ここは中川信子のホームページです。ことばの発達や障害について、
また、言語聴覚士に関連するさまざまな情報を配信していく予定です。

「そらとも」は「この空のもと、いたるところに、志を同じくする友あり」という意味です。
疲れて、ひとりぽっちと思えるときには、空を見あげ、胸いっぱいに元気を補給しましょう。
その曲がり角の先には、きっと新しい出会いと、すばらしいできごとが待っています。

小児科のお医者さんたちに、子どものことばの発達について、知っていただくのはとっても大事なことだと思います。
大事なことだとは思うし、だいぶ、場数を踏んだとはいえ、医学雑誌に書いたり、お医者さんが聴衆である会で講演したりするのは、だいぶ、緊張します。

私は、経験上では、「これはこうです!」と断定できるいろいろ積み上げてきました。たとえば、「無理やり教えても、子どもの身につかない」「楽しさの中で、自然に身につけるのがもっとも効果的」「楽しさの中で自然に、と見えるように細工するのが、大人の役割」というようなこと・・・。

でも、「そのことのエビデンスは?」とか「データはあるんですか?」と聞かれたらむむむむむ と黙るしかないからです。
ま、いままでの所、そんなふうに問い詰められて立ち往生したことは、ありませんけど、さいわい。

でも、ある小児科の重要ポストに坐っているドクターが、何かの企画があるたびに中川を推薦してくださるらしくて(トホホホホ)23年、24年と、えらく沢山の医学雑誌に「ことばの発達」にまつわる記事(論文、ていうのか? でも、査読がないから、論文じゃないはず)を書きました。

書いたものの一例は

○小児科臨床「言語聴覚士との連携」
○小児内科 『発語が遅い」
○外来小児科 「子どものきこえとことばの遅れ」(外来小児科学会)
○「開業医の外来小児科学 発達の評価 ことばの遅れ」 
○小児内科増刊号「疑問解決 小児の診かた  (発語が遅い場合どのような時に専門機関に紹介すべきですか?)」(東京医学社)
○朝日メディカル「子どものみかた ことばの遅れ」(朝日新聞社)
○小児科学レクチャー「ことばの発達の診かたとフォローアップ」(総合医学社)

講演は
21年  小児保健協会
23年  滋賀県小児保健協会
24年「子どもの心の診療医 研修会」(厚生労働省・日本小児科医会・恩賜財団母子愛育会総合母子保健研究センター 共催)
 その他にもいくつか。

そのうえ、今年は小児耳鼻咽喉科学会で特別講演を依頼されていて・・・・

まあ、ここまでくれば、開き直ってお引き受けするしかないと覚悟していますが、なんだかお医者さんの求めることとは、少し異質な話になるわよ・・と思っております。

でも、これらすべて、「ことばのクンレン」ではなく「ことばを育てる」「子どもを育てる」という視点を、大人の人たちに持ってもらいたいなぁ、という私の思いを実現するためなので、少しムリしてでも、やり遂げなくては、とも思います。ふぅ。

医学雑誌の記事は、それぞれにテーマが違い、それなりに全力投球で〔締め切りギリギリセーフで)書いているので、集めて全部まとめてみると、かなり興味深いかも、とは思いつつ、それぞれの掲載誌がいったいどこにあるのか本や雑誌の山の中から探し出せる自信がなく、探し出す時間もなく、書き散らしたままになっています。

誰か 何とかしてくれないかなぁ。

今年は、久しぶりに〔?〕冬らしい冬が続きます。春が待ち遠しい。花粉症は困りますけど。

東北地方、北海道の西側は、記録的大雪と、連日ニュースで言っています。

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今日(2月25日)札幌に住む知人が、メールに写真を添付してくれました。
何の写真かというと、台所の窓の写真、いや、雪の写真??  
台所の窓の外が雪 !!! の写真。

ここは一階ですが、二階の窓も半分まで雪で埋まって「カーテンが要らない状態」なのだそうですって。いやはや。降るにもほどがある。

 今日(2月21日)のNHK総合テレビ夜7時30分からの「クローズアップ現代」で、給食のアレルギー事故についての放送がありました。

私も、家族に、アレルギーの者がいるので、調布での事故はひとごとではありませんでした。
また、「ことばの相談」でお会いする小さいお子さんで、厳密な除去をしている方も多く、お母さんの労力と緊張は大変だな、といつも思っていました。
とくに、食べ物はいったん口に入ってしまうと、吸収が止められないという怖さがありますし。

