10月10日、11日、12日の三日間、東京学芸大学で第18回の日本LD学会が開かれました。親の会と支援者(教員などの関係者)が一堂に会する、熱気あふれる集まりです。
熱気と人混みが苦手な私は、今まで一度も参加したことがありませんでしたが、今回は、今年3月に東京学芸大学を定年退官されたLD学会会長・上野一彦さんの晴れ姿(?)を見にえんやらえんやら出かけて行きました。
LDをめぐっては、いろんな紆余曲折をへて、今日の特別支援教育の進展と展開につながったわけですが、その「源流の一滴」は、上野一彦さんがサミュエル・カーク博士のLD概念と出会ったことにさかのぼることができるんだなー、と、感慨ひとしおでした。そのころ、つまり40年近く前、旭出学園の研究所で、何だか、とってもうれしそうな顔をしている上野さんの姿を思い出しました。
上野一彦さんは、2007年に出した「LD教授(パパ)の贈り物〜ふつうであるよりも個性的に生きたいあなたへ」(講談社)で、自分もLD(っていうか、むしろ、ADHD)であることを勇気を持って、公式にカミングアウトした、ってつねづねおっしゃってます。それを聞いて「わざわざカミングアウト、なんていわなくたって、ずっと前からそうだったよ。それが上野さんらしさ、なんだし」って思う人も多いと思います。私もです。
今回の学会では、できたてほやほやの「上野一彦 LD カミングアウト第2弾!」の本が売られていました。「LDを活かして生きよう〜LD教授(パパ)のチャレンジ」(ぶどう社)です。もうすぐ一般書店にも並ぶと思います。
この本の中では、上野さんと「いま、会いにゆきます」の作者、市川拓司さんとの出会い、お互いの特性の類似がたくさん出てきます。精力的にがんばり続けてきたけれど、どこか、孤独な戦い、の趣きのあった上野さんが、「同類、見つけた!!」って躍り上がらんばかりに喜んでいる感じが伝わってきて、読んでいるだけで、ほっこり、にやにや、うれしくなりました
もちろん、本の中には、ちゃんとしたLDにかかわるリクツ的な部分も含まれています。
今回の本は、カミングアウト第2弾!ってことになるらしいですが、私としては、定年退官記念にいろんな人が文を寄せて編集された「LD教授(パパ)の解体真書〜この不思議な生物の記録(うえのかずひことその仲間たち」(非売品)が一般書店にも並ぶといいのに、って思います。 LD教授(パパ)の山なすエピソードがテンコ盛りで、抱腹絶倒なんです。 もっとも、一部のそのスジの人しか買ってくれないでしょうから、採算を度外視した奇特な出版社が現れて、「出版しましょう!!」って言ってくれないと、ムリだろうな・・・・・