する。でも、次の日も、やっぱり、どうしても午前の授業には出てこられない。

ほかの子から「ずるい」「給食を食べに来てるみたい」という声も、当然上がります。

先生は、そういうふうに「ずるい」と言う子どもたち自身が実は「ボクのこと見て!」「私のこと注目して!」というサインを出しているのだ、と考え、そういう子どもにしっかり目を向けることをした上で、「先生は、4時間目からでも◎◎君が来てくれると、とってもうれしいんだ!」と答えるのだそうです。

そして、「君だって、4時間目から来たっていいんだよ。先生は、大歓迎してあげるよ、どう?」とも言うのだそうです。

「4時間目から来たっていいんだよ」って言われても、大多数の子は、必ず1時間目から来る。
4時間目からしか登校できない子には、その子なりの理由があるんだ、と、先生は理解しているのです。

子どもを個別に見る立場の私たちセラピスト系の職種の人たちや、心理職の人たちにとっては当たり前の見方も、学校の先生という「きちんと」「ちゃんと」「みんなで」を旗印に集団授業で子どもたちをひっぱる意識の強い方たちには、なかなか分かっていただくのが難しいものです。
実際問題、集団を前提とする現在の学校教育では、そういうやり方でないと、学習が進まないのも事実ですから。
「一人を甘やかすと、集団の規範が崩れるから、一人だけ特別に、はできない」、ともよく言われます。
ほんとは、「クラス全員を特別扱いする」態度が大事なのに。

新しい形の、「通常級の中での個別配慮」に基づく特別支援教育が、狛江では体現されつつあるんだ、と確信できた一日でした。


狛江市の指導室が26年12月に作成した「狛江市の特色ある学校教育事業21」というパンフレットを今日、市役所でもらってきました。

「狛江の教育3本の矢」として
1 ICT機器の活用による授業改善
2 Q−Uアンケートを活用した学級集団づくり
3 すべての学校、すべての学級、すべての子どものための特別支援教育
があげられています。

そのあゆみの一部に協力してきた身として、狛江の特別支援教育を誇りに思いましたし、これを作り上げて来る上で、本当に多くの方の尽力があったことを思い浮かべ、あらためて感謝の念にたえない、と思っています。

狛江の講演会準備で大忙しの12月17日、第九を聞きに行きました。
どうしても、佐渡さんの指揮する音楽を聞いてみたかったからです。

開演前、佐渡さんが舞台でお話をされました。第九の構成、聞きどころ、など。
そして、どうしてケルン放送交響楽団なのか、ということも。

4年前の3月11日、佐渡さんは、来日中のケルン放送交響楽団と全国をツアーの最中。オーケストラメンバーはちょうど、バスで横浜のレインボーブリッジをわたっている所だったそうです。
原発事故があり、交響楽団はそのまま全員帰国することに。
その後、ケルンからチャリティコンサートをするから来てほしいとの声がかかり、佐渡さんは悩んだ末にそれを引き受けてドイツで演奏会を開いたそうです。

そんな「縁」のあるオーケストラとの演奏だから、もあるでしょうが、第九はやはり、すばらしかったです。
「合唱つき」。人の声の美しさ。

私も、ずいぶん前、豊島区にある「
ゆきわりそう」が企画した第九に参加して、練習を重ね、上野の文化会館の舞台に乗ったことがあります。
当時はソプラノだったので、何しろ音が高い、高い  \(◎o◎)/!
ほとんど悲鳴。いやはや。
プロの合唱団が加わってくれるので、何とかサマになるのですが、すごかったなぁ、あの時は。
そんなことを思い出しながら聞いていました。

音楽は、聴くのもいいけれど、やっぱり演奏(歌う)側にいるのがいいなぁ、とも。
合唱はいいですねぇ(^_-)-☆

さて、佐渡さんは言っていました。「震災のときつくづく感じた。音楽家は何て無力なんだろう、演奏家ならともかく、指揮者は棒を振ることしかできない」と。

STも、大きな災害の前には、無力としか言えない職業です。
でも、無力、非力なりにできる
被災地復興支援を、「子どもの発達支援を考えるSTの会」として模索してきました。
中心になって努力したメンバーと、後押ししてくれる全国の仲間と、現地に継続支援に入り続けているSTの方たちのおかげで、ささやかながら、「何か」が生まれ始めています。