今日の放送でも触れていましたが、亡くなったお嬢さんは、科学者になってアレルギーの子どもを助ける研究をするのが夢だったとか。

夢はかなわなくなってしまいましたが、調布の事故を受けて、各地で、危機感を持って取り組み始めたところもあるようです。まだまだ、ですが。

私自身、今回のことが起きるまで、どこかひとごとのような感じがなくもありませんでした。
周辺にいる私たちが、関心を持ち、知識を持つことが、取り組みの進展をすすめることになるのかな、と番組を見て思いました。

ちなみに、ある保護者の方が教えてくださったのですが、数あるアレルギーのガイドラインの中で、横浜市教育委員会が作っているガイドラインが、とても素晴らしい、とのことでした。

時々お声がかかる NHK教育テレビ『すくすく子育て』
     (毎週   土曜日 午後9時〜9時29分)
     (再放送 金曜日 午前10時〜10時29分)

今年も2月23日に「ことばの発達」がテーマの放送があります。
収録は昨年12月でしたが、照英さんとくわばたりえさんとの絶妙の司会で、スタジオ内はとてもリラックスした雰囲気でした。

「ことばが遅くて心配」とか「何をことばかけすればいいの?」などの、私がいつも受けている小さな悩み事相談が、スタジオの中で再現された感がありました。

心配ごとのある方も、ない方も、どうぞごらんになってください。


今回の放送のための撮影では、いろんな面白いことがありました。
ディレクターのSさんの紹介で、明星大学の星山麻木さんと、お会いできたのもその一つ。「友だちの友だちは友だちだ」てわけです。

星山スタジオ
おもちゃの会社ボーネルンドの協力を受けた屋内遊び場「あそびのせかい」(八王子)を作ったり、あれも、これも、みんな、実現しちゃう星山先生のエネルギーのすごいことといったら!

私も触発されて(人に影響されやすい性格。もう、このトシになると直らないだろうとあきらめて)何かやってしまいそうです・・・・・。

私は「民」の立場ではありつつも、行政と近いところで仕事をしています。一市民は、「一点突破」が必要な時だけ役所に行き、カウンター越しに「一点突破」を試みればいいんですが、行政側は、同時並行的に何十も、ヘタすると何百もの仕事を持続的に処理し続けなければならないのが、辛いところだよな〜〜と、いつも思っています。

つい、最近も、そんな思いをするできごとがありました。
そしたら、タイミングよく、北海道・釧路の日置真世さんの「新 サロン日記」に「そう!そう!」と思えるような書き込みがありました。
日置さんの了解を得て、転載しました。(一部省略、改行などの変更加えました)

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新サロン日記    2月6日記事

今日は午後に困りごとワークショップの5回目を開催しました。

昨年の10月から釧路のパーソナル・サポート・サービスモデル事業でつながった方たちとの情報共有や学び合いの場としてスタートして、毎月ランダム開催ではありますが、続けてきました。

ここ3回は事例検討をしています。

正直なところ、事例検討って言葉は私は好きではありません。

だって、事例っていうのはつまり「ある人が真剣に悩んだり、困ったりしていることを解決するお手伝いの実践プロセス」であり、それについて検討することはある人の真剣な人生について扱うことなのに、「事例」とか言っちゃう軽い感じが好きではないのです。

人の人生を「事例」とか言われちゃったら、自分なら嫌だなぁって思います。

とか何とか、通常使っているからついつい今日も当たり前に使ってしまいましたが、今度から別の呼び名にしたいとひそかに考えています。

私の感覚としては、事例検討とはその人の人生の悩みごとや困りごとについてとか、困ってる人のことをあれこれ検討するのではなく、その人に向き合っている「自分たちの支援」について振り返り、検討することだと思っています。

いくら、あれこれと困っている人のことをどんな人だとか、こんな人だとか、ここが課題だとか、こんなことがあったとか、こういうところがあるとか知ったり、探ったり、語ったりしたとしても、それがその人にとって何かしら役に立つようなことにつながらないと何の意味もありません。

その人について知ることが目的ではないのです。

目的はあくまでも、その人が少しでも本当に望むような人生に近づくことができること。

そのために支援者と言う自分たちが何ができるのか?を考えることです。

それが、ついつい「事例検討」なんて言っちゃうから、「この困った人をどうしようか」とか「この困っている状態を何とかしてあげよう」とかいう発想になりがちです。

そうですね、事例検討改めて「支援向上会議」とか「支援振り返り会」とかそんな呼び名の方がいいと思います。

実際にやってみると、そうした視点で検討が進むと、非常に有意義な感じがします。

今日は、支援のプロセスのうち支援者が関わりを持つ中でとらえたアセスメント(見立て)について、相談者にフィードバックする(伝える)ということを重点的に考える機会を設けたのですが、これが実に実際のところできていないというのか、タブー視されていることが改めて分かりました。

