ここは中川信子のホームページです。ことばの発達や障害について、
また、言語聴覚士に関連するさまざまな情報を配信していく予定です。

「そらとも」は「この空のもと、いたるところに、志を同じくする友あり」という意味です。
疲れて、ひとりぽっちと思えるときには、空を見あげ、胸いっぱいに元気を補給しましょう。
その曲がり角の先には、きっと新しい出会いと、すばらしいできごとが待っています。

11月22日に弘前での講演会があるので、前の日に到着してホテルにいます。
担当の先生には「雪が積もっていて寒いので、あたたかくしてお越し下さい」といわれていましたが、羽田では汗ばむほどだったので、厚着しすぎたかしら、と心配しました。が、機内のアナウンスでは「青森の地上温度は1度」とのこと。
着いてみると、たしかに一面真っ白でした。

前夜の懇親会での楽しいひと時のあと、外に出ると、「吹雪」と言いたいほどの大粒(って言うのかしら?)の雪になっていました。

この前青森に来た時、タクシーの運転手さんに「真冬には、地吹雪といって、雪が真横から、下から舞うような猛烈な雪になる。口をあけていると、口の中が雪だらけになるほどだ。一度、真冬の青森にいらっしゃい」と言われたので、ぜひ、いつかそれを体験してみたいものだと思っています。

そうそう、青森空港は悪天候のため空港に降りられなくて羽田や大阪まで引き返したり、代わりに花巻空港に降りたり、欠航になったりすることが決してまれではないそうです。
別の機会に同じく青森で乗ったタクシーの運転手さんに聞いた話ですが、たまたまその人が乗った羽田からの飛行機がしばらく上空を旋回したけれど結局降りられず、羽田に引き返すことになったそうです。
その飛行機には急なお葬式に行くために乗っていたお客さんがいて、羽田に引き返すというアナウンスを聞いて「困る! 間に合わない!ここでいいからおろしてくれ!」と叫んでいた、とのこと。
気持ちは分かるわーーと同情しました。
でも、飛行機からは自分勝手には降りられないですよね (@_@)

時間の都合で、青森の帰りに三沢空港から帰ったことがあります。
三沢空港は米軍と自衛隊との共用空港なので、日ごろは空港ビルの側と滑走路の間のゲートは閉まっています。
その長ーーーーい白いゲートがゴロゴロゴロゴロと開きはじめたら飛行機が着いた証拠です。一日何便かの民間機は、そこをしずしずと空港ビルのほうにやってきます。
離陸した後のことは見られませんでしたが、多分、離陸するとまた、ゲートはゴロゴロゴロゴロと閉まるのでしょうね。

「飛行機みたいな大きなものが空を飛ぶのは不自然だ」と、ゼッタイ飛行機に乗らないようにしていたころを考えると不思議ですが、今や飛行機に乗るのは私にとって日常のこととなりました。
そして、毎回、人知れずワクワクします。

今日、11月17日は、NHK教育テレビの「すくすく子育て」収録でした。 テーマは「ことばをはぐくむ親子遊び」です。

前にもご一緒したことのあるディレクターが担当だったので、安心でした。 「すくすく」出演も、5−6回目になりますから、秒刻みのスケジュールの中、ものごとが整然と進行していくさまを、感心しつつ参加する余裕がありました。最初はものすごく緊張しましたが、人間、だんだんに慣れるものですね。

 「すくすく」の収録は、事前の綿密な打ち合わせに基づいて、台本が作られ、それに沿って進行していきます。
司会の方たち(今回は、タレントの照栄さんと、つのだりょうこさん)は、急な変更にも、時間の縮め延ばしにも即座に対応されますが(ほんとにスゴイ能力!!)、私などは、「えーと えーと」とまごついて、言うはずのことばを飛ばしたり、逆に説明しすぎたりしがちです。
でも、スタッフは、それに対して誰もイヤな顔をしたり否定的なことを言ったりしません。基本的には「君はOK!」で、大きな間違いに関してだけ、軽くフォローが入ります。「あ、ほんと、忘れた!」と素直に言えるようなさりげなさで。 

