ここは中川信子のホームページです。ことばの発達や障害について、
また、言語聴覚士に関連するさまざまな情報を配信していく予定です。

「そらとも」は「この空のもと、いたるところに、志を同じくする友あり」という意味です。
疲れて、ひとりぽっちと思えるときには、空を見あげ、胸いっぱいに元気を補給しましょう。
その曲がり角の先には、きっと新しい出会いと、すばらしいできごとが待っています。

 高齢の母が、風邪由来の下痢で体調を崩しました。脱水症状も出たので、バタバタと、入院することになりました。幸い、東京都内には、医療機関が沢山あるので、姉とふたりで手分けしていろいろ調べ、空きベッドのある病院に無事に入ることができました。点滴で、少し元気になって来て、安心しました。

病院側から見れば、母も、「ざらにある、脱水になった高齢者の一人」に過ぎないのでしょうが、でも、お医者さんも、看護師さんも、みんな親切に接してくださり、弱い立場の患者家族として、本当にありがたいです。

この「Y内科小児科病院」は、私にとって、とてもなつかしい病院です。
最初の著書になった「ことばをはぐくむ」(ぶどう社)のあとがきに書きました。

〜〜〜〜〜〜あとがき  引用  ここから〜〜〜〜〜〜〜〜〜

長男はアレルギー体質です。赤ちゃんのころから、ひどい喘息と湿疹に悩まされてきました。アレルギーについては一流といわれる病院にずっと通っていました。
アレルギーの値をはかるという血液検査で「こんなにすごい値の出る子ははじめてだ」と言われました。「お母さんがそんなふうだから、なかなかよくならないんですよ」とも叱られました。

5歳過ぎ、たまたまかかった別の個人病院で「これだけアレルギーの値が高いのに、喘息の症状は軽いほうですね」といわれました。「精神的には強い子だと思うのですが、そのおかげでしょうか」とたずねると、先生は、ニコッと笑って「お母さんの育て方が間違ってないからでしょう。」とおっしゃいました。

私の育て方で間違っていない・・・・・!!

その後、いろいろな局面で子どもを育てあぐねる時、そのことばがどんなに私の支えになってくれたことでしょう。

世の中にたった一人でも、自分のやり方を認めてくれる人がいれば、どんな困難にも耐えられる、と思いました。

「それではダメだ」「もっとがんばれ」「お母さんがしっかりしなくては」と叱咤激励されることばかりが多い、障害児のお母さんたちです。

私はそのお母さんたちに「そのままのあなたでいいんですよ。りっぱですよ」と言い続けてきました。私には、ほんとうに、そう見えるからです。     (後略)

〜〜〜〜〜〜〜引用  ここまで〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

今回、そのY病院に母のお見舞いに行くようになって、何回か、その時長男を診てくださった先生をお見かけしました。

面と向かってお礼を言うのも照れくさく、その背中に向かって、ただ「ありがとうございます」と、心の中でつぶやいています。

そして、「私も、お会いする親子さんたちにとって、このY先生のような存在になれたらいいな〜」と思います。
子どもの成長にとって大事なことは、「ああいう人になりたい!と思えるような『よい大人モデル』を持つことだ、と言います。
私は、故・三木安正先生や、このY先生をはじめ、何人もの『よい大人モデル』にお会いできました。
ほんとに幸運だったと思います。

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「そらとも」は「この空のもと、いたるところに、志を同じくする友あり」という意味です。

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その曲がり角の先には、きっと新しい出会いと、すばらしいできごとが待っています。

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