私は常々、自分が感じていること、その方と関わっていて気付いたことについて、その方が次に進むために必要だと思えることについては、必ず伝えるようにしています。

もっとも、私はその人が自分自身について知る、他者から見てどう思うのか?という客観的な見方を得るということがその人にとって有益にならないことはないと思っています。

知らないことがありすぎて、教えてもらえず、遠まわしだったり、教えるのではなく怒られたり、一方的な評価を与えられたりする経験ばかりで、自分自身について他者の目を通した時にどう見えるのか?どう感じさせるのか?という貴重な情報を得られることができずにいることが不利益になったり、自立を妨げていたりすることがあまりにも多くあります。

だからこそ、支援者が見立てたその人についての情報をその人のわかる言葉、表現で伝えることがとても重要だと思っています。

そう言うと、よく言われるのは「そんなこと言えません」「言いづらいです」「失礼だと思われる」などなど。

実は、そう思うのは私たち支援者の都合と価値観なのです。

自分自身が表面的にいい支援者でいたいから人が嫌がであろうことは言いたくないとか、怒られたらどうしようとか思ったり、失礼だとか思うのは自分自身のその物事に対する否定的な価値がそこに含まれるから思うだけの話です。

私は意地悪をしたいとか、評価をしたいとか、自分が上に立ちたいとか、ダメなことに気付いてほしいとか、現状をわからせたいとか、危機感を持ってほしいとか、そんな勝手な期待やこちらの意向ではなく、その人を応援することに具体的に必要だから伝えるのです。

そうやって伝えることで、実際のところ関係が壊れてしまったり、自分自身で失敗したと思ったことはないですし、むしろそのプロセスをしないことがその先を進めることの妨げになることの方が圧倒的に多いです。

それはきっと尊重の基本姿勢ではないかと私は思っています。

誠心誠意、自分の感じることを伝える。

それは、支援というプロセスで相手と協働でこの社会を創造する仲間として対等に関わりたいと願う私自身の精一杯のメッセージです。

とは言っても、伝えることがとても難しいということもよくわかっています。
だからこそ、日ごろの練習がとても大事なんだと思います。

なかなか、この伝えることについて学ぶ機会がないんですよね。
逆に誤学習をする機会が多かったりして。

そのためにも、事例検討あらため「支援振り返り会」はいろいろな意味で重要なのでした

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私も「ケース会議」とか、「事例検討」とかいうことばが大きらいです。
自分を「支援者」と表現することもほとんどしないと思います。
だって「支援者」なんかのつもりは毛頭ないですから。
応援団の一員だったり、「前途に幸多かれと祈る人」、だったりはしますけれど。

最近、相談時間を終えて、じゃあ3ヵ月後にまた、という別れ方をするときに、親ごさんや、先生方に「健闘を祈ります」って言うことが多いです。
または、「共に、がんばりましょう」とも。

「がんばってね」と「ようすを見ましょう」は、自分に対して禁句にしています。

週末(2月1日−3日)北海道に行っていました。
お目あては 名寄(なよろ)。旭川と稚内の間を結ぶ宗谷本線の沿線です。
名寄から講演依頼をいただいたとき、「名寄って、たしか、稚内の方だったゾ!」と思い、大喜びでお引き受けしました。

というのも、道内の飛行場でまだ降りたことのない唯一の空港が稚内空港だったからです。しめしめ、稚内空港を使うチャンス!と考えましたが、残念ながら、今回はその野望(?)は実現しませんでした。

というのも・・・・
名寄は、宗谷本線経由、旭川から特急だと一時間少々で行くのに、稚内からだと二時間かかります。そして、この線は、吹雪いたり、強風だったりすると止まってしまうことが多いのだそうです。
そんなわけで、稚内空港を利用するのは、またの機会の楽しみにして、今回は安全な方を選び、旭川空港を利用することにしました。

ちなみに、旭川からのJR線は、比布(ぴっぷ)ー塩狩(しおかり)ー和寒(わっさむ)−剣淵(けんぶち)−士別(しべつ)ー風連(ふうれん)などを通って名寄に行きます。
名寄から北には美深(びふか)、音威子府(おといねっぷ)、歌内(うたない)などの魅力的な名前の駅がたくさんあります。いつかゼッタイ通りたい!!