学校での生活は、「もっとがんばれ」「きちんとして」「ちゃんと聞いて」「さっきも言ったよ!」で覆われていますよね。かなり堅苦しい・・・・。学校が、この「すくすく」みたいな場の雰囲気だったら、子どもたちももっと伸び伸び失敗しつつ学んでいけるだろうにな、と思いました。楽しさとリラックスが学びの基礎、のはずなのにね。今日は午前中、小学校にいたので、その対比を強く感じたのかもしれません。

「すくすく子育て  ことばをはぐくむからだ遊び」
放映日は12月20日(土) 21時〜
再放送は12月26日(金) 13時20分〜  の予定です。

12月号のテキストも書店で発売中で〜す。(これは宣伝でした)

 11月8日、練馬区大泉の旭出学園内 三木安正記念館主催のセミナーにお招きいただき、久しぶりに旭出学園に行ってきました。
 大学を卒業してから、STの養成校(国立聴力言語障害センター付属聴能言語専門職員養成所)に入学するまでの1年間弱、週に3回通いなれた道です。吉祥寺から「都民農園セコニックゆき」のバスに乗り、「西村」で降りると、体が自動操縦のように、自然に旭出学園の方向に向かいます。高圧線の鉄塔を目印にして角を曲がると、懐かしい旭出学園の2号館(1階は旭出養護学校小学部、2階は旭出学園教育研究所)の建物が見えてきます。セミナー会場は懐かしいこの2号館でした。一歩足を踏み入れると、弱冠22歳の私と、当時小学部2年生、3年生だったY子ちゃん、T郎くん、H夫くんが今にも現われそうな気分です。ご本人たちは、もう40歳を越えているのですが・・・。
 出迎えてくださったのは、当時、研究所でご一緒させていただいた松田祥子先生。ちょうど、先生がマカトンサインの日本への紹介を始められた頃でした。
  2階では、とうに80歳を越えていらっしゃるのに、40年近く前、私が大学で教わっていた頃とほとんどお変わりなく柔和でお元気な肥田野直先生が待っていてくださいました。肥田野先生が教えてくださった統計学は、私の脳ミソには全然理解不能な学問だったなぁ、と、あらためて思い出しました、先生のお情けで、単位だけはいただきましたけど・・・・・。
  当時教頭先生だった坂本豊(とよ)先生も、全然変わらずお元気でした。

  いつも三木先生と一緒だったこの3人の大先輩にお会いしていると、研究室のドアをあけて三木先生が「やぁ、いらっしゃい」と笑顔で出迎えてくださりそうな不思議な感覚に包まれ、旭出は、やっぱり私の古巣、ふるさとなんだなーと思いました。   この3人の先達に習って、私も、80歳過ぎても現役で、こういうふうに仕事ができるかも・・・・と、ちょっと、希望を持ちました。

  セミナー参加者は、旭出の職員と外部からの聴講者とのことでしたが、大変熱心に話を聴いていただき、光栄でした。

  障害のある人たちへの生涯にわたる一貫した支援の必要性、障害を持ちつつも幸せな人生を送るために周りのおとなが何をしたらいいのか探しながら、子どもと「共に」成長し続けることの大切さを、旭出学園と、そこにいる子どもたちと、先生たちに教わったのだったなぁ、と思いながら、帰路につきました。

 旭出養護学校は、年間を通して学校見学を行っています。ぜひ一度、マカトンサインが生活の中に使われているようす、子どもたちが、のびのびと、自分らしく楽しげに生活しているようすをごらんになってください。見学の日程は以下のサイトに掲載されています。 旭出養護学校 学校見学日
   

 11月の1日ー2日にかけて、釧路に行ってきました。仕事ではなく、でも、遊びでもない旅でした。
 何をしに行ったかというと、「マザーグースの会」の堀口さんに用事があったのでした。鶴が舞う姿も見せてもらいました。

 これは堀口さんに連れて行ってもらった、鶴居村の「夢工房」というすてきな「ウッディホテル&レストラン」の「阿寒ポーク」のセットです。堀口さん親子と私の息子が注文しました。
私はお腹がいっぱいだったので食べませんでした、残念(-_-;)すごくおいしいのだそうです。かぼちゃスープだけでも食べればよかった・・・・。 