「時の力によって切り離されたものが、ふたたび結び合わされ、すべての人は 兄弟となる」
ほんとにささやかな力しか持ち合わせませんが、STとして、この願いを心に掲げて、もう少し歩いてみようと思っています。


狛江で活動している仲間の会「一般社団法人サポート狛江」の、今年最後の行事であった「ミニ講演と対話の会   風を感じて〜〜自閉症の僕がありのままに生きるために」が終わりました。

狛江市障がい者週間行事として市と共同で開催しました。
市は市で、できることをがんばってくださり、私たち団体側も、できることに全力を尽くし、気持ちのよい仕事でした。

当初予定した会場が、受付開始3日で満員になってしまったため、急遽、市役所の会場を借りて、映像音声を中継する、という、前代未聞の大事業に取り組み、「中継隊」と称した混成部隊のスゴイはたらきで、これが、実現しました。

こういう中継のシステムが、将来、障害のある人や、子育て中の人が、会議や事業に在宅で社会参加するための布石になるといいとも思います。

今日の登壇者は、東田直樹さん、お母さんの美紀さん、そして、精神科医の山登敬之先生というほんとにぜいたくなメンバーでした。
後半は山登先生と直樹さんの対談だったのですが、直樹さんのひと言ずつのことばの深さ、広さに会場は「う〜〜ん」とうなったり、どよめいたりしました。

細かいことは、お伝えするのが難しいですが、当事者と言われる人たちの本当の意志を確認し、当事者の気持ちをまんなかに置いて「支援」を考えることって、分かったふうな気持ちになっている人ほど(私みたいに、長くやっているとか、専門知識があるとか)それが、じゃまして、難しくなるのだなぁと思いました。

雨の予報がお天気になったので、直樹さんに、狛江の駅前の6階から見える遠くの景色や、駅前のバスのロータリーやらを、心行くまで見ていただけたのも、うれしいことでした。

今日の会は、サポート狛江のメンバーで、何年越しかに願い続けていた企画でした。
実現のためには、本当に多くの人の尽力と努力がありました。

なんだか、心の中が、まだ、ほかほかしています。
いろんな場面で「こなす」ではなく、「全力を尽くす」って、いいですね。
しかも信じあえる仲間たちといっしょに。

全国的にも設置されているはずですが、狛江市にも特別支援教育巡回専門家チームがあり、市内の小学校6校、中学校4校を回っています。
この制度を創設した当時の教育委員会の担当者の方たちの努力で、狛江では、文字通り「チーム」で回れる仕組みができています。
メンバーは、「スーパーバイザー」として、精神科医・作業療法士・言語聴覚士のうちの2-3名
その他に、
○その学校の校長または副校長 またはお二人とも
○その学校を担当する教育相談員(※)
    (※)教育相談室に属する専門教育相談員(臨床心理士)が、市内の小学校を一つずつ担当し、教育相談室での来所相談を受けるのと並行して、各小学校に週に1-2日常駐して学校でお子さんの話を聞いたり、保護者と面談したり、担任の先生たちの相談に乗ったりしています。
○学区の特別支援学校(知的障害、肢体不自由それぞれ)の特別支援教育コーディネーター
○その学校の養護教諭(保健室の先生)
○その学校の特別支援教育コーディネーター
○その学校の子が通う通級学級(通級教室)(※2)の担任
      (※2) 狛江市では小学校6校に対し、通級学級が3校に設置されています。
      現在は、2校をペアにして、未設置校には、設置校の通級学級の先生が出張(出前)により、その学校で、通級指導を受けられる仕組みになっています。
狛江市は、他地区に先駆けて、通級学級をがんばって増やしてきました。他校通級よりずっとハードルが低いので(自校に通級教室があると、保護者が送迎しなくてすむ)この仕組みを作ってきたおかげで、通級する児童がとても多くなっています。東京都の第三次計画で、他地区に合わせることになると、狛江市は、自動的に内容が現状より切り下げになることになるのが心配です。

