ここは中川信子のホームページです。ことばの発達や障害について、
また、言語聴覚士に関連するさまざまな情報を配信していく予定です。

「そらとも」は「この空のもと、いたるところに、志を同じくする友あり」という意味です。
疲れて、ひとりぽっちと思えるときには、空を見あげ、胸いっぱいに元気を補給しましょう。
その曲がり角の先には、きっと新しい出会いと、すばらしいできごとが待っています。

 今日は、佐渡に来ています。昨夜遅く新潟に着き、今朝の「ジェットフォイル」で佐渡に着きました。この「ジェットフォイル」は、「翼走航行」という方法で(よくはわかりませんでしたが、水上に浮き上がった状態で)時速80キロで走るそうです。船は、かのボーイング社が製作したものだそうです。海を飛ぶ飛行機・・・ってことでしょうか。
  詳細は佐渡汽船HP(⇒就航船案内)をごらんくださいませ。
 佐渡へは、佐渡市立金井小学校「ことば・こころの教室」創立40周年記念の式典に付随する講演会にお招きを受けたからですが、このことについては、たくさんの見聞をしたので、また、別の機会に書きます。

   佐渡に来る前の日は、恒例の市内小学校の巡回相談の日でした。
この巡回は、毎回とても楽しみです。
というのは・・・・・。

 狛江市は専門家チームの巡回の立ち上げのときに、指導主事の先生と教育委員会とがががんばって独自のシステムを作ってくださいました。

  専門家が一人招かれて、独善的(?)なことを言い置いて帰っちゃうというスタイルではありません。これは、まことに失礼な言い方ですが、上記のようなやり方の「専門家の巡回」があまり役に立っていないとか、かえって迷惑しているという声を聞くことがあるので・・・・・。あ、もちろん、とてもよく機能しているところだってあるのだとは思いますが。

  狛江のスタイルは一人ではなく、複数の「専門家」が同時に顔をあわせ、同じクラスを授業参観し、終わったあとの協議に全員が参加し、それぞれ異なる意見や、アドバイスを述べるという形を取っています。

「専門家」の陣容は
○スーパーバイザー(精神科の医師、小児神経医師、言語聴覚士ナカガワ、都の教育相談員経験のベテラン先生)
○学区の特別支援学校(調布・府中)のコーディネーター
○当該小学校に市が週一回派遣している教育相談員(心理職)
○当該小学校から進学する中学校に都から派遣されているスクールカウンセラー(心理)
○作業療法士

です。スーパーバイザーは上記4人のうちの都合のつく1人か2人が参加します。

授業をいっしょに見学し、協議に参加するのは、学校によって少しずつ違いますが、
○当該学校のコーディネーター、  ○校長   ○副校長 ○養護教諭、○特別支援学級設置校の場合はその学級の担任
などが参加して、あーでもない、こーでもない、と意見を述べます。

「偉い先生のご託宣を賜る」のではなく、「視点の違ういろんな人たちが集まって、アタマを寄せて、子どもたちのためにこれからできそうなこと、必要なことを、担任の先生方といっしょに探そうとする」というスタンスです。

 なので、行く側も気が楽ですし、そこで顔をあわせるほかの職種の方の視点に感心したり、新しい情報を貰ったり、巡回相談の場が、それ自体で連携を深める場にもなっています。   また、同じ授業の同じ場面を見た専門家同士でも意見や見方が違う場合もあり、子どものとらえは、正解がただひとつあるというものではないな、ということも、お示しできているように思います。

  一年ごとに、一回ごとに、先生たちの授業が分かりやすくなり、「ダメ」だの、「ちゃんとしなさい」だのという、イヤな気持ちになることばかけが減り、「○○さんは、いい姿勢だね!イスを引いているからね」というよいところ探しの声かけが増え、また、的外れな答えをした子どもに対しも「違う!ちゃんと考えて答えなさい」と間違いを指摘してがっかりさせるのではなく、「そう考えたんだね。なるほど。でも、ちょっと違ったな、残念。他の考えがないか聞いてみよう」などという具合に、肯定的な言い方がとてもふえてきていると感じます。

 目で見てわかるように教材を配慮したり、教室のイスの配置を工夫したり、と、先生たちは、日々努力を続けておられます。

 先生の子どもを見るまなざしや声かけが肯定的になり、しかも授業が分かりやすくなると、子どもたちの集中も高まることは、外から見ていると歴然としています。

 特別支援教育の「特別」が取れて、すべての教室で当然のように分かりやすい授業づくり、ひとりずつに配慮した教育が行われる「当然支援教育」になるといい、と仲間たちでいつも言っているのですが、学校が実際にそういう方向に進んでいる姿を見られるのは、とてもうれしいことです。

  専門家チームのお仲間たちと、「仕事に来て、帰りには、来たときより元気になってる、ってステキですよね!! じゃあ、また!」といいながら、解散しました。   次回の巡回も、どんな新しい発見があるのか、校長先生はじめ、先生方からどんなステキな工夫を聞けるのか、楽しみです。

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