「育てたいね、こんな学力 和光学園の一貫教育」
大瀧三雄・行田稔彦・両角憲二
大月書店 2009年7月 1680円(税込み)
http://www.otsukishoten.co.jp/cgi-bin/otsukishotenhon/siteup.cgi?&category=1&page=0&view=&detail=on&no=460
書評で見て思わず購入。電車の往復で一気に読み終え、文字通り溜飲の下がる思いがしました。
「学力テスト」の結果、学力が低下したとなると、それ!学力向上、それ!学力テスト、それ授業時間を増やせ! と、世をあげてあたふたと浮き足だっているのは、何かおかしいと常々思っています。「学力」って、テストの点のことじゃないでしょうに。
「学び」は、本来ワクワクする営みのはずなのに・・・。
この本の中の一節に、こう書かれています。
【和光では 『教師との一問一答式の授業』ではなく、『子ども同士の討論で答えを見つける授業』がよいと考えてきました。それを『問いと答えのあいだの長い授業』と言ってきました。
つまり、(中略)子どもの疑問や気づきなど、一人ひとりの考えを大切にして、みんなで考えあう(中略)ということです】
最後のまとめで教育学者の梅原利夫氏が学力の全体像についての考えをこう書いています。
①学びを求める力ーーーー学びへの要求ーーーーーー学びに向かう土台として
②学んでいく力ーーーーー 学びの持続的な行為ーーーわかる・できる・使える
③学び合う力ーーーーーーー学びのコミュニケーションー共同の学習
④学び取った力ーーーーーー学んで獲得・定着した力ーー学習の結果、身につく
⑤次の学びにつなげる力ーー学びの応用ーーーーーーー組み合わせて使いこなせる
知識を得ることが生活を豊かにし、生活の中での疑問を解決するために学習や知識が必要になり自然に身につく・・・。
そういう「当たり前」が、教育の中に実現するといいのに、と感じました。
障害のある子どもにおいても、です。