
東日本大震災当時5年生だった3人の高校生、雁部那由多、津田穂乃果、相澤朱音が、「あの日」をただのつらい過去にせず、学びに変えるために「震災の語り部」となりました。
その「若き語り部」たちのことばや思いが納められた密度の濃い本が「16歳の語り部」です。
子どもの目から見た、決して報道されなかった震災の真実が語られるだけではなく、子どもから大人へと向かう道のりの中で、人について、人生について真摯に考え続ける姿がそこにはあります。
地味な本ですが、でも、見ている人は見ているんだな・・・と思ったのは、この「16歳の語り部」がこのほど児童健全育成財団によって児童福祉文化賞推薦作品に選ばれ、5月8日に厚生労働省で授賞式が行われたとのニュースを聞いたからです。
授賞式での、語り部の一人、雁部くんによるスピーチの全文がこちら(ポプラ社のサイト WEBasta) に掲載されています。
テレビで行き交うただのウケねらいのことば、政治の場でのかみ合わないことば・・・。
ことばがあまりにも軽く、中味を持たなくなってしまったように見える今、「こころ」と「ことば」がしっかりつながっている、こういった若い人の「ことば」に触れて、そうだ、もう少しことばの力を信じてみようか・・・という気持ちにさせられました。
「16歳の語り部」の気持ちが、ぜひ、たくさんの人に届きますように。
いろいろなことを「ひとごと」ではなく、「自分ごと」として考えてくれる人が一人でも、二人でも広がって行きますように。