ここは中川信子のホームページです。ことばの発達や障害について、
また、言語聴覚士に関連するさまざまな情報を配信していく予定です。

「そらとも」は「この空のもと、いたるところに、志を同じくする友あり」という意味です。
疲れて、ひとりぽっちと思えるときには、空を見あげ、胸いっぱいに元気を補給しましょう。
その曲がり角の先には、きっと新しい出会いと、すばらしいできごとが待っています。

11月28日、29日は、気仙沼での子どもSTの会研修会です。一日目の28日は 総勢70名を越える参加者で、充実の学びでした。

なぜ気仙沼で? それは、東日本大震災後、私たち「子どもの発達支援を考えるSTの会」が、気仙沼、陸前高田、釜石の療育機関や保健センターに、定期的に会員のSTを派遣して、お子さんたちの成長への応援をしてきたご縁からです。

研修会には、全国のST(言語聴覚士)はもちろんですが、地元の関係者、支援者の方たちも多く参加してくださいました。


陸前高田ふれあい教室の前田貴子先生、気仙沼マザーズ ホームの内海先生、気仙沼市の保健センターの保健師の方たち などとの久々の再会があり、また、参加者同士で「ええっ!! あなた、どうしてここに?」と言った遭遇もあり、和気あいあい を現実にしたような会でした。

シンポジウムでは、前田先生、内海先生などからの発言があり、子どもSTの会の支援や、STという仕事にたいして、感謝と、おほめのことばをいただきました。

「被災地支援から見えてきた療育の未来」がテーマでしたが「支援するーされる」ではなく、何より大切なのは「共に進む」ことなのではないか、が見えてきた気がしました。

徳島から運びこまれた「ひかり場体験」も、美しく面白いものでした。
http://www.making-led.com/LEDart/hikariba.html

懇親会は、食べきれないほどの海の幸満載でおいしく楽しく帰ってきました。

気仙沼の町ですが、2012年夏にうかがった頃に比べれば、少しずつ日常を取り戻しているように見える一方、まだまだ先は長い、と思わせる光景もあちこちにありました。
運営委員一同が泊まっているホテル松軒のすぐ横の小さな公園には3棟の仮設住宅があり、ホテルから会場に向かう道の 横では、盛り土の工事や、道の補修の工事が、あちこちで 行われていました。

前日、運営委員5人で同乗して仙台から気仙沼入りする道すがらにも、工事の作業員の方たちの宿舎が多く建ち、工事用の大型機械のリース会社が何軒もあり、業員と思われる方たちがコンビニで弁当を買う姿もあり、など、いろいろなことがありました。

「何の力にもなってあげられないことを嘆くのではなく、目の前のことを精一杯やる、そのことが、遠く離れた場所からでも応援 の気持ちを送ることになるのではないか」とあらためて思いました。

なお、「子どもの発達支援を考えるSTの会」が行ってきた被災地支援について紹介した会報6号(2015年3月発行)は一般向けに販売もしています。
震災がご縁となった療育の未来と、人と人とのつながりの不思議さ、大切さを知っていただければ幸いです。価格は972円です。
子どもの発達支援を考えるSTの会 会報6号

今季初めて「ほぼ0度」を体感。
昨夜(11月18日)から北海道・河東郡上士幌町にいます。
上士幌は、帯広空港から1時間半ほど北に上がったところ。広い広い農業の町です。以前、遠軽から帯広に行く時に通りましたが、走れども、走れども、終わりにならない町、という印象でした。
上士幌町では18日夜の部(関係者向け) 19日午前の部(保護者向け)の講演に来ました。

古くから知っているF先生からの声かけだったことと、北海道大好き人間であるため、少々ハードスケジュールでしたが、やって来ました。

ハードスケジュールというのは、11月13,14,15と、長野県の下諏訪市、長野市、飯田市で3連続講演を終わった直後になってしまったからです。
長野でも、各自治体のいろいろな取り組みに触れ、とても勉強になりました。
いろいろなもの、特に、リンゴが美味しかったですし。

長野は寒い準備をしていったのに、拍子抜けするような暖かさでしたが、北海道は、予報通り一桁の気温。東京では動くと汗ばむほどでしたが、帯広空港に降りると、5度との情報のとおり、すっきりした寒さ。コートを着て来た甲斐がありました。空気の深さもちがい、思わず深呼吸しました。

講演は夜6時半開始にもかかわらず、会場いっぱいの方たちが、町内からも、近郊からもおおぜい来て下さり、感謝でした。近郊と言っても1時間車を走らせるの当たり前の北海道感覚。8時半に終了してからお家についたのが10時過ぎた方もいらっしゃったことでしょう。

最近は、幼児期の心の根っこが育つことの大事さを感じることがとみにふえたので、そんなことも含めてお話をしました。
育てにくかったり、「ふつう」と違うということで、叱られることの増える発達マイノリティの子どもたち。だからこそ、どうしてそういう行動が生まれるのか、生理的(脳の働き方)に由来するどうしても「そうなってしまう」子どもの側の事情を理解し、叱らずに教える対応の大切さを、もっともっと多くの人たちに知ってもらいたいと思います。
そういう接し方は、発達マイノリティに属さない多くの子どもたちにも当てはまることなので。

上智大学大学院に言語聴覚士養成コースがあるのは皆さんご存じでしょうか?
STの世界に、魅力的な、優秀な人材を多く輩出しています。

期日が迫っていますが、上智大学で中川が登壇する講演会がありますのでご案内いたします。

≪ソフィアオープンリサーチウィーク≫

上智大学言語聴覚研究センター特別講演:
    「言語聴覚士って何?どこで、何をする人?
          言語聴覚障害学の社会的展開 」

場所:上智大学四谷キャンパス 2号館 508号室

日時、プログラム:
2015年11月21日(土)

第一部 13:30〜14:45 
 「スペシャルオリンピックスとの関わりを通して見えてきたもの」
  西脇惠子先生
   (日本歯科大附属病院口腔リハビリテ―ション科)

第二部 15:00〜16:15 
 「東日本大震災被災地での支援を通して見えてきたもの」
  中川 信子
   (子どもの発達支援を考えるSTの会代表)


参加費:無料

上智大学全体では例年11月に大学から社会に向けて発信する「ソフィア・オープン・リサーチ・ウィーク」が設けられ、様々の講演会・シンポジウム等が行われます。
内容は上記リンクをご覧下さい。

今年はその一環として、上智大学言語聴覚研究センターが特別講演を2本企画しました。
一般の方達・これから進路を考える高校生等に言語聴覚士・言語聴覚障害学について知っていただけたらとの趣旨です。
言語聴覚士について興味をお持ちの方がいらしたら、どうぞご来場、ご紹介ください。

言語聴覚士に課せられた役割や、言語聴覚士にもできる社会貢献を考える入り口として、私たちの会(子どもの発達支援を考えるSTの会)が東日本大震災の被災地支援として行って来たささやかな仕事についてお話しし、STのお仲間たちの底力を誇りたいと思っています。

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「そらとも」は「この空のもと、いたるところに、志を同じくする友あり」という意味です。

疲れて、ひとりぽっちと思えるときには、空を見あげ、胸いっぱいに元気を補給しましょう。
その曲がり角の先には、きっと新しい出会いと、すばらしいできごとが待っています。

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