幼児期の子どもたちに「あれ?」と気がかりがある時、まずは、手がかりになる情報がほしいものです。
LCスケール(Language Communication Development Scale)は、ことばやコミュニケーション発達、認知や社会性にも目配りしながら、子どもの姿をとらえられる貴重なツールです。
一般的な発達検査、〇〇検査では、結果の数値が出ても、「では、この子に何をしてあげたらいいの?」という一番大事な課題にはお手上げ、という状況におちいりがち。
でも、この「LCスケール」は子どもの「その後」の育ちの姿に目を向ける手がかりを与えてくれる貴重なアセスメントです。ずいぶん広がって来たとはいえ、まだ、知られていないのが残念です。
ご紹介するのは、「LCスケール」の考え方に基づき、発達過程の理解を深めるための情報が整理された解説書(改訂版)で、2019年9月27日に発売されます。
前書きで著者の大伴潔先生(東京学芸大学教授)は「まえがき」でこう述べておられます。
◆「アセスメントは子どもを深く理解し、効果的な支援の指針を得るプロセスです。
評価法の結果はそのための素材に過ぎません。家族などからの情報や日常のエピソードと統合させ、主訴の背景を探るとともに、本人や家族の願いも踏まえながら、どのような側面が伸びれば子どもの「生活の質」(QOL Quality of Life)が豊かになるか、という観点を大事にしていきたいものです。
また、支援の内容やスタイルは、個別・集団といった支援の場の特徴や、大人自身が得意とするかかわり方によってもさまざまです。
アセスメントツールの活用に熟達したいという方々だけでなく、発達について多面的に理解を深めたい、子どもの特性を踏まえた目標設定のあり方について考えてみたい、かかわりのレパートリーを広げたい、といった方々にも本書は役に立てば幸いです」◆