ここは中川信子のホームページです。ことばの発達や障害について、
また、言語聴覚士に関連するさまざまな情報を配信していく予定です。

「そらとも」は「この空のもと、いたるところに、志を同じくする友あり」という意味です。
疲れて、ひとりぽっちと思えるときには、空を見あげ、胸いっぱいに元気を補給しましょう。
その曲がり角の先には、きっと新しい出会いと、すばらしいできごとが待っています。

海野健先生(HACの会、青山こどもの発達とこころのクリニック)による講演会のご案内です。ぜったい オススメ!HACは「Home Training for  Autistic   Children」(自閉症児の家庭療育)の略です。HACの会HP

海野先生の発想は、「無理にコミュニケーションを取る努力をするより、(家事などを通じた横並びの関係の中で)、共に生きるすべを身につけることが、将来身を助ける」ということ。
肩肘張ってやらなくてもいいし、楽しくて、実益にもなります。

海野先生の講演会が定期的に開催されます。定員が少ないのですが、ご案内します。定員が30名と少ないのですが、みなさん、どうぞ。

PDFファイルはこちら  ⇒

ママがする・・・講演会案内.pdf

自閉症児の家庭療育.JPG

自閉症家庭療育とは

自閉症家庭療育(HACプログラム)は自閉症や自閉傾向のある幼児に対して、家庭でママがするトレーニング・プログラムです。全部で15個。その考え方や課題の目的、実施などについて書いてあります。療育センターやことばの教室などに通所でも、様子をみましょう、と言われている場合も実施できます。プログラムは現在進行中です。療育をこんな考え方でやっている人たちもいるんだ、とご覧になってください。

対象となる子どもは、1才半から5才くらいのお子さんで多くはことばのない子どもです。ことばをかけても知らん顔、名前を呼んでも振り向かず視線が合いにくい、声をかけてもどんどん走っていってしまう。「ほら、見て」と言っても見てくれない、座ってくれない、絵本を読もうにもおもちゃで遊ぼうにも乗ってこない子です。

今日、4月21日は、私が理事長を務める「一般社団法人サポート狛江」が主催した講演会「お互いの“違い”を認めてコミュニケーションを進めるために」でした。話してくださるのは、綾屋紗月さんと熊谷晋一郎さん。
講演に招かれるのは簡単ですが、お招きする側は準備も後片付けも含めて大変!といつも思います。
サポート狛江メンバーの底力を感じるのも、こういうイベントのときです。

綾屋さん、熊谷さんについては、「発達障害当事者研究」「つながりの作法」などの多くの著書があります。

綾屋さんのブログも、今日始めて訪問してみましたが、とても心地よい場所でした。

心地よい といえば、今日のお二人のお話は、とても刺激的で、勉強になることが満載でした。でも、それ以上に、心地よい、充実した、魂の栄養になる時間をもらったなぁ、というのが一番の感想です。

場の雰囲気とのチューニングができないうちは、ことば(音声言語)がうまく出せず、手話でないと話せないという綾屋さん。でも、少しずつ音声で話せるようになって紡ぎ出してくださる「ことば」の一つずつに、力があり、重みがあり、あたたかさがあり、じかに心に響いてくるような「波長」とでも言える「何か」がありました。

熊谷さんのことばは さらに、深く、広く、心地よく、その場にいるだけで、ふわ〜〜っと、まるで極上の音楽に包まれているような気がしました。
聞いているのは「音声言語」なのに、「言語の意味」を超えたメッセージを受け取ったような気がしました。熊谷さんのたたずまい自体も、人を落ち着かせる雰囲気に満ちている気がしました。

本を読んだだけでも「そう、そう!」と思っていましたが、肉体と肉声を目(耳)の前にしてお話を聞くことは、やはり、別の意味合いがあるんだな、と思ったことでした。
「シェア」とでも言うのでしょうか。

講演の会場に、筆談援助による意志疎通をしている女性が来場していました。
講演が終わってから「面白かったですね〜〜」と話しかけると、筆談で「ちょっと、むずかしかったけど。でも、きて よかった です。 なかがわせんせいも おつかれさま でした」と書いて下さいました。
東田くんもですが、この女性も、重い障害を持つとしか見えない外見と、繊細で豊かな内的世界とのあまりに大きな落差に、筆談で意志疎通ができるということを、なかなか信じてもらえなかった時期がありました。
今は、幸いよき支援者に恵まれて、筆談で表現できることを、人ごとながら、本当にありがたいことだと思いました。

私が援助者になれないのは「ゴメンナサイ」という気分でもあるのですが、一回の人生で、一つのからだで、できることは限られているので、私は自分の思う所に従って、少し別の方面で、トライしようと思います。

いや〜〜 疲れましたが、充実 (^_^)v 
気がつくと、ここの所、息をつめたり、はぁはぁと浅い呼吸になっていたのですが、今日は、深い、気持ちのいい呼吸ができています。

NNNドキュメント12 「どもってもいいんだよ 僕は吃音ドクターです」が再放送されます。
再放送 4月15日(日曜日)11:00 BS日テレ  
      4月15日(日曜日)18:30 CS「日テレNEWS24」


話したい言葉が思うように出てこない「吃音(きつおん)」。
「どもり」とも言われてきた。言語障害の一つで、100人に1人にあると言われるが社会の理解は足りない。

福岡市の九州大学病院の菊池良和さん(33歳)は、吃音に悩み、苦しんだ経験をもとに吃音を研究、現状を変えるために奮闘している。
全国から相談に訪れる人達に伝えるのは「どもってもいいんだよ」ということ。
自分を責めずに前向きに受け止めてほしい、周囲も温かい目で見守ってほしいという願いをこめて…。

