大阪(厳密には堺市)からの帰り、新幹線を新横浜で降りました。小田急線狛江までは、新横浜ー町田ー狛江 と行くことにしているからです。
新横浜で乗り込んできたのが、お母さんと一年生くらいの男の子。
お母さんは男の子の背負っているリュックをぎゅーぎゅー力任せにひっぱるというか押すというか、突き飛ばすみたいな感じで乗り込んで来ました。
たいそうな剣幕です。
「あんたのせいで ナンタラカンタラ!」と言っているみたいです。
男の子をぎゅーぎゅー引っ立てて、ドア脇に立たせました。
男の子は、反論するでもなく、されるままになっていました。
あらまあ、毎日、こんな具合に怒られてばっかりなのかしら、かわいそうに。
「あんたのせいで一電車遅れた・・・か何かかしら?」と思っているうちに私はウトウトしてしまいました。
10分くらいして目を覚ましたら、男の子は、少し離れたところの席に座っていました。お母さんは立っていました、男の子のリュックを手に持って。
男の子が何か言うと、お母さんは耳を寄せて聞き、リュックの中からお菓子らしいものを探し出し、男の子にやさしく渡していました。
「おかあさ〜ん、むにゃむにゃむにゃ」と男の子は甘えたようすで言っていました。
ああ、よかった。私がうたた寝してる間に、お母さんの怒りは収まって、いつもどおりの親子の姿に戻ったのね、と安心して、私は町田で降りました。
親子の生活の中には、いろいろな感情の時がありますよね。
一つの場面だけを見て、早々と決め付けることは、間違いのもと、クワバラクワバラ、と 自分に言い聞かせました。