今年の夏は、雨続きです。
35度とか37度とかの酷暑でないので助かりますが、でも雨ばかりで困ります。
さて、月に一回恒例の孫クンとお母さんの「ショートステイ」でした。
孫クンは2歳3か月になりました。
相変わらず「ことばの遅い孫」クンで、明らかな有意語は「???」ですが、先月から今月までの1か月間の変化・進歩は驚くほどです。
お母さんたちがよく「目が覚めたみたいになって」って言いますが、ほんとに、そんな感じ。
ナカガワ風に言えば、「急激に脳への配線工事が進んだ」とでも言うか。
先月以前の孫クンは、マイペースそのもので、自分が伝えたいことはしっかり目を合わせて伝えるし、自分の興味に合うことには食いついてくるけれど、誘ったり声をかけたりしても、気が向かないと完全スルー。
2歳時のフォローで、心理の先生に「ヒトよりも、モノに向かいやすいですね」と言われたとかで、お父さんもお母さんも「その通りです!」でした。ばぁばももちろん同意見。
ごたぶんにもれず、水遊びが大好きで、うちに来ると風呂場に入り浸っていますが、「こうやってみたら?」とか誘っても、チラっとは見るものの、全然乗ってくれませんでした。
でも、今月は同様のシチュエーションで、誘ったり、声をかけたりすると「へぇ〜。何?」っという顔でじ―っと見て、「あ、そうか、じゃあ、やってみる!」って、すぐにトライしてくれる場面が増えました。
同時に、どこへでもどんどん行ってしまうことが減って、「こっちだよ」とか「そっちにはいかないよ」って言うと戻ってきてくれるようになりました。
お母さんにそう言ったら、「そうなんですよ、家で散歩に行く時もだいぶ楽になって。ハーネスから卒業できる日も来るかもしれないですね!」って言っていました。
ま、戻って来てくれないこともありますけどね。そういう時はやむを得ず、強制連行。
今回は毎日雨ばかりで、プレイパークもお休みの日だし、しょうがなく家の中で遊んでいたのですが、ある時、縁側からスルスルスルっと庭に裸足で降りてしまいました。やぶ蚊がスゴイので、庭には出すまいと思っていたんですが、間に合わず。 やむなく、長靴をはかせようとしたら、はかせる間ちゃんと待ってくれて、はき終わると雨の中、飛び出して行きました。
空に両手を伸ばして、きゃっきゃっと笑い声を立てて、大喜び。
いつも機嫌がよくて、笑顔の多い子ですが、こんなに大きな声で笑い続けている姿は初めてみました。
次は、家の前の道にできた水たまりをじゃぶじゃぶじゃぶ。きゃっきゃっきゃっ。
ああ、確かに、私もこれ、やったわ。65年以上前に \(◎o◎)/!
水たまりって、今でも、ワクワクする。
どうしましょ!すぶ濡れだわ、風邪ひいちゃう、と困惑しているじっじとばぁばに「すごいね!」「面白いね!」「楽しいよ!」っていう視線を送りながら躍り続けます。
「欣喜雀躍」とか「手の舞い、足の踏むところを知らず」ってことばがありますが、ほんとに、体じゅう、心全体が飛び跳ねていました。
あまりにうれしそうなので、じっじもばぁばも、止めるにしのびず、ただただ歓び躍っている孫クンを見守りました。
ことばを使えるようになると、「これは雨だ」「水たまり」「じゃぶじゃぶする」ということばで外界や自分の行動を表現できます。それは、反面、喜びも、驚きも、感情の動きも、全部狭い「言語」の範囲に規定してしまうということでもあります。それ以上でもそれ以下でもなくなっちゃう。
ことばを使えない分、高次脳機能で整理し、抑制的に行動するのではなく、感覚全開で表現できるんだなぁ、と、ある意味うらやましい気持ちにもなったりしました。 「遊びをせむとや生まれけむ。
たわぶれせんとや生まれけむ。
遊ぶ子どもの声すれば、
我が身さえこそゆるがるれ」です、全く。
梁塵秘抄でしたっけね。
あまりにざあざあ降りになってきたので、「ねえねえ、そろそろ入ろうよ。びっしょりだよ。今度はお風呂場で遊ぼうよ」って、聞いてはくれないだろうなぁ、強制連行するしかないかな、って思いつつ声をかけると、やがて、自分から長靴を脱いで、とっとこと家に入り、お風呂場に直行しました。
「へぇ〜、ことばが通じるんだ!」と、何だかびっくりでした。
歩きが安定し、坂道でも転びそうではなくなり、床の障害物も危なげなく越えられ、指先の器用さが増すなど、身体面での進歩も著しく、それが、認知や言語面の進歩、変化を下支えしているんだな、と思える場面がいろいろありました。
「はじめて出会う育児の百科」(小学館)などで、赤ちゃん、子どもの発達についていろいろ書きました。
間違ったことは書かなかったつもりですが、今回、ああ、ほんとにそうだったんだなー、子どもの成長はその子なりのやり方で進む、からだ・こころ・ことばの力は連動する、と再確認できました。
孫クンをかわいがりつつも、職業的興味全開で、しっかり観察もしているばぁばなのでした。