中野貴浩くん(11歳)は発表会でセリフが詰まったり、思うように話せなかったり、思い出すと涙が出るほど傷ついてきた。その貴浩くんが菊池さんと出会って変わっていく。 

番組ホームページは http://www.ntv.co.jp/program/detail/2188842.html 

http://www.ntv.co.jp/document/

 今日は、府中で、東田直樹くんとお母さんの美紀さんの講演会がありました。
東田くんとご家族とお会いしたのは、3年前に東京大学で開かれたシンポジウムの時以来で、東田くんは、一段と大人っぽく、青年らしく、ステキでした (^_^)v

各地での講演日程がずいぶんハードに入っていて、さぞ大変でしょう。
講演前は、場数を踏んでいるナカガワでさえとても緊張するのに。
「僕たちのような子どもたちがいることを、もっと知ってほしい」という願いから、ある種の“覚悟”を持ってのことだろうと思います。

講演前半、東田くんの口から、自閉症の当事者としてのさまざまな特性や困難、周囲の人に望むことなどが話された後、文字盤を使っての質疑応答でした。
後半は美紀さんによる、東田くんとの暮らしと、親としてトライしてきたことのお話でした。

いつものことですが、今回も、本当に不思議な気持ちになりました。
講演前には緊張して、何度も何度も同じフレーズを繰り返したり、合間に(言いたいわけではないのに)関係のないことを言ってしまったり、休み時間にはピョンピョン跳ねちゃったり、「話のできない自閉症の人」としか見えない外見からは想像もできない思慮深い答えが次々つむぎ出されるからです。

4歳3ヶ月の時、当時通っていた塾のスズキ先生とはじめて筆談をしたとき「ぼくのこと なんにも しらないのに  しっている ふうに いうから イヤ」と書き、スズキ先生もお母さんも、絶句し、この子に、こんなこと書けるはずないのに、と思いながら、でも、涙が止まらなかった・・・と、美紀さんも本で書いておられます。私も、東田くんと会うたびに、その外面と内面のギャップに、驚いてしまいます。 

大事なことは、「東田くんは特別だ」とか、「障害の重い子なのだから、こんなことができるはずはない」とアタマから決めつけず、見た目、どんなに障害が重いように見えても、「本当は、全部、分かっているのかもしれない、表現ができないだけで」と思いつつ、一人の人として尊重し、敬意を持って接するということだと、あらためて思いました。

この後も、各地で講演会が予定されています。
チャンスがあったら、ぜひ、ナマの東田くんに会って、感じてください。
直樹くん、お母さん、お父さん、お疲れさまでした!!

なお、明日4月15日(←訂正 : 「5月1日に」)各地で発売される「ビッグイッシュー」5月1日号に、東田くんと演出家の宮本亜門さんの対談が掲載されるそうです。
「ビッグイシュー」は各地の主要な駅頭などで300円で販売され、そのうちの160円がホームレス支援のために使われます。毎号、東田くんがエッセイを連載しています。 

直樹くんがコミュニケーション手段を手に入れた「筆談」については、以前本を紹介しました。 
「言えないことばを伝えたい   発達障害のある人へのコミュニケーションを支援する筆談援助」エスコアール出版部)

 「つながりの作法ーー同じでもなく ちがうでもなく」(NHK出版)が各地で大きな反響を呼んでいます。この本の著者であり、アスペルガー当事者の綾屋さんと、脳性マヒによる車イスを使用する医師である熊谷さんとによるジョイントの講演会です。

わが「一般社団法人サポート狛江」新年度最初のイベントです。
まだ席に余裕がありますので、興味のある方はどうぞ。

詳細は、上記サポート狛江のホームページからご覧下さい。

お申し込みは sapokoma@hpi-j.ne.jp

 春先は、精神・身体ともに、ぐんにゃりするナカガワです。

4月初め、花粉症の漢方薬(小青竜湯)をいただきに、朝9時過ぎに飯田先生の所に行ったら、子ども連れの患者さんたちで「門前市をなして」いました。
待合室は、5人入ればギュウ詰めなので、それ以外の人が外にあふれる道理です。
私は、家が近いので、また後で出直すことにしよう、と、夜の診療時間(6時〜8時)に出直しました。

医院の入口に電気がついていたので、ほっとして入ると、先生が出てらっしゃいましたが、なんともお疲れ気味のご様子。

「自閉症は漢方でよくなる!」(講談社)が出て以来、全国各地から、患者さんが殺到。やむなく、平日(月・水・木)の午後の診療時間は予約制にしてあります。
午前の診療時間は、9時から12時なのですが、12時ぎりぎりに飛び込んでくる人が後を絶たず、午前の診療を終えるころにはもう2時になり、午後の予約の人が次々詰めかけて、お昼休みを取れない日がず〜〜〜っとつづいていて、風邪が二週間治らなくて・・・・とおっしゃっていました。

「そりゃ大変!! 私がお昼を空けられる日には、門番をしに来ましょうか? 受けつけは11時で終了です! と、来られる方を断る係りをしに?」と言ったのですが、「でも、遠方から来る人を、そうむげに追い返すわけにも行かないですからね・・・」と飯田先生は、どこまでも親切なのでした。

先生ももう87歳!!  薬も、会計もご自分でなさっていて、本当に大変です。
もっとラクになって、長持ちしていただきたい・・・です。
でも、漢方で、驚くほどラクになる子どもや成人の方たちがあるのも事実なので、診療は永遠に続けていただきたいとも思ってしまうし・・・・・。

せめて、私みたいに、決まった薬をいただくだけの人間は、飯田先生の手を煩