ですので、チームが少ない時でも5-6人、多い時は10人近い人たちが授業参観をして、そのあと校内委員会で協議やアドバイスを行います。

チームみんなが「仲間」みたいな感じで「やあやあ」とあいさつし、会えることを楽しみに、各学校に伺うような感じです。

学校も、ずいぶん変わりました。
子どもたちへの声かけが、具体的で、わかりやすいものになり、「叱って教える」ではなく「ほめて育てる」方向へと明らかに変わってきました。
体育の授業で、「じゃあチーム練習だよ」の時に、大きな時間表示のできるタイマーが使われてあと何分何秒かがはっきりわかったり
音楽の授業では2時50分までがパート練習 3時までの10分間がパートの合同練習、など、
見通しの持ちやすい工夫が各教室に見られます。

子どもたちをひきつけるわかりやすい授業、居心地のよい、安心できるクラスづくりにを目指すこと。
これは、結果的には、多数派の子どもたちに役立つ配慮でもある。

目指すべきは、特別ではない、当然の個別支援教育、と思います。

そのためには、やっぱり、1クラスの人数がせめて20人台だったら、先生の負担も、子どもたちの苦労も減るのだけど、と思うのでした。

今月(11月)は飛行機搭乗回数が3回です。

岩国錦帯橋空港、宮崎空港、そして、週末の札幌新千歳です。

自宅から羽田空港までは、余裕を見て2時間か2時間半前に出なければなりません。遅れそうになって、広い空港の中を全力疾走したことがあります。二度とやりたくありませんから。

飛んでいる時間より、羽田空港に行くための時間の方が長いくらいです。それでも、飛行機が好きです。

昨日(11月22日)は、宮崎県看護協会保健師職能研修会がありました。

私は、「(乳幼児)健診は支援の入り口」と思っているので、健診にかかわる保健師さんたちからのお招きは基本的に断らないと決めています。
昨日も、各地での研修会と同様に、県内各地域から、多くの熱心な方たちが参加して下さり、ありがたいことでした。

昨日の宮崎では、研修終了時間と飛行場への所要時間の読み違いをして、遅い時間(19時10分)のチケットを取ってしまったため、出発まで、空港でたっぷりの時間がありました。
温暖な宮崎。特に昨日は汗ばむほどの陽気でした。
迷わず、滑走路の見える屋上デッキに出ることにしました。

着陸して、急制動をかけ、しずしずとスポットに近づいてくる到着便。

出発便は、滑走路のかなたから一心に加速し、目の前を轟音と共に駆け抜けて離陸します。
空港ビルの目の前から離陸するあたりまで、飛行機は最高の緊張感をたたえているように見えます。

飛び立った先を見送ると、後ろ姿は、あかね色に染まった雲の中にみるみる溶け込み、消えてゆきました。
ずっと見ていると、いつの間にか、点になってしまいました。

このところ、追いまくられる忙しさが続き、視線を遠くに向けることを忘れていました。あっちにも、こっちにも、と目移りし、目移りせざるを得ない状況になっていて、一つのものをじっと見続けることも忘れていました。

講演旅行が続くと、正直、疲れることもありますが、東京にいては持つことのできない、こんな心豊かなひとときを持てます。
それが魅力で、ついつい、遠方の講演を引き受ける私でもあるのです。

それにしても、宮崎空港の夕暮れの空の色は、なにものにもたとえようのない美しさでした。

気がついたら、また、1ヶ月近く更新していないような。いたって元気なんですが、何しろ忙しくて忙しくて。

望んだわけではない情報(たとえば講演依頼とか、本をHP上で紹介してほしいとか)が、勝手?に先方からやってきて、それを処理(多くはお断り、または、「いつかやろう」と延び延びに)するだけで、多くの時間を取られます。

当然、メールの量も多くて。

ずっと前、まだパソコンも携帯も使わなかった10年?15年?くらい前に、STの大先輩に「中川さん、メールをお使いなさいよ。電話連絡に振り回されなくてすむから便利よ」って言われました。

その時は「と、と、とんでもない。電話とファックスだけでも、十分すぎるほど忙しいのに、これ以上望まない情報がどんどん来るなんて、まっぴらです。電脳の奴隷にはなりたくないですから」ってお返事したのですが、今や全く、「電脳の奴隷」状態です。