 最近取り替えたばかりのカメラつき携帯で撮りました。今までのはごくオーソドックスな「らくらくホン」。字が大きいので手離せません。
ですが、字数制限250字ではあまりに不便なので、新型の「らくらくホン」にバージョンアップしました。字数制限も250字から1万字と一挙に出世。おまけに携帯で写真が撮れるようになった、というわけです。めでたし、めでたし。

  堀口さんと話していると、どんどん夢が広がり、願ったことは何でも実現しそうな気がしてきます。そういう友人が身の回りに何人もいてくれることを、とても幸せに思いながら帰宅しました。大風呂敷どころか、“空飛ぶじゅうたん”状態。
  堀口さんも私と同じスタイルのホームページを作ることになりました。こうやって、「友だちの友だちは友だちだ」という輪がわわわわわ!と広がって行くのがとっても楽しみです。

私はSTとして、コミュニケーション手段の確保が自分たちの職種の大きな
役割だと思っています。
その意味で、自閉症の人たちのコミュニケーションのひとつの可能性として
ファシリテーテッドコミュニケーションが、少しずつ認知されるように
なってきていることを、喜ばしく思っています。

 多くの本を通じて精力的に自閉症の世界について発信してくれている
東田直樹くんの存在も大きかったと思っています。
ずっと応援していました。
 今回ダグラス・ビクレン教授と、東田直樹くんとのジョイント講演会が
企画されました。多くの方に「あると思わなければ見つけられない」
ものについて知っていただきたく、ご案内します。

日時    11月16日(日)午後1時〜
場所    東京 国立オリンピック記念青少年センター
 詳細は→ ダグラス・ビクレン&東田直樹 ジョイント講演会/フォーラム

 10月18日・19日の両日にわたって、東京・御茶ノ水で「子どもの発達支援を
考えるSTの会
」の第7回研修会を行いました。
18日の講演テーマは「発達障害の早期支援」。
九州大学大学院名誉教授の大神英裕先生にお願いしました。
子どもSTの会の会員ともども、心待ちにしていたのですが、期待にたがわぬ
すばらしいお話でした。研究者のお話を聞きながら、ゾクゾクしたり、ワクワク
したりするなどという経験は、めったにないことだと思います。

大神先生が行っておられる研究は、現在進行形ですが、北九州糸島地区で
多職種と協力して、平成12・13年生まれの子ども全員(約1900人)を対象に、
質問紙による調査を継続的に行うという気の遠くなるような内容です。
 「奇蹟の糸島プロジェクト」とも呼ばれるこの研究は、乳幼児の発達について
多くのデータを蓄積し、大きな成果をあげてきています。

 この研究は、発達障害の初期予徴を見出し、早期から地域全体で応援する
プログラムを構築しようとの壮大な意図を持ちますが、早期に発見するだけで
なく、気がかりがあると思われるお子さんにどのような援助が有効なのかという
ことも合わせて実践しているところにその真の凄さがあると私は思います。
 詳しくは「発達障害の早期支援  研究と実践を紡ぐ新しい地域連携
         (大神英裕   ミネルヴァ書房)をご覧ください。
 保健師さん、健診にかかわる職種の方たち、療育にかかわる方たちすべてに
ぜひとも読んでいただきたい本です。

  ベートベンに「心より出て、願わくば、再び心へと至らんことを」ということばがある
そうですが、研究の中にも、人の温かみが感じられる「ことば」を通して、心へと伝わる
研究もあるのだなー、となんだか興奮さめやらぬ思いでおります。
私たち(ST)もがんばらなくっちゃ。  

 今日(平成20年10月15日)の朝日新聞東京版朝刊・生活面「患者を生きる」に友人で狛江(こまえ※)在住の皆河える子さんと息子さんが登場していました。
 皆河さんの息子さんは無痛無汗症という稀少な病気を持って生まれました。これからの連載で紹介されるでしょうが、皆河さんは、全国に呼びかけて「無痛無汗症の会『トゥモロウ』」を立ち上げて当事者をつなぐ仕組みを作りました。

