ここは中川信子のホームページです。ことばの発達や障害について、
また、言語聴覚士に関連するさまざまな情報を配信していく予定です。

「そらとも」は「この空のもと、いたるところに、志を同じくする友あり」という意味です。
疲れて、ひとりぽっちと思えるときには、空を見あげ、胸いっぱいに元気を補給しましょう。
その曲がり角の先には、きっと新しい出会いと、すばらしいできごとが待っています。

ある中学校の特別支援学級(固定学級)を見学に行きました。
今日見学した授業では、お子さんたちが落ち着いて授業に集中していました。
先生の声かけや、ふるまいが徹底してポジティブなので、在籍のお子さんたちが「ここは、安心できる居場所だ」と思えるのだろうな、と感じました。

たとえば・・・・
「○○県の漢字を書ける人?」って先生が言うと「ハイ ハイ ハイ ハイ」と盛んに手が挙がります。そのうちのAちゃん Bくん Cくん3人が黒板のところに出てその漢字を書きます。Bくん Cくん二人は、ちょっと不完全なところがあったけれど、一応書けました。
でももう一人のAちゃんは、勢いよく手を上げた割には、黒板に向かって苦戦しています。どうやら、はずみで手を上げただけだったみたい。
さあ、どう収束するか・・・・と人ごとながら心配になりました。

「分からなかったら席に戻っていいよ」
「分からないときには手は挙げないんだよ」
「他に分かる人いるかな?」
通常の教室だったら、そういう、ちょっと屈辱的な結末になるに違いありません。そのためにばつが悪くて、席にもどりざま、隣の子のアタマを小突いたりして、さらに注意される・・・といった図式になることがざらです。

でも、そのクラスの先生は違いました。

「じゃあ、(他のお友達が書いた)漢字にふりがなふってくれるかな?」
Aちゃんは、自信を持ってふりがなを書き、うれしそうに席に戻ったのです。

 そのようすを見て、「これこそ“「ひとりずつの子どもを大切にする”という理念の一つの表現だ」と思いました。

「障害児教育は教育の原点」
私の学んだ大学では、先生は、よく、そうおっしゃっていました。
教育においては「知識をふやす」とともに「心を育てる」ことが大切にされるべきだ、ということ。子どもの小さな気持ちの動きも見逃さずに発達、向上につなげてゆくこと。

「いいものを見せてもらいました」
「すべての学校のすべての授業がこういうスタンスで進められるといいのに」
「そしたら、子どもたちはどんなに安心して、熱心に授業に取り組めるだろう」
そう思いながら帰路につきました。

 ちなみに、ちょっとだけ間違えたBくんの漢字について、先生は「だいたいあってるよ。でも一本横棒が足りなかったね」と言って、さりげなく、一本横棒を書き足したのでした。

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