ここは中川信子のホームページです。ことばの発達や障害について、
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「そらとも」は「この空のもと、いたるところに、志を同じくする友あり」という意味です。
疲れて、ひとりぽっちと思えるときには、空を見あげ、胸いっぱいに元気を補給しましょう。
その曲がり角の先には、きっと新しい出会いと、すばらしいできごとが待っています。

朝日新聞育児ファイル「ことば」  第3回 2006115日掲載

赤ちゃんことばの秘密

 あの子は2歳前でもう「デンシャ」って言うのに、うちの子はまだ「デンチャ」。自動車は「ブーブ」。私が「ほんとだ、ブーブ来たね」なんて赤ちゃんことばで話しかけるのがいけないのかしら・・・・・。

  1歳から3歳にかけて、お話しできるようになると、今度は発音が心配になる親御さんも少なくありません。そんなとき、私はこう言います。「田大人になるまでには、たいてい正しい発音が身につきます。この時期の早い遅いはあまり心配いりませんよ」って。

 ことばを話すときには、唇やあご、舌などを、実に複雑な操作で動かすのですが、赤ちゃんはまだ舌先を思い通りに動かせません。聞き取る力も未熟です。発音がはっきりしなかったり、赤ちゃんことばになったりするのはそのため。

 わりあい発音しやすいのはマ行、バ行、パ行、タ行。ですから「ブーブ」「マンマ」「パパ」「ポッポ」などのことばが先に出てきやすいのです。

 日本語五十音が発音できるようになる大まかな目安は4歳半くらい。サ行、ザ行、ラ行は発音動作が一段と難しく、さらに習得ま時間がかかる子もいます。

 「ワンワン」「ニャーニャ」「ポンポン」などの繰り返しも、赤ちゃんことばの特徴ですが、実はこれが、聞き取りやすく言いやすい、まさに赤ちゃん専用のことばなのです。 

 今しか使えない赤ちゃんことば。たくさん使ってあげてください。無理に正しい大人用の日本語で話しかける必要はありません。気持ちを通い合わせるうちに赤ちゃんことば「卒業」です。さみしくなりますよ。

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