ここは中川信子のホームページです。ことばの発達や障害について、
また、言語聴覚士に関連するさまざまな情報を配信していく予定です。

「そらとも」は「この空のもと、いたるところに、志を同じくする友あり」という意味です。
疲れて、ひとりぽっちと思えるときには、空を見あげ、胸いっぱいに元気を補給しましょう。
その曲がり角の先には、きっと新しい出会いと、すばらしいできごとが待っています。

子どものことばのことを気軽に相談できる場は圧倒的に足りない 
 
医療機関や老健施設にSTの配属が進んできたのはSTが保険診療の対象として収入が保障されるようになってきたのが大きな要因です。一方、子どものことばの相談の場が少ないのは、法的な保障がなく、自治体が財政を負担しなければ設置できないことも大きな理由のひとつでしょう。
 
一般の育児雑誌では、「ことばの発達をうながすかかわり方」といったテーマの特集がたびたび行われます。また、ことばが遅いのではないかと心配している1,2.3歳児の親ごさんは世の中に少なくありません。そんな親ごさんから「気軽に相談できる先はないでしょうか」という質問をよく受けます。「○○療育センターにはSTがいますけど・・・・」と答えながらも、そういう場所は敷居が高すぎて、親ごさんは、なかなか行きづらいだろうな、と申し訳なく思います。 
 発達のようすには個人差が大きく、ましてや1,2,3歳くらいの発達初期の個人差は非常に大きいからです。このころの「ことばの遅さ」は非常に微妙で、経験のある人が見れば障害の要素があるとはっきり見極められることもあれば、ベテランの専門家が見ても、しばらく経過を見ていかないとよく分からないということも多いからです。「3歳まで話さなかった」という逸話を持つ大人の人も結構いるのです。
 

健診にかかわるSTが少しずつ増えていますが問題もないではありません 

 そんな中、各地の健診事業にかかわるSTも少しずつふえています。自治体がSTの必要性を理解して予算をつけてくれる場合に限定されての実現です。
 
親ごさんの気持ちを受け止めつつ、お子さんの状態を的確に把握し、必要なかかわり方のアドバイスもできるようなSTが参加する健診や事後フォロー事業はとても好評です。
 
一方、せっかくSTを導入したけれど、いきなり子どもを検査して能力を断定したり、親ごさんの役に立つアドバイスはちっともしてくれない、との不評もあります。
 
これにはST内部の問題もからんでいます。ST養成校では、脳の構造や障害別の言語訓練方法を学ぶだけでせいいっぱい。子ども、とくに乳幼児期の言語・コミュニケーション発達についての勉強があまりできないまま卒業してくる若きSTがとても多いのです。
発達初期の子どもとその親を支えられるSTがほしいものです  

日本のSTの団体である日本言語聴覚士協会(●前出)も、小児の言語発達支援の大切さを認識しており、組織としての模索が続けられています。
 
また、各地に個人開業するSTもちらほら出ており、相談先は少しずつ増えています。もちろん、個人開業の場合は、有料になるのでどなたでも利用できるというわけには行かないのが苦しいところです。
 
6年前に私と何人かの仲間で立ち上げた「子どもの発達支援を考えるSTの会」 http://www.kodomost.com/   はST限定のクローズドの団体ですが、研修会を実施したり、メール上での情報交換を行ったりして、子どものすこやかな発達を支援し、不安の多い時期の親を支えるということについての知識や経験を広げてゆくことを願って活動を続けてきました。健診にかかわるSTとして必要な視点や資質を育てるため、ST内部での講習会やセミナーなどもいずれ計画していきたいと考えていますが、まだ、実行には移せていません。

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