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p> 「これでわかる」だの「すべてがわかる」だのという名前の本には疑り深くなっているナカガワですが、この本は、北海道大学の田中康雄先生と、作業療法士の木村順さんの共同監修なので、期待できるゾ!と購入しました。2008年11月の発売です。
そして、案の定、「いい本」でした。つまり、「これで、子どもたちの置かれた状況をわかってあげやすくなる!」という意味で。
感覚統合という見方は、子どもの不可解な行動を理解するための入り口として、とても、重宝なものだと日ごろ思っています。「なぜ?」から「そうだったのか!」へ、です。
ただ、育て方や、かかわりの方法として、感覚統合療法や、感覚統合訓練がどこまでも万能というわけではありませんよね。この本は、そのあたりのことも、きちんと押さえた上で、書かれています。育てにくい子をもって苦戦する親ごさんたちの子育てを助けるためのヒントに満ちた本、という感じです。
さし絵と、図解も、実によく考えられた、情報量の多いものになっていて、理解を助けてくれます。
「はじめに」には、こうあります。
≪こういった子どもたちが、誤解なく受け止めてもらい、理解の元に育てられうことを通して、「ボク、生まれてきて良かった!」「自分のことが好き!」と実感できる子どもたちがひとりでも多く増えてくれることを願ってやみません。そして、本書が、そんな子育てができるための一冊としてお役に立てれば幸いです。(木村)≫
支援者の側にいる人も、当事者である親ごさんにもオススメします。