10月18日・19日の両日にわたって、東京・御茶ノ水で「子どもの発達支援を
考えるSTの会」の第7回研修会を行いました。
18日の講演テーマは「発達障害の早期支援」。
九州大学大学院名誉教授の大神英裕先生にお願いしました。
子どもSTの会の会員ともども、心待ちにしていたのですが、期待にたがわぬ
すばらしいお話でした。研究者のお話を聞きながら、ゾクゾクしたり、ワクワク
したりするなどという経験は、めったにないことだと思います。
大神先生が行っておられる研究は、現在進行形ですが、北九州糸島地区で
多職種と協力して、平成12・13年生まれの子ども全員(約1900人)を対象に、
質問紙による調査を継続的に行うという気の遠くなるような内容です。
「奇蹟の糸島プロジェクト」とも呼ばれるこの研究は、乳幼児の発達について
多くのデータを蓄積し、大きな成果をあげてきています。
この研究は、発達障害の初期予徴を見出し、早期から地域全体で応援する
プログラムを構築しようとの壮大な意図を持ちますが、早期に発見するだけで
なく、気がかりがあると思われるお子さんにどのような援助が有効なのかという
ことも合わせて実践しているところにその真の凄さがあると私は思います。
詳しくは「発達障害の早期支援 研究と実践を紡ぐ新しい地域連携」
(大神英裕 ミネルヴァ書房)をご覧ください。
保健師さん、健診にかかわる職種の方たち、療育にかかわる方たちすべてに
ぜひとも読んでいただきたい本です。
ベートベンに「心より出て、願わくば、再び心へと至らんことを」ということばがある
そうですが、研究の中にも、人の温かみが感じられる「ことば」を通して、心へと伝わる
研究もあるのだなー、となんだか興奮さめやらぬ思いでおります。
私たち(ST)もがんばらなくっちゃ。