6月2日 岩手県陸前高田市 7月21日 宮城県気仙沼市 に行きました。
私が理事長を務める「一般社団法人子どもの発達支援を考えるSTの会」は、会員の皆さんから集まった支援金をもとに、療育機関から希望があった物品を寄贈したり、現地に継続的にSTを派遣したりする活動をしています。
事務処理能力ゼロの私に代わって、会の事務所の担当の方が走り回って実現してくださっています。STは、いわば「口先商売」のヤカラですから、具体的に何かを応援する・・・ということができる気がしませんでしたが、今回の講演やST派遣などを通して、目に見えない、こころの育ちやことばの育ちを応援することも、また、子どもに関わっている保育士さんや、療育機関のスタッフの方たちや保健師さんを応援することも、STにできることなのだな・・・・と痛感しました。
気仙沼の講演・シンポジウムの企画主体のSさんは、気仙沼出身の心理職。
震災直後から気仙沼の医療支援に入り、結局、勤めていた東京の病院を退職して、現地支援、コーディネートを続けているという方でした。ヘソクリを取り崩しているのだそう。
凡人の私などは、「どうして、そこまでして?」と思いますが、「やらなきゃならないと思うから」やってらっしゃるのでしょうね・・・・・。
「ミッション」ということばが思い浮かびました。
気仙沼のホテルは、宿泊できるようになったところも多いけれど、復興関連の作業員の方たちを最優先で泊めているので、私たちのような不要不急の人員の泊まるところはほとんどないそうです。
私たちは、Sさんの親戚のお宅に「民泊」させていただきました。
市街地にあったお家は跡形もなく流され、山に近い方にほとんど使わずにあった、この家にやっとのことでたどり着いたのだそうです。昔ながらの畳の部屋が幾部屋もある広いお家でした。
奥さんやおばあちゃんが、おいしいおいしい食事を作ってくださり、いろいろなおしゃべりに花が咲きました。何かの拍子に「流された」という言葉がふっと出てきます。
Sさんがクルマで案内してくださった市街地は、家の土台だけが残るだだっぴろい平地です。クルマが走るには支障のない新しい道ですが、よく見ると、道だけが1メートルほど盛り土されて周囲よりも高くなっています。町全体が1メートル近く地盤沈下した、というのは、こういうことなのですね。
お家の方たちの話では、津波が迫っているなど全く思わず、海岸に近いご自宅に荷物を取りに帰ろうとしていたが、警察の車両が「津波が来るからすぐに山の方に避難して下さい!」と声をかけていたので、「だったら、渋滞もひどいし、山の方に行くかね・・・」程度の気持ちでゆるゆると避難したのだそうです。「あの時、警察のクルマが来てくれなかったら、今頃は・・・・」とおっしゃっていました。
ちょうど、おいしいヒジキをまとめ買いし、さあ、これで当分おいしいヒジキを食べられる・・・と思っていたのだけれど、自宅と、自宅に停めてあったクルマもろともヒジキも流されてしまったとも話してくださいました。
「流される」とは、少しずつ集めたお皿や、調理器具や、好きだった洋服や、家財道具や通帳など、生活の一切合財を失うこと、過去だけでなく、「おいしいヒジキを食べようと楽しみにする」未来をも失うことだったのだ・・・・と、そのエピソードから強く感じました。
町のようすをじかに見ると、「復興」と言っても、そうそう簡単なことではない・・・とつくづく感じます。
せめての協力を、と思い、知的障害のある方たちの作業所「松峰園」で製作している気仙沼の観光キャラクターグッズ「ほやボーヤ」のストラップを買ってきました。
とても可愛いキャラクターです。
松峰園で、実際に製作している工程を見せていただいたので、なおのこと愛着がわきます。
ちなみに、ホヤとはこのあたりで特産の貝の名前です。見た目グロテスクな形をしていますし、ちょっと苦い味がするんですが、私は大好物です!
ネットで「ホヤ」と検索すると、気持ち悪〜〜い画像が出てきますよ。
「ほやボーヤ」ストラップには、ついている石によって、たくさんの種類があるのですが、私は「金運」メインのものにしました!
お金の必要な事情があるんです、狛江関連で・・・・・。
また、気仙沼、陸前高田に行く機会があれば、と思っています。