さて、出発一週間ほど前には、北海道の猛烈な寒さが報道されていました。
零下20度とか、25度とか。
名寄市は内陸なので、例年、とても寒いそうです。ダイヤモンドダストもみられるとか。ちょっと楽しみ。

ところが、出発前後から全国的に異様なあたたかさになりました。
1日夜の最終便で行ったのですが、旭川空港に着陸する前の機内放送で「ただいまの地上気温は摂氏3℃」と言われてびっくりしました。
夜だというのに旭川市内は、雪がとけて  びちゃびちゃの水たまりができ、雪も溶けかけてざくざく、ぐちゃぐちゃでした。あり得ない!!この時期の北海道は、雪がキシキシいうほど寒いはずなのに。
ありったけの暖かい服を着込んで行ったので汗ばむ思いでした。

2日は、時間の余裕があったので、知り合いのSTさんのいる東神楽(ひがしかぐら)町や東川町の子育て支援関係者、療育関係者の勉強会に混ぜてもらい、とても勉強になりました。
いつもながら、北海道の早期療育システム、支援ネットワークはすごい!
人の熱意がつなぐネットワーク。

東神楽町は旭川空港のある町です。以前、旭岳ロープウェーに乗ろうと行ったときや、富良野・美瑛に行く途中で通ったことがあります。

そういえば、旭岳ロープウェー、1回目は強風のため運行中止、雪辱のために行った2回目は定期点検のためにお休みでしたっけ。私は、高いところが大好きで、ロープウェーとかケーブルカーとかがあると、すぐに乗りたいクセがあるのですが。

20130203 ホテル前.jpg

2日の午後、時ならぬあたたかい雨の中、旭川から汽車で名寄に向かうと、途中から雪になり名寄に着いてまもなく、猛烈な吹雪になりました。

すっごく居心地のいい「Bird Inn」というホテルを取っていただいていました。
夕方、ホテルの向かい側のお店までちょっと買い物に出ようとしましたがあたりは真っ白で、道も、方角もまったく見当がつかず、遭難の恐れがあったので(?)いっぺん道路を渡っただけで、すぐに引き返しました。

20130203雪が積もったクルマ.jpg

翌日、3日の名寄は雪。待望の零下10℃
何から何まで真っ白。

そんな中でも保育士さん、保健師さん、療育関係者、子育て支援の関係者、学校の先生方、保護者などなど多様な方たちが100人以上がわざわざ話を聞きに来て下さったことに感激しました。
申し込みは150人だったけれど、道路が通行止めになってこられない方もあったそうです。

20130203ディーゼルの前面.jpg

帰り  旭川方面行きの電車の前面は雪だらけ。
でも  このあたりでは当たり前のことらしいです。
一両編成の快速だったのですが、運転手さん1名のワンマンカーです。
途中で雪崩があったり、何かの支障があったときに、一人じゃあ心細かろうなど思いつつ、でも、こんな中だから、北海道の方たちは、互いに手を貸し、力を出し、助け合うことが当たり前になり、また、自分の力で考えて判断する気風になってるのかも・・・などと思いました。
私が、ディーゼルカーの写真に撮りながら「前面は、全部雪がつくんですね」と運転手さんに言ったら、ちょっと面食らった様子で「雪の時は、いつもこんななんですよ。雪を巻き上げるからね・・・」と笑っていました。

そういえば、タクシーの運転手さんに、「東京では、こないだちょっと雪が積もった時、横断歩道が全然見えなくなって、クルマの運転はすごく大変だったんですよ」といったら「こっちでは、横断歩道が見えるなんてことは冬場にはありえないからね・・・」とびっくりされました。

帰り道、JR旭川の駅から、吹雪の中、空港行きバスの停留所に行くまでが一苦労。
バスを待つわずか5分の間、零下(たった!)10度とはいえ、だいぶ寒かったです。 あったかい北海道と、寒い北海道を味わえて、よかったです。

東京にいると見えないことが、たくさんあります。

名寄市には市立大学があるのです。保育、看護、栄養などの科があるそうです。
若い学生さんがたくさん住むので、市の活力にもなっているとか。
狛江にも、大学を誘致できないかしら・・・など考えたことがあるので、とてもうらやましかったです。

蛇足ですが、「名寄(なよろ)ってどういう意味かしら?」ってとても気になっていました。アイヌ語の「ナイ・オロ・プト」(渓流に注ぐ口)が由来。名寄川が天塩川に注ぐ様子をいったもの、だそうです。

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「そらとも」は「この空のもと、いたるところに、志を同じくする友あり」という意味です。

疲れて、ひとりぽっちと思えるときには、空を見あげ、胸いっぱいに元気を補給しましょう。
その曲がり角の先には、きっと新しい出会いと、すばらしいできごとが待っています。

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