『乳幼児期の感覚統合遊び』
加藤寿宏監修 高畑脩平他編著
クリエイツかもがわ
2016年7月 1600円+税

発達障害、発達マイノリティの人たちの「問題」は、脳のはたらき方に起因する「からだの問題」が大きいということがやっと少しずつ知られるようになってきました。
一部の人にしか受け入れられていなかった感覚統合も少しずつ市民権?を得て、感覚統合に関連する本が次々出版されるようになりました。
とは言え、感覚統合に関わる本は、書いている人が専門家なので、やさしく書いているつもりでも、なかなかに分かりにくい本も少なくありませんでした。
今回の本は、作業療法士と保育士とのコラボレーションというだけあって、理論面もほんとに分かりやすく、今日明日の子どもとの生活にすぐに使えそうなアイデアがたくさん含まれています。
保育園や幼稚園のちょっと気になる行動が見られる子どもたちを含めた子どもたち全体に、どんな遊びを組み立てたらいいのか、その遊びにはどういう目的や効果があるのか、が分かりやすく説明されています。
保健師さんたちが行う、健診後のフォロー教室などでも、どういう遊びをどういう視点をもって行って行ったらいいかの参考になると思います。
また、幼児にかかわる方たちだけでなく、学校の先生方にも、基礎知識としてぜひ知っておいていただきたいことがたくさん含まれています。
学校で読み書きに苦戦している子どもたちに、的外れな「指導」や「クンレン」を強いることなく、身体を含めた全体を見てゆく・・・・機運が盛り上がりますように。