2009年08月20日

「育てたいね、こんな学力   和光学園の一貫教育」(大月書店)

 「育てたいね、こんな学力     和光学園の一貫教育」
        大瀧三雄・行田稔彦・両角憲二 
        大月書店 2009年7月  1680円(税込み)
http://www.otsukishoten.co.jp/cgi-bin/otsukishotenhon/siteup.cgi?&category=1&page=0&view=&detail=on&no=460

  書評で見て思わず購入。電車の往復で一気に読み終え、文字通り溜飲の下がる思いがしました。
  「学力テスト」の結果、学力が低下したとなると、それ!学力向上、それ!学力テスト、それ授業時間を増やせ! と、世をあげてあたふたと浮き足だっているのは、何かおかしいと常々思っています。「学力」って、テストの点のことじゃないでしょうに。
  「学び」は、本来ワクワクする営みのはずなのに・・・。

  この本の中の一節に、こう書かれています。
  【和光では 『教師との一問一答式の授業』ではなく、『子ども同士の討論で答えを見つける授業』がよいと考えてきました。それを『問いと答えのあいだの長い授業』と言ってきました。
 つまり、(中略)子どもの疑問や気づきなど、一人ひとりの考えを大切にして、みんなで考えあう(中略)ということです】

  最後のまとめで教育学者の梅原利夫氏が学力の全体像についての考えをこう書いています。

@学びを求める力ーーーー学びへの要求ーーーーーー学びに向かう土台として
A学んでいく力ーーーーー 学びの持続的な行為ーーーわかる・できる・使える
B学び合う力ーーーーーーー学びのコミュニケーションー共同の学習
C学び取った力ーーーーーー学んで獲得・定着した力ーー学習の結果、身につく
D次の学びにつなげる力ーー学びの応用ーーーーーーー組み合わせて使いこなせる

  知識を得ることが生活を豊かにし、生活の中での疑問を解決するために学習や知識が必要になり自然に身につく・・・。
  そういう「当たり前」が、教育の中に実現するといいのに、と感じました。
 障害のある子どもにおいても、です。

 

  

posted by 中川信子 at 02:29| Comment(2) | お勧め書籍案内
この記事へのコメント
梅原です。中川さん、私たちの本を紹介して下さってありがとうございます。3人の校長先生方と「一味違った学力の本を出そうね」と1年半かけて作ってきたものです。あなたのお目にとまり読んでくださったこと、紹介までしてくださったこと、深く感謝いたします。ずっと以前の、ぶどう社からの本以来、あなたのお仕事の重要さは認識してきたつもりです。今回のHP開設おめでとうございます。今後ともご活躍くださいませ。
Posted by 梅原利夫 at 2009年08月22日 14:41
 梅原さん
亀レス、すみません。
 私のほうも、梅原さんや佐貫さんなどなつかしい方たちの名前を新聞の書籍の広告などで拝見していました。
 この本は、教育学部で学んだ「子ども(たち)と育ちあう大人(たち)」の根本的なところが、書き込まれているような本で、まさに溜飲の下がる思いで読みました。
 長く言語聴覚士という専門職としての役割を考え続けてきましたが、ここにきて、急に、教育とのリンクが見えてきたように思っています。
 今後とも、ご活躍のほどを!!
Posted by 中川信子 at 2009年08月28日 01:41
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