ここは中川信子のホームページです。ことばの発達や障害について、
また、言語聴覚士に関連するさまざまな情報を配信していく予定です。

「そらとも」は「この空のもと、いたるところに、志を同じくする友あり」という意味です。
疲れて、ひとりぽっちと思えるときには、空を見あげ、胸いっぱいに元気を補給しましょう。
その曲がり角の先には、きっと新しい出会いと、すばらしいできごとが待っています。

私の手元には、次々本が贈呈されてきます。

目を通して、これはオススメ!と思うものしか紹介しないことにしているので、なかなか紹介できません。
その理由は
◎老眼がすすんで(脳の機能も低下して)読むのに時間がかかる
◎忙しくて本を読んでいる時間がない
◎読み終わっても、HP(そらとも広場)に感想と紹介文をアップする時間がない

などの事情です。

これでは、たまる一方なので、当面4冊まとめてお伝えしますね。

■ 1    ===================

「(保育者が知っておきたい発達が気になる子の)感覚統合」 

     木村順    学研   2014年 1600円+税

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木村さんの知り合いの保育者が協力して書かれた本なので現場目線で、しかも、知識もはしょらずに書かれています。

■ 2=========================

「私はかんもくガール」(コミック)
    著:らせんゆむ  解説:かんもくネット
    合同出版    2015年2月  1300円+税
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  大きくなってから「あ! 私って場面緘黙って状態だったんだ!」と知った作者のらせんゆむさん。

  今は充実した生活を送っている自分だけれど、「もし、私の体験がちょっとでも人の役に立って、私の絵がちょっとでも役に立つのなら」と本にすることを決心した、とのことです。とっても分かりやすいいい本だと思いました。

 ちなみに、合同出版は最近発達マイノリティ系の本に力を入れて、独自の視点の本をたくさん出しています。

  「マンガ版 親子アスペルガー」とか

  「まさか! うちの子 アスペルガー? セラピストMママの【発達障害】コミックエッセイ」   など。

花風社の本からも目が離せませんが、合同出版の当事者からの発信は、貴重ですね。

■3 ========================

「子どものありのままの姿を保護者とどうわかりあうか」
      久保山茂樹     学事出版
      2014年       1000円+税

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 著者の久保山さんは、独立行政法人 特別支援教育総合研究所というイカメシイ名前の部署にお勤めではありますが、一貫して保護者目線、保護者支援に軸足を置いたお仕事をしてこられました。

  保護者が療育に通う決心をされたことをもって「お母さんは(やっと)障害を受容した」などという軽いことばでとらえる支援者、専門家が今でもいます。

  私は、そんな時にかなり「むっ!」とするのですが、この本には障害のある子どおとの人生と折り合いをつけてゆく保護者の心のあゆみと、それを周囲の者はどう支えてゆけるのかをていねいに伝えてくれています。

 経験の浅い「支援者」と言われる方たちにはきっと役に立つと思います。

■4======================
「(発達障害の子どもを伸ばす)魔法のことばかけ」
       著 shizu   監修 平岩幹男
       講談社      1400円+税

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 ABA(応用行動分析)の手法を用いた「ことばかけ」の本です。
ABAは、とてもすぐれものの手法、理論ではありますが、成果が顕著であるだけに、時として、子どもを操作象にしてしまう危険性があると思っています。

 この本は出たのは知っていたのですが、「魔法の」という題名に抵抗があり、まだ読んでいませんでした。子育てに「魔法」があるわけはないのに、とね。
ですが、あるきっかけで読んでみたら、あらら、とってもよかったわん。

 著者のshizuさんは かんもくネット(次の項で紹介)の会員でもあります。
 ご自分の自閉症スペクトラムのお子さんの子育ての中から編み出したいろいろな工夫を 惜しげもなく公開してくれた、という感じの本です。

 参考になるところがたくさんあると思いますし、割り切った考え方で、結果的に親子の生活がスムーズに運ぶようになるなら、とてもいいですね。 


 

明日4月18日(土)と19日(日)の両日、東京流通センターで開催される「第14回子どもの福祉用具展(キッズフェスタ)」 にSTの仲間たちが参加することはおしらせしました。 ⇒⇒STキッズフェスタ 


4月18日午後1時30分から3時30分まではセミナーが開催されます。

以下の4つのテーマだそうです、。

1.就学前の子どもたちに関わっているSTから
2.学齢期の子どもたちに関わっているSTから
3.玩具ドクターのお話
4.保護者のお話

私は直接かかわっていませんが、STのチカラが発揮されるようで、楽しみです。

当日のプログラムについては、STキッズフェスタサイトをご覧ください。

19日も展示があります。お子さん連れで遊べます。

「家族」とは、なんと楽しく、また、なんと困難な単位なのでしょうか。
介護にせよ、子育てにせよ、社会的支援の充実が叫ばれていますが(まだまだ実現してはいませんが)支援が充実したらすべてが解決する、とも思えないことも、たくさんあります。

その中の一つに、障害のある子が家族にいるということの困難さがあります。
たまたま、ネットの中に、故・西村辨作さんの講演記録がありました。

障害児のきょうだい達の心の健康〜きょうだい達をどう健やかに育てるか〜

西村さんは、ST養成校での一年上で、尊敬すべき先輩でした。自閉症の人たちにかかわる仕事を中心的におこなっていました。早くに亡くなられ、残念でした。
今、西村さんがいらしたら、ことばの遅れについて、コミュニケーションの取りづらい子どもたちについて、STらしく整理された見方を提出して下さったのではないかと思うからです。

さて、この記録は1995年に行われた講演記録です。
20年も前のものですが、今も、全くその通り、と思えました。

「家族まるごと支援」

医療モデル、個人モデルから、生活モデル、社会モデルへ。

世の中は、徐々にそういう方向に向かってはいますが、まだまだ個別の訓練手法や支援者のスキルアップ、対応のコツ、といった話に目が行くことの方が多いように思います。

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その曲がり角の先には、きっと新しい出会いと、すばらしいできごとが待っています。

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