2009年02月23日

自閉症の漢方治療(飯田医院  東京都調布市)

  調布市にある「飯田医院」の飯田誠先生は、長く、国府台の国立精神・神経センターにお勤めでしたが、定年退職後、調布で小さな医院を開業されました。私はひょんなことから、花粉症の漢方薬をいただきに通い始めて以来、飯田先生がかかりつけ医です。

  飯田先生は、ずっと精神障害、知的障害や自閉症の人たちとかかわって来られ、必要に迫られて漢方の勉強と良導絡の研究を始められたそうです。
  偶然の出来事から、大柴胡湯などの漢方薬が自閉症の人たちに効果があることを発見し、現在、多くの患者さんたちが全国から通って来ています。

  症状が“改善”することを「治療」と言っていいのかどうか、お医者さんでない私はちょっと迷うところですが、実際、漢方を飲み始めて、本人も、親ごさんも、とてもラクになる場合が見られます。

  科学的に数量化して説明しろといわれても不可能ですが、からだの周りに尖った“気”を発散してイライラしていた子が、ほんわりとやわらかい雰囲気になったり、眠れなくてキーキー言っていた子がぐっすり眠れるようになっておだやかになったりすることを、私も何人か、目の当たりにしています。

  最近、飯田医院に関する記事を載せたホームページができました。先生が発表された論文も収録されています。
    http://www.iida-neurological-clinic.biz/

  漢方薬は飲んだからと言ってすぐには効き目が出ないことも多いですし、続けてみても効かないと思う人は通院しなくなるわけですから、すべての人に効き目があるわけではないと思います。
  でも、お子さんたちが、いかにも「生きるのがラクになる」ようすを見るにつけ、日本のドクターの多くが、漢方薬を選択肢の中に入れて、一度は試して見る、という日が来ることを私は切に願っています。

 

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 自閉症の漢方治療 飯田医院  受診体験記
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  先日、飯田医院に行ってみた方がありました。体験記(5日目までですが)を書いてくださったので、ご紹介します。

お子さんは高等部のAAさんです。  

〜〜〜〜〜〜〜初診の日〜〜〜〜〜〜〜〜
 

二時ちょうどに子ども(AA)を連れていきました。
無人の診察室。あいたままのドア。
でもとっても室内があったかくて、ほっとします。
 

二時少しすぎに、がらりとガラス戸があいて、飯田先生が登場。
受付の人などは誰もいなくて、全部一人でされているんですね。

 
AAと一緒に診察室に入ります。患者の椅子にAAが座って、私はわきの椅子に。
先生はあくまでAAの方をみて話をしていて、私の方をほとんどごらんになりません。
そっぽをむいて話をしている感じになっているのですが、お聞きになることは、短く的確でした。 

始歩は普通。一歳のときママなど言葉が出ていたのが、消えてしまった・・・・というと、
「折れ線型ですね」
「いわゆる折れ線型です」
「診断はどこで?」
「Z大病院です」
「誰に?」
「XX先生です」

「ああ、XXさんね」
     名誉教授のXX先生も飯田先生にとっては、後輩なのでしょう・・・・。

   飯田先生がおっしゃるのに、「初歩が普通か早いくらい。言葉も最初はあったが、なくなってしまった。どうもいろいろわかっているようなのに、言葉がなかなか出ない。てんかん波は出たことがない。
いろいろできるのだけれども、自分ができないかもしれないと自信がない。
この人のようなのが、まさに自閉症です。こういう方がうちにはいっぱい来てます。
本当は、とっても頭がいいんです。
でも、緊張が強くて言葉もスムーズに出ないし、行動面でもいろいろある。
混乱がある。手先もうまくいかなかったりする。
でも、緊張をとれば解決します。
(AAに)
ね、緊張をとって、もっと楽になろうね。そうしたら大丈夫だから」
 

それを聞いていたAAが面白かったです。
先生の話を聞いてないようなそぶりなのですが、どうも聞いているみたいで、
「大丈夫だからね」、といわれて、ぱあ〜っとニッコリしていました。

 医院に行く途中では不安で泣きそうな顔をしていたのに、先生に会ったとたん、普通の表情になり、診察室で椅子にこしかけている間、今思えば不思議なくらい長い時間、のんびりと座っていて、退屈そうでもなく、落ち着かなくもなく、実に“まったり”していました。
 
後半は先生の言葉にあわせてニッ・・・ニコニコ・・・・ふふふ・・・・と笑っているのです。

 なんか、相当分かっているような感じ・・・・・で、安心したようにぼんやりして、リラックスしてあくびをはじめ、ぼんやり、おっとりとしていたのです。 
何?これ、と言う感じ・・・・
だって、リラックスするという薬は、まだぜんぜん飲んでないのに(笑)

