ここは中川信子のホームページです。ことばの発達や障害について、
また、言語聴覚士に関連するさまざまな情報を配信していく予定です。

「そらとも」は「この空のもと、いたるところに、志を同じくする友あり」という意味です。
疲れて、ひとりぽっちと思えるときには、空を見あげ、胸いっぱいに元気を補給しましょう。
その曲がり角の先には、きっと新しい出会いと、すばらしいできごとが待っています。

  以前にもご紹介した、「重度の知的障害を伴う(と見られる)自閉症」の東田直樹くんがブログを開設し、毎日更新しています。東田直樹オフィシャルブログ
  私はほとんど毎日チェックし、「はぁ〜 そうなのか〜」「へぇ〜、そうだったのかぁ〜」と驚いたり、共感したりしています。


たとえば、こんな具合です。
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  「動けなくなる訳」(1月12日)

「昨日は、僕が駆けだす訳を書きましたが、その逆に歩いている途中で、急に動けなくなる人もいるようです。
僕は、あまりそういう経験はありませんが、たぶんこういう理由ではないかと考えていることがあります。
それは、歩く途中で動けなくなる場合、歩き方がわからなくなるからではないでしょうか。
歩き方がわからなくなるなんて、信じられないかも知れませんが、歩いている途中に急に訳がわからなくなるのです。

どうやって、手足を動かしていたのか訳がわからなくなり、混乱してしまうのです。そうすると、歩くのが嫌とか何かにこだわっているとかではなく、歩き方がわからなくなってしまうのです。
わからなくなると、自分の存在そのものが不安定な感じがします。
そのために、動けなくなるのです。

どうして、僕がこんなことがわかるかというと、昔、徒競争をしていた時途中から歩きだしたり、止まったりしていたからです。
歩いている途中に動けなくなる人も、そのときの僕の感覚に近いのではないかと思います。


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  「誰でもが簡単にできると思うこと」(1月16日)

人は、自分が簡単にできることは、他の人もできて当たり前だと思いがちです。
僕は、障害者にとって辛いのは、普通の人ができることができないことではなく、できない気持ちをわかってもらえないことだと思うのです。
できないことをさぼっているとか、ふざけているとか、わざとしないとか言われることほど辛いことはありません。
それは、普通の人と障害者の間だけのことではありません。
障害者同志の間でも起こることなのです。

苦手なことをなおす努力はもちろん必要です。
けれども、障害が原因で起こることについては、急に良くなることは有り得ないのです。
ひょっとすると苦手なことは、もうなおらないことなのかも知れません。
それでも、なおす努力を続けていかなければなりません。

なぜなら、そうしなければ、少数派の僕たちの居場所は、この社会にはないからです。
誰もが必死に生きています。
それは大切なことですが、どこか寂しいと感じるのは、僕だけでしょうか。
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コメントに対する誠実なお返事にも、直樹くんの人柄が見えてくるようです。

こんな東田直樹くんの、講演会の予定が決まりました。3月27日(日)です。


東田直樹・小柳拓人 ジョイント講演会&コンサート
 日時  2011年3月27日(日) 13:00 〜 16:00
 場所  アムウェイ オーディトリアム (JR渋谷駅より徒歩10分)
 入場料 無料(事前申し込み不要)


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「そらとも」は「この空のもと、いたるところに、志を同じくする友あり」という意味です。

疲れて、ひとりぽっちと思えるときには、空を見あげ、胸いっぱいに元気を補給しましょう。
その曲がり角の先には、きっと新しい出会いと、すばらしいできごとが待っています。

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