「こうた もどっておいで 時を経て二〇二〇」
柳田節子 文芸社 1100円
NPO法人「ことのはサポート」 理事長として、江戸川区を拠点に活動(活躍)している柳田節子さんとは、法人の前身「言の葉通信」でお会いして以来の友人です。
一人息子のKくんやその他について、折々にメールをもらい、でも魔法のように有効な解決を提示することはできず、ともかく話を聞き、いっしょに考え、悩み、社会のハードルに共に憤って来ました。でも、柳田さんのすごさは、嘆くだけではなく、壁を突破する方策を考え、そして、次々実行して来たところにあります! NPO法人「ことのはサポート」の事業内容をご覧ください。すごいの一言です。
柳田さんが2006年に出版した「こうた もどっておいで」は「こんなはずじゃなかった子育て」への思い、「誰かにわかってもらいたい」という思い、一般の子育てよりもすこしだけ手間のかかる子育てをしている母親のことを、周りのいろいろな人の視点から描いた切実な本でした。
それから14年。ご子息のKくんは、この本の主人公の幸多とは異なり、作業所で元気いっぱい働く、「幸多い」青年になられました。
改訂にあたって「寄せることば」を見なおしました。
障害分類名が変わった以外には、なかなか理解されない発達障害(かもしれない)の子どもの子育て真っ最中の親ごさんたちの悩みは15年前とあまり変わっていないように思われました。
この書籍をお勧めします。周りの方たちにも広げて下さい。
孤立しがちな親ごさんたちが「ひとりぽっちじゃなかった!」と思えるような出会いや"支援"のネットワークが全国津々浦々に行き届くように、みんなで努力したいものです。