そりゃ、便利ですよ。便利ですけどね。

PCのない暮らしに戻ることはできそうにありませんが、ちょっと、何とかならないものか、と思っております。

ほんとは、そろそろリタイアしてるはずなんだけどな、とも。

紹介したい本や、紹介したいセミナーも、机の横に山と積んであるんですが、目の前のことを処理するだけでいっぱいいっぱいで、「発信」にまでは手が回らない今日このごろです。

三重県に来ています。講演です。明日(10月2日)は熊野市に移動して、夕方からの講演です。「紀南圏域発達障がい者総合相談支援センターあしすと」の主催です。

当初50名程度、と聞いていましたが、昨日の段階では130名になったとか……。
険しい山沿いの道を、また、海沿いの道を1時間、2時間かけて聞きに来て下さる方があることが、ほんとにありがたいです。

三重、和歌山は、保健師さんたちにお招きいただいて、ずいぶんいろいろなところに行かせてもらいました
津、松阪、伊勢市、熊野市、新宮、紀伊勝浦、田辺、御坊……

大阪から行くにしても、名古屋から行くにしても、3時間、4時間かかかる場所も多く、乳幼児健診に心理職を導入するなんて、夢のまた夢。ドクターでさえ、なかなか確保できないのに、という、東京だけ見ていると想像もつかない条件の中で、「子どもたちの健やかな育ちのために」とがんばる保健師さんたちの姿を知ったことが、私の背中を押してくれます。
もちろん、紀伊半島に限ったことではありませんけどね。
日本全国津々浦々、乳幼児健診の行われていない町も村もないのですから。
どんな地域にも、がんばる保健師さんの姿があります。

そうそう、いま思い出しましたが、紀伊勝浦の時は、仕事の都合で、JRの最終列車で駅に到着。ほとんど真夜中だったのですが、保健師さんが迎えに来て、ホテルまで送って下さったこともありました。

今夜もそんなことを思い出しながら、ホテルで三重テレビの「いい旅、夢気分」(だったかな?)をなんとなくつけていたら、「平治煎餅」とか建築機器のレンタルのなんだか、とか、スーパーマーケットのなんだか、とか、知らないCMが次々流れるので、目が釘づけになりました。

中でも、釘づけになったのは「グレゴリオ聖歌と真言宗声明(しょうみょう)」の宣伝。
「あ、ぜったい聞きに行こう!!  人の声ってすばらしいわよ」って思ったんですが、残念、会場は伊賀市文化会館でした。
行かれないわ。それにその日(11月29日)は札幌にいるのでした。

たとえ、仕事でではあっても、旅に出ると、考えが自由に飛翔します。

一ヶ月近く更新できなかったので、「すわ! 病気か!」と心配してくださっている向きもあるようですが、大丈夫、眠いだけで、元気です。

夏があまりに暑くて ぐんにゃりしていたのと、8月から9月にかけて、毎週末講演やその他の用事で遠出していました。8月30日には岐阜県多治見市へ保健師主催の研修会へ。 
9月6−7日は小樽で、「子どもの発達支援を考えるSTの会」の総会と研修会。
9月13−14日は山形で、日本自閉症協会の大会のシンポジスト。

出かけるのには慣れていますが、資料の準備にアワワワワと追われたり、(早めにやっておく、ということが、なぜかできない私です)やっと少し落ち着いたようなわけです。
と言っても、落ち着きなく、今週半ばには、三重県に保健師研修と、発達障害関連の地域研修とにお招きいただき、出かける予定です。

「中川信子講演会」のページにアップするといいのですが、なかなか時間が取れず、ついそのままにしてあります。

そうこうしているうちに、「そらとも」で企画した11月2日(日)のお茶の水での講演会も近づいてきました。
HPからの申し込みフォームだけなのに、じりじりと申し込みがふえていて、申し込んだ方は、どこで見つけたんだろうと、不思議です  \(◎o◎)/!

10月11月とさらに講演が目白押しです………

山口(岩国) これは、8月に台風で延期になった振り替え
北里大学医療衛生学部 ST科 3年生対象の2コマ講義
鎌倉    保健師研修
山口(周南市) ふじわら医院のお招き
宮崎      保健師研修
札幌      児童発達支援事業所連絡会対象   など。

いつも、結論的には、同じような話をしている気がしますが、でも、一番大事なことは普遍、不変なのよね………と思ったりもしています。

子どもたちの幸せのために、大人は、知識を得て、努力しましょうね、と。

テレビで、広島市北部の安佐南区、安佐北区の大規模な土砂災害のニュースが流れています。
お招きを受けて全国に行くので、各地に知人がいます。
台風や自然災害のニュースのたびにはらはらするのですが、今回の広島の土砂災害はとりわけひとごとではなく心配です。

私が広島(厳密には大竹市)に住んでいたのはもう50年以上前です。
当時は、広島市が周辺と合併する前なのでまだ「安佐郡」でしたが、可部線で汽車通学して来ていた同級生も何人もいました。
高校の時の担任の先生の住所も、安佐郡でした。
先生ももう亡くなり、友人も、今はもう結婚したりして、同じところに住んではいないかもしれませんが、聞きなれた地名なので、ひときわひとごとではない気がするのです。

真砂土(まさど)という、花崗岩由来の土が多いという広島独特の地層が、大雨によって崩れやすくなるのだとか。

どんな対策がありうるのか、気にかかります。

「小学校で困ることを減らす親子遊び10」(木村順 小学館)を紹介する動画サイトができたとの連絡をいただきました。

小学館 ウチノヨメ「小学校で困ることを減らす親子遊び10」動画

8月16日に放送された東田直樹くんをめぐる番組もそうでしたが、「育てにくい」「心が通わない」「どう接したらいいのか分からない」と途方に暮れる親ごさんたちに、子どもの行動を「理解」する糸口が与えられて「そうだったのか!」と思えると、よい関係が作られてゆくのだと思います。

私も、専門家扱いされ、かかる期待は大きいのに、実際、親ごさんたちに何を伝えればいいのか分からなかった若い頃に、感覚統合の考え方に触れることができたのは、本当に幸運でした。

感覚統合がすべてではありませんが、「そうだったのか!」の入り口としては、とても分かりやすいと思います。

蛇足ですが「ウチノヨメ」って、誰の嫁?と不思議に思っていましたが、小学館の新刊案内を動画で行うサイトの名前らしいです。
 ウチノヨメ

「嫁」じゃなくて「読め」なのね、きっと。

 8月16日午後11時からのNHK総合テレビの番組「君が僕の息子について教えてくれたことーー自閉症の若者と外国人作家との奇跡の出会い」見ました。

この「そらとも広場」を含めて、他にもいろんな方に「見てください!」って宣伝しました。でも、どんな方向で作られているのか、事前に見たわけではないので、ちょっと心配でしたが、まっすぐな作りの番組で、安心しました。
東田くんやその周辺にいる方たちに共通して感じられる「透き通った」「透明な」感じが、美しい映像によくあらわれていました。

直樹くんのことばが、世界のいろいろなところで、多くの人の助けになっていることが本当にうれしいです。
杉山登志郎先生が登場されたのにはビックリしました。
40分もかかるMRI検査を「他の子のためになるなら」と耐えた直樹くん、ステキです。
弓状束………。確かに。

「何も分からない困った子」ではなく、「分かっているのに、表現できずに困っている子」として理解してもらえると、みんな、どんなに助かるでしょう。

東田さん親子が、今まで以上にお忙しくなられるのが心配ですが、(そういう舌の根も乾かないうちに、12月に狛江でお招きすることに決まっているんですが)がんばってほしいです。
分かってもらえずにいる沢山の「この地球(ほし)に住む自閉症の仲間」たちのために。

ついでに、自閉症関連ではありませんが、映画「潜水服は蝶の夢を見る」も、よかったら見てください。DVDがあります。
人にとって、コミュニケーションとは? を考えるのに大事な映画です。
フランスのST(言語聴覚士)が出てきます。

今日一日、息をつめる思いで23時を待っていたので、何だかとてもほっとしました。

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「そらとも」は「この空のもと、いたるところに、志を同じくする友あり」という意味です。

疲れて、ひとりぽっちと思えるときには、空を見あげ、胸いっぱいに元気を補給しましょう。
その曲がり角の先には、きっと新しい出会いと、すばらしいできごとが待っています。

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