  お住まいの狛江市では「福祉ネット ナナの家」の総元締めとして、乗馬、爆風コンサート、映像教育、ヘルパーステーション、障害のある人たちの居場所づくり、など、実に果敢な活躍ぶり。
  そうそう、乗馬は、健康にいいんですよ!!  障害のある子どもたちの馬に乗った時のよい笑顔といったらありません。ボランティアをいつもいつも求めていますから、時間と興味のある方はぜひ手伝って、楽しんでください。

  皆河さんと私とは、「多摩川沿いに温泉を掘りあてて、恒常的に乗馬ができて、温泉に入れる施設を作れたらね (^_-)-☆ 財政状況のかんばしくない狛江が観光立市できたら最高(^。^)」という夢(白昼夢といいますか、妄想といいますか)を語り合っています。「夢は見るものではなく、かなえるもの」ということばが大好きな私ですが、さすがに、こればかりはあまりかなえられそうな気はしません・・・・。

    ※ 「狛江」を(こまえ)って読めない人が全国的に多いのでふりがなをつけました

                                20年10月12日記

私は「障害」ということばが好きではありません。「障碍」と言おうが、「障がい」と
言おうが、やっぱり好きではありません。特に、発達「障害」については、周囲が
「特性」「独特な個性」として広くとらえて手立てを講じればさえすれば、あまり問題なく
暮らしていけるような場合にも「障害、障害!」と、騒ぎ立てるきらいがあるように
思えます。

「障害」にあたる英語のひとつに「disorder」という単語があります。
order の意味には、命令とか順番とか秩序とか体制とか整理とか
いろいろありますが、中に「調子」とか「好調」とか「順調」とかいう意味あい
も含まれています。

接頭語のdis- は「欠如」「否定」「反対」の意味を表わします.

そこから考えると、disorder= order  が disされた状態 つまり
「調子がよくない」「順調でない」、「列からちょっとはみ出した」
といったイメージなのではないのでしょうか?

確かに、私の知ってるAくんもZちゃんも「列からはみだしがち」な、かわいい子
たちです!!!   運動会の時なんか、だから目立ちます。

だったら・・・・と私は思うわけです。
「列の方を、こんなに整然としなくてもいいことにすれば、目立たないんじゃ
ないの?」って。
こういうことを保育園や幼稚園や学校の先生方に言っても、あまり取り合って
もらえませんけどね。

東京学芸大学の上野一彦先生は「障害とは支援を必要とする個性である」と
いつもおっしゃっています。私も、ほんとにそうだなーと思います。
WHOが出した「ICF分類(国際生活機能分類)」を、世の中の人がみんな
知ってくれるといいのに、と思います。
そして、「支援」のレパートリーの中に、「自分たちのほうが、もう少しアバウト
になる」っていう項目も加えてくれたらいいな・・・とも。

                          20年10月4日                     

旭川に行ってきました
北海道からの依頼には、後先考えずに「行きます!」と即答
するクセがあるのですが、この時期の北海道は、何とも言えない
美しさです。

旭川地区ことばを育てる親の会40周年記念の学習講演会という
あつまりでした。またまた学ぶところの多い二日間でした。
150人近い方が来てくださったのもありがたいことでした。

旭川市は人口35万。小学校が60だかある、という市域の広さ。
人口7万6千、小学校6校の狛江から見ると想像できない規模です。
特別支援教育へのアプローチの仕方も、きっとうんと違うのだろうと思います。
が、目指すと方向はただ一つ。すべての子どもが大切にされる
世の中だ、と思いました。がんばる人たちたくさんにお会いできました。

先週は7度になったという旭川。
私が行っていた間は10度とか12度とかあったので寒いという感じは
ありませんでしたが、沿道の木々はすでに色づきはじめ、赤、黄、が緑に
混じりあい、夢のように美しい風景でした。緯度が高い分、光の角度も違う
のでしょうか、東京とは、木もれ陽の感じが違います。

講演後、美瑛の「パッチワークの丘」や「四季彩の丘」を通って、
空港まで送っていただきました。
広々した丘陵風景。車から降りると、木々の葉が風に揺れる音、
遠いところから聞こえるせせらぎの音・・・・などなど、しばし世の
雑用すべてを忘却のかなたに押しやりました。

