ここは中川信子のホームページです。ことばの発達や障害について、
また、言語聴覚士に関連するさまざまな情報を配信していく予定です。

「そらとも」は「この空のもと、いたるところに、志を同じくする友あり」という意味です。
疲れて、ひとりぽっちと思えるときには、空を見あげ、胸いっぱいに元気を補給しましょう。
その曲がり角の先には、きっと新しい出会いと、すばらしいできごとが待っています。

 10年前にST(言語聴覚士)になるための養成所の時の同期生3人で立ち上げた「子どもの発達支援を考えるSTの会」(略称 子どもSTの会)です。

 最初は「100人も仲間ができたらうれしいね」と言っていたのですが、今や、800名近いお仲間ができたことは前に書きました。
北海道から沖縄まで、STの中でもごくごく少数派の、子どもの発達支援に取り組むSTや、「ことばの教室」の先生方、そして「1割を超えない範囲で入っていただこう、STだけだと井の中の蛙になっちゃうから」と、入っていただいている小児歯科の先生、教員や保育士さんなどがメンバーです。

昨28日に第9回の研修会を開催し、東日本大震災の被災地への支援についての現地からと、「子どもSTの会」事務所の担当者からの報告がありました。
東日本大震災の被災地にある療育機関で、私たちの会の仲間のSTが関わっていたところがいくつかありました。

建物は流され、療育スタッフの中にもなくなられた方があったと現地のSTから聞き、でも、遠く離れた東京で、いったい何ができるのだろう・・・・・と、みんな考えがまとまりませんでした。
でも、会員の中から「何かできることはないか、どこに配分されるか分からない義捐金ではなく、必要な所に渡るように支援金を集めて現地に送りたい」との提案があり、4月の会費納入に合わせて、支援金を募ったところ、総計100面円を越えるお金が集まりました。

そのお金で、現地に応援に行くというSTの交通費を出させてもらうなどのささやかな支援をしていました。
そして秋になり、子どもSTの会事務所として、被災地での療育担当の部署と積極的に連絡を取ってくださった結果、いくつかの市町村に具体的な支援が動き始めました。

特にかかわりが深いのは陸前高田市「ふれあい教室」です。
今回の研修会では、陸前高田に関わっているSTさんからの現地からの報告がありました。
テレビの画面で、死者何名、行方不明者何名、壊滅的被害・・・などと何回も何回も聞いていましたが、目の前のパワーポイント画面で、療育が行われていた部屋がガレキに埋まっている有様や、「ここに建物がありました」と今は何もない地面を示され、また、直接関わっている人から、被災前のようすと、被災後にどんな形で療育を再開して来たのか・・・・をうかがいました。
保育園の園長先生たちの思い、療育機関職員の思い、園児たちのけなげな姿、いろいろ聞いて、あらためて、STとして何ができるのかを考えずにいられませんでした。

でも、たくさんの人の努力で、別の場所で療育が再開されたことを聞き、また、支援金で修理した箇所や、寄贈した物が生かされている様子を画面で見せてもらい、本当に微力ですが、「人から人へ」気持ちが渡ったことに満たされた思いにもなりました。

ガレキ撤去などの力仕事では全くお役に立たない私ですが、被災地とのやり取りの中で、今年の6月と7月に、講演会を企画して、お話しに行くことが決まりました。
講演なら任せてください!  
子どもの発達について、大人のかかわりについて、保健師、保育士、教員、保護者、みんなが一緒に聞いて、思いを共有していただければうれしいと思います。
現地以外からも人を募って、一緒に行く計画が立てられています。一種のツアーです。詳細が決まりましたら、このHPでもご紹介します。

何ができるわけでなくても、「気にかけている」「忘れない」だけでも、少しは力になれているのかもしれません。
何ができるわけでなくても、「現地に行く」こと自体が応援になりうるかもしれません。

子どもSTの会の会員の暖かい気持ちを誇りに思うと共に、こういうすばらしい人たちが集っている会の「代表」を務めさせてもらっていることに感謝しました。

研修会でも、また、研修会後の懇親会でも、いつもはメーリングリスト上だけの知り合いと顔見知りになれて、やっぱり「顔の見える関係」って大事だなぁ、って痛感しました。



   

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