西東京市にある武蔵野大学に、ST(言語聴覚士)養成コースが昨年4月に新設されました。コースは二つあります。いずれも大卒者対象で
・専攻科 言語聴覚士養成課程
・大学院人間社会研究科 人間学専攻 言語聴覚コース です。
私はそのことを昨年6月に知人のSTから教えてもらいました。パンフレットがきれいな紫色だったことと、STの勉強を根本的にやり直す必要を感じていることから、食指は動いたものの、もろもろの事情から諦めました。
懸念材料は記憶力、集中力の衰えと視力の低下・・・・。
その、気になっていた武蔵野大学のST養成コースの創立一周年記念シンポジウムのシンポジストにお招きいただいたので、喜び勇んで参加しました。
「地域に根差した教育・研究・臨床機関を目指して」
スピーカー(シンポジスト)と演題は以下のとおり でした。
「連携」や「地域」の話は、言語聴覚士の本流では、なかなか語られないテーマなんですよ。これだけ「地域」「在宅」「あたりまえの生活」が叫ばれているというのに。
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「人間学に立脚した言語聴覚療法学を目指して」
小嶋知幸(武蔵野大学)
「八王子言語聴覚士ネットワークの10年ーー地域職能団体のミッションを考える−」
東川麻里(八王子言語聴覚士ネットワーク代表、北里大学)
「急性期から、そして再び社会へ」
小泉智枝(北原国際病院)
「地域で活動するSTとしての取り組み−武蔵野市失語症会話パートナー養成事業を通して−」
松田江美子(生活リハビリサポートセンターすばる)
「北多摩あたりを“たま多摩ST会”でつなげたい」
宮田睦美(北多摩地区ST会世話人)
「子どもの発達支援−地域での連携とSTの役割」
中川信子(子どもの発達支援を考えるSTの会代表)
総合討論
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言語聴覚士の養成コースは、さまざまなレベルや内容の養成校が乱立状態になっています。3年間の学校では無理ないとしても、4年の時間が与えられている大学のコースでさえも「これは、国家試験に出るからおぼえなさいよ!」的な技術者養成に偏った教育にならざるを得ないのが現状です。
対人援助職として、STのミッションは何か?といった、本当に考えるべき問いについて考える暇もなく流されてしまうのです。
そういう意味で「人間学に立脚した」を掲げる養成コースの誕生は、STの一人として本当に喜ばしいことだと思い、応援したいと思っています。
学費もわりとリーズナブルなんですよ〜〜〜。
シンポジウムは去る3月21日でしたが、その様子がケーブルテレビのJ−COMで放送されたそうです。
URLを貼り付けます。(番組の12分くらいのところから1分間ほどです)
https://www.youtube.com/watch?v=7NhPsoy0K9Y
ただ、悲しいかな、言語聴覚士(ST)のことが、字幕では「言語福祉士」となっていました。認知度の低さに、あらためて愕然とした、私たちでありました・・・・。