その上、空港が近づくと空に大きな虹がかかりました。
しかも二重に。
内側の虹は誰かが人為的に作っているのではないかと思うほどの
色の濃さ。まったくのところ「ことばにできない美しさ」でした。目には
しっかり焼きついています。

同乗していた「ことばの教室」の先生に教えていただいたのですが
内側の虹(主虹というそうです。色が濃い方)と、外側の虹(副虹)とは、
色の配列が逆になっていました!!!   ほんとだ、びっくり!!

家についてから、ネットで調べてみたら、虹が二重になるわけと
色の順番が逆になる理由が載っていました。
ダブルレインボーと言うのだそうです。
http://www.an.shimadzu.co.jp/support/science/010912/010912a.htm
説明を読んでも、私の頭では理解できませんが、現物は何しろ
も・の・す・ご・くきれいでした。
透明な光の色。
絵の具では決して出せない色合い。
神々しいということばがぴったりでした。
美しい自然に出会って、ちょっぴり謙虚な気持ちになって帰ってきました。

高山恵子さんたちがやっている「えじそんくらぶ」の活動はみなさま
ご存知のことと思います。    http://www.e-club.jp/

この「えじそんくらぶ」から、2008年3月に広く子育て中の保護者を

対象にした、とてもわかりやすいパンフレットが出されました。

無償ダウンロードできます。

 
えじそんくらぶ  トップぺージ 
http://www.e-club.jp/
  ↓
 参考図書
  ↓
 冊子ダウンロード
   「子育てママを応援します
        〜育児ストレスを減らす三つのヒント」


なお印刷ずみのものの郵送もしてもらえるようです。
一冊40円または30円です。

えじそんくらぶの働きは、すごいですね・・・・。

  今夜は(狛江)市内にある、和泉児童館の「運営協議会」でした。
狛江市の子ども家庭支援センターと児童館とはともに雲柱社という社会福祉法人に委託されてから、どんどん活性化して、来館者数も市の直営時代から比べるとうなぎ上りになっています。行政の運営はどうしても「とりあえずやります」「最低限のことはやっています」という感じになってしまいがちですが(無理もない部分もありますよね。つい先月まで水道課だったり、住民票を出したりする部署にいた方が異動したりするのですから・・・)この雲柱社は、とても熱心な取り組みをしてくれています。障害のある子どもたちを含む児童館活動を作り出す、という方向にも。
  今日の会議で館長は(まだ若いのですが)、「ユニバーサルデザイン」ということばで、児童館の運営の理念を話してくださいました。障害のある子もない子も一緒に生活するのが当たり前になるために、ということで。そのための目標として五つのことが挙げられていました。

     ①私たちは、みんなの≪居場所≫となる児童館を目指します。
     ②私たちは、子どもたちが多くの人と出会い、遊びや行事など
       への参加を通じて≪社会力≫を培う児童館を目指します。
     ③私たちは、子どもたちやその家族の抱えている問題を受け止め、 
      ≪共に担う≫児童館を目指します。
     ④私たちは、世界の人たちと≪共に生きる≫ためのための学習や
      異文化体験、ボランティア活動に取り組む児童館を目指します。
     ⑤私たちは、子どもたちが≪平和≫を愛し、差別や偏見に立ち向かう力を
      育む児童館を目指します。

  「支援とは、≪共にある≫ことから始まる」と誰かが言っていました。
 共にあること。共生。
 言うは易く、実行はとても難しいけれど、この狛江市和泉児童館は一年ごとにその歩みを着実に積み重ね、深めていると感じながら帰ってきました。

「神は細部に宿る」ということばが私は大好きです。

作家・画家の佐野洋子さんも、本「ふつうがえらい」(新潮文庫) の中でそういっています。

≪私が一番好きなことばは「神は細部に宿る」というもので、米の飯が
銀色にねっとり光っていたりすると、実に神は細部に宿っていると思い、
「ほっ、ほっ、おいしい」とのりのつくだ煮などをのっけて、うれしいのであ
る。≫

