地方での講演が続くと「大変ですねぇ」とよく言われます。確かに体は疲れますが、でも、講演に行けば行くほど元気になって帰って来る日々です。 かえって、家にいるより、講演先でのほうが体にいいかもしれません。
「保健師さんからの依頼は基本的に、お断りしないようにしてます!」というのが、私の自己宣伝だったのですが、最近はちょっと様変わり。
地域での発達障害理解を進めるため、あるいは、ネットワーク作りのために多職種・地域の方たち、時に保護者も交えて、一緒に同じ話を聞いてもらうという企画が多くなっています。必ずしも保健師主催とは限りませんが、お引き受けすることがふえています。
発達障害概念は、すべての人たちが理解し合い、つながるためのまたとない入り口だと思っているナカガワにとっては、これは、またとないチャンスなので、いそいそ出かけるのです。
1月30日、31日は、熊本市発達支援センター主催のそういった講演会でした。話を聞きに来てくださった支援者の方たち、一般の市民の方たち、保護者の方たちに理解が広がっていくことを願っています。所長はじめ、センターのスタッフの方たちの熱い思いに触れ、私もがんばろうと思いました。
それと、最近感じることは、私ってなんと幸運なんだろう、ということです。 トシは経てきたものの、狭い範囲で、自分の感覚と三木先生の教え+旭出学園での経験のみを頼りに、ただただ現場ではたらいて来た私ですが、そんな、自分のささやかな経験や考えをお話しするだけで「なーるほど」「元気になった」「自分のやっていることがこれでいいんだと思えた」「明日からまたがんばろうと思えた」などという感想をいただくことができまるからです。
そういう感想をいただくことで私は「私の考えてきたこと、やってきたことは間違ってなかったのかもしれない」と思え、それこそ「元気になる」ことができます。エンパワーの循環ですね。
東京都多摩地区の社会教育委員の方たちの集まりで、今、「学び返し」ということばが使われるようになっていると言います。社会教育、公民館活動などの中で、市民として学んだことを、今度は地域に具体的に返して行こうという動きのことだそうです。
私もお会いしたお子さん、ご家族、いろいろな人たちに学ばせてもらったことを、今度は、新たにお会いする方たちにお返しできているのかな。 仕事で「学び返し」ができるって、本当に幸運なことだ、と思います。