ここは中川信子のホームページです。ことばの発達や障害について、
また、言語聴覚士に関連するさまざまな情報を配信していく予定です。

「そらとも」は「この空のもと、いたるところに、志を同じくする友あり」という意味です。
疲れて、ひとりぽっちと思えるときには、空を見あげ、胸いっぱいに元気を補給しましょう。
その曲がり角の先には、きっと新しい出会いと、すばらしいできごとが待っています。

8月2日、石巻に行ってきました。
主催は石巻市(健康推進課)、私たち「一般社団法人 子どもの発達支援を考えるSTの会」が資料準備や講師派遣などに協力した企画です。

前夜 8月1日の夜に仙台着。仙台ー石巻を結ぶ仙石線は、もう復旧したのかと思っていましたが、一部区間がまだ開通しておらず、その区間は代替バス輸送とのこと。代わりに、本数多く出ている仙台ー石巻間の高速直行バスで行きました。

8月1日は、石巻の「川開き祭り」

昼間の駅前はすごい人出だったそうですが、保健師さんによると、「お祭りの時だけです、あんなに人が出るのは」とのことでした。

私はホテル着が夜8時半を過ぎましたが、幸運なことに、窓から、盛大な花火が見えました。

2日は朝10時から、保健師・保育士・幼稚園の先生・療育関係者対象の講演会。
180名という来場者があり(平日の昼間なのに)皆さん、熱心にうなずきながら聴いてくださいました。
午後1時からは、保健師さんたちとの事例検討会や質疑応答。熱心で暖かい雰囲気で、平常の石巻の充実した保健師活動がしのばれました。

仮設住宅という恵まれない住環境の中、心のバランスを崩す親ごさんたち。
赤ちゃんを泣かせないために、おしゃぶりを口につっこむしかない生活。
同じ仮設に住んでいても、もともとの地域が違い、通う学校がバラバラなので、全員スクールバスでの送迎。
遊びの機会も、子ども集団での遊びも成立せず、子どもたちにとって、危惧される状況が山ほどあると知らされました。
家が、家財が流されて行くのを黙ってみていた子どもが、2年以上たってやっと「見たんだ、家が流れるのを」と言えるようになったとも聞きました。

泊まったホテルのすぐ目の下にも、10棟ほどの仮設住宅が見えました。

河北(かほく)町の会場(ビッグバン)からの帰り道、タクシーに少し遠回りしてもらって、多くの児童と教員が亡くなった大川小学校の横を通ってもらいました。
北上川の河口から4キロもあるのに、川を逆流して来た津波が堤防を決壊させ、一気にあたりを飲み込んでしまったのだそうです。

がんじょうなコンクリート製の橋がひとたまりもなく「流される」なんてあり得ない・・・。
それほどの力が水にあるなんて。
一緒に行った、子どもSTの会のお仲間と二人、文字通り「ことばを失い」ました。

大川小から少し離れた場所で、タクシーの運転手さんの「下流で堤防が決壊しなかったら、このあたりもやられていたはずです」とのことばを聞き、複雑な思いにかられました。
堤防が決壊したから被害を受けた地域と、それによって助かった地域と・・・・。

運転手さんのご家族が無事だったのかどうか、おたずねするにも躊躇しましたが、決心してお聞きすると「全員無事でした」といわれ、ちょっと安堵しました。

「一般社団法人 子どもの発達支援を考えるSTの会」の会員の皆さまのご協力のおかげで、陸前高田、気仙沼、石巻と3ヶ所で講演会を実現することができました。講師派遣、資料準備など、現地の負担も少なくてすみ、大変感謝されました。

また、会からの、継続的なST派遣も続けられており、それぞれの自治体で、とても頼りにされるようになっていると聞きました。

「ちゃんとしたST」に一度会えれば、需要は広がるはず、なんて私はいつも思っているのですが、子どもSTの会の周辺には、「ちゃんとしたST」さんが大勢いるんだな〜など、手前味噌なことを考えました。

お問合せ・ご相談はこちら

「そらとも」は「この空のもと、いたるところに、志を同じくする友あり」という意味です。

疲れて、ひとりぽっちと思えるときには、空を見あげ、胸いっぱいに元気を補給しましょう。
その曲がり角の先には、きっと新しい出会いと、すばらしいできごとが待っています。

お気軽にお問合せください