2018年05月19日

「発達障害の早期発見と支援へつなげるアプローチ」(市川宏伸 編著  金剛出版)

発達障害関係の本で、読みながらワクワクする本に久しぶりに会いました。

「発達障害の早期発見と支援へつなげるアプローチ」
      市川宏伸編著 金剛出版  
      2018年4月30日発売 


市川先生本.jpg

題名はわりと普通に見えますが、中身がすごい。
各章の著者は 市川先生はじめ(全員はご紹介できませんが)本田秀夫先生、神尾陽子先生、内山登喜夫先生、柘植雅義先生、小川浩先生、田中哲先生、日詰正文先生などです。

たとえ発達障害の特性を持っていても、適切な育ちの環境が保障されれば、支援がなくても社会生活上不便を感じずに生きることもできる。
だからこそ、早期からの理解と適切な支援が、周りの社会には求められる。
関係者にはすでに自明のことですが、そのことを、ここまでコンパクトに、かつ、網羅的に説明した本には初めてお目にかかりました。

感激!!!
うーん発達障害に関わる人にも、関わらない人にも必読の書です!!と言いたいです。

一部だけ紹介します。
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はじめに(市川宏伸)
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「さまざまな社会的な話題を見る際に、発達障害を念頭に置くと、いろいろなものが見えてくる。いじめ、からかい、不登校、ひきこもり、虐待、自傷、自殺、依存、理解できない犯罪、ゴミ屋敷問題、孤独死などの社会的話題との関連は考慮する必要がある。
発達障害は、連続体(スペクトラム)としての存在であり、境界が鮮明ではない。軽度の者も含めれば多数の存在があるとされる一方で、置かれる環境や周囲の対応によって、社会適応は大きく変わってくることも知られている。  (中略)
発達障害そのものは「人口の1割はいるであろう」とされており、特別な支援を行うよりは社会全体を対象としたユニバーサルデザインの普及が望ましいと思われる。「発達障害に住みやすい社会は、すべての国民に住みやすい社会」であると考えるべきではないだろうか?」

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8章  発達障害と虐待・ひきこもり(田中哲)
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「(略)そこであくまでもその特性に関連して引き起こされる生活上の困難に対して『障害』の名称を与えることにする。文脈上、障害は個人に内在するのではなく、さりとて完全に外在するのでもなく、個人と環境の間に発生する状況に存在すると考える。もちろんこれは、医療モデルにおける『障害』概念とは大きく隔たるが、こと発達障害に関する限り、医療モデルが通用する領域はごく限定的であることを考えると発達障害概念を心理・社会的な領域を複合した支援のための鍵概念として共有し、生物学的な背景を持ち医学的な介入が明らかに必要かつ有効な状態像に対象を限定して、治療的介入を行うという方略も十分にありうるのである。」

できたら、本の内容全部をここに書き写したいくらいです。

皆さま、ぜひぜひ読んで下さい。

今まで点だった、あるいはおぼろげにしか見えていなかった「子どもの育ち」と発達障害の関係、重なり合いが見え、周りにいる私たちが何をすればいいのかが納得できると思います。

posted by 中川信子 at 16:59| Comment(0) | TrackBack(0) | お勧め書籍案内
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