 AAはトイレに行きたくなり、帰宅後もまたトイレ、その後少し昼寝して、またトイレ・・・・と、なんだか、顔つきもむくみがとれたような?すっきりした感じ。
 
でも、まだ薬はのんでないのです!!   先生に会っただけです。
 
でも、「ああ、これで万事大丈夫」、というような顔で、ゆったりしています。
これってどういうこと・・・・(笑)

薬の効果などはまだわかりません。
でも、AAは先生のことは好きなようです。
 
というわけで、飯田先生はごく普通の方でした。  

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜受診の翌日〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 

受診したとき、飯田先生に「粉薬飲めますか?」と聞かれました。
AAは錠剤は大丈夫なのですが、中二くらいのときに漢方を試して、シロップで溶いたりしても、半分くらいで「げえ・・・」といって、なかなか飲みにくかった経験があるので、「どうかわからないのですが、なんとか飲ませます」といって来ました。
 

先生は、「大柴胡湯が錠剤なので、粉の方は飲めなくてもまあ、大丈夫ですから、二週間分出しておきますね。どうしてもダメなら電話してください」といわれました。
 

AAは、このやりとりをよ〜〜〜〜く聞いていたらしく、帰宅してから、薬を飲ませようとすると、さっさと粉から飲んだのです・・・・(一応、お湯にといて、砂糖を少しまぜましたが、私は味見して、まずいっ・・・と思った)
 
 

今朝は、容器についている粉をなめるように、残らないようにきれいに飲むじゃないですか!! 
これを飲むと楽になる、といわれたのをよく聞いていて、これは飲まないといかん!と思ったのでしょう。
 
空腹時に食後2〜3時間あけて昼の薬を飲むのですが、「学校から帰ってからでいいですよ」といわれました。でも、AAは、障害児学童クラブに行っているのです。
 そこで、今日は、学童の職員さんに長々と電話して事情を説明して、飲ませ方も説明しておきました。

夕方、迎えにいったら、「あの・・・・薬見せたら、AAちゃん、自分でコップ出してきて、水に粉薬をといて、まぜて飲んでましたよ・・・・砂糖が入ってましたよね? それもちょっとだけ出して、本当に砂糖だと確かめてから、混ぜて、きれいに飲みました。自分でできるんですね・・・・」
 
ええええ!!!!
やり方など教えてません!!!!
しかも、超過保護な母は、昨夜と今朝は、全部作って飲ませたのです。
できたものを見て、どう作るのか想像して、AAが自分でやってみた、ということになりますよね・・・・・
 
どうなってるのか・・・・
いやいや、もしかして、そもそも私がものすごい認識違いと言うか、子ども扱いしていたのかも・・・・(でも、昨日まで、こんな感じではなかったのです)
 

受診後丸一日たってないので、薬のせいもあるかもしれないとはいえ、多分、これは本人の気持ちの問題ですよね。
昨日、飯田先生に説明されて、「そうか、私はやればできるはずなんだわ」と思ったのか・・・・
 
なんだか、すごいです。
何よりも、本人が苦い薬を積極的に飲んで、よくなりたい、と思っているところが、すごいものだと思います・・・・ 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜その二日後〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
面白い変化は毎日あります。
これは変化なのか、別のものなのか、まだ明確ではないのですが・・・・
今まで、学校に行き渋るときも、からだが動かない、と言う感じの登校しぶりだったのです。

でも、一昨日のロードレース大会の前日、「ややや。いや〜〜。おやすみする」というのです。
「な、なんで・・・・?あ?マラソン?よーいドンってやつ?」
「よーいドン、いきません」
このように、本人、主張の内容がハッキリしてきているのです。
断固とした拒否なのです(笑)
 

学校にいったら、結局、マラソンは走りました。
障害児学童にむかえにいったら、ニコニコで出てきて、「あ、今日、走ったのね?」と聞くと「はいっ!!」と嬉しそうでした。

この日の夜の時間は、なんというか、「くつろぎ」と顔に書いてあるかのようなくつろぎぶり。疲れていても妙なうたたねをしてしまうようなことはなく、お風呂に入って普通に時間になったら寝ました。 

こういうのは、別にたいしてなんということもないともいえますが、流れがスムーズで、おだやかなんです・・・・。 


そのほか「晩ご飯よ〜〜」と呼ぶと、AAがす〜〜〜っと来るんです。
いままで、部屋にいって顔を見て呼ばないと来なかったです。

このへんについては、微妙な変化なのですが、何かが、ちょっと違うような・・・。

でも、従順になったわけではないところが、面白いです。

拒否の言葉は明確に言うようになりました。

「いや」も、ハッキリしてきたのです・・・・

posted by 中川信子 at 19:42| Comment(0) | お勧めのぶこん
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