授業参観をしていて、そのことばを思い出しました。
上記とは、ちょっと違っているのですが、「細部には必ず全体が反映される
ものだー」と思ったのです。
目にしたのは、授業中の何でもない一こまだったのですが、そこに、その
クラスの日々の生活が反映されているみたいに思えて、なんだか、
ほっほっとうれしくなりました。

授業の中身は、一人ずつ前に出て、夏休みに経験したことなどをクラスの
みんなに話す、というものでした。
夏休み中に読んで印象的だった本を紹介しようという女の子が、読み上げる
原稿と、読んだ本とを手に持って前に出ました。
で、原稿を読み上げますが、声が小さくて、後ろまで届きません。
「もう一回」という声がかかります。

女の子は、持っていた本を、すぐ横にいた男の先生に「ひょい」と渡しました。
「先生、持っててください」という断りもなく。でも先生はごく自然にその
本を、同じく「ひょい」と受け取り「じゃあ、先生が持っててあげるね」って
言いました。
女の子は原稿を持ち替えて、少し大きな声で読んだので、今度は後ろまで
ちゃんと聞こえました。

このクラスには、何ていうか、子どもたちが安心してその中に存在できる、と
いう雰囲気がありました。先生の声かけは、結構、ぱりっとしているし、
騒がしい子がいると、怖ーい視線を送ったりするにもかかわらず、です。
なぜだろうな、って、最初から不思議でしたが、上記の光景を見て、納得
しました。

先生と子どもたちが「信頼関係」で結ばれている、ってこと。
先生が一人ずつの子どもたちの「特性」や、「得手・不得手」をきちんと
把握していて、全体を動かすと同時に、一人ずつに合わせてちがった
対応をしておられるんだな、ということです。

いやーーー、いいものを見せてもらいました。 いい仕事、してますね。

と思いながら、学校をあとにしました。

自閉症の人たちへの援助の方法のひとつとして名高い
TEACCH(ティーチ)プログラムの日本への紹介者は
佐々木正美先生は児童精神科医です。

私は直接一緒にお仕事をさせていただいたことはないのですが
接近遭遇、というか、実際にお会いすることはないのに、間接的に
一緒にお仕事・・・・という関係があります。

先日、たまたまネット検索していましたら、佐々木先生の息子さんが
立ち上げられたサイトを見つけました。
「ぶどうの木」  http://www.budouno-ki.net/

この中に、佐々木先生が書かれているコラムが載っています。
さすが、と思えるような深さが感じられ、しばし、ほっと息をつきました。

佐々木先生は、お母様の実家が狛江にあった関係とかで、
長い間、狛江の公立保育園の障害児保育の自主勉強会を保育士の
方たちと一緒にやってきてくださっていました。

狛江の保育園の中堅の先生方とお話しすると、佐々木先生の
ことがよく話題に上ります。そういう相談役がいてくださったからこそ
昭和40年代半ば、“障害”のある子どもたちへの療育や保育をどう
やっていけばいいか、前例も教科書もない中でも、ぶれずに積極的に
“障害”のある子どもたちを受け入れてきて下さったんだなと思います。

子どもたちをどう変えるか、成長させるか、ということにどうしても
目が行きがちですが、「一緒に成長してゆく」という謙虚で、かつ
長いスパンでの覚悟を持つことが、私たち対人援助職には欠くことの
できない資質、というか、臨床哲学なのだろうな、と思っています。

 

佐々木先生の本
「子どもへのまなざし」  福音館書店
「続・子どもへのまなざし」  〃
「育てたように子は育つ」 小学館(相田みつをさんとのコラボ)        

       心と体が疲れ気味の方に、オススメします。

2008-08-28
徒然なるままに にっきが載るとか載らないとか

お問合せ・ご相談はこちら

「そらとも」は「この空のもと、いたるところに、志を同じくする友あり」という意味です。

疲れて、ひとりぽっちと思えるときには、空を見あげ、胸いっぱいに元気を補給しましょう。
その曲がり角の先には、きっと新しい出会いと、すばらしいできごとが待っています。

お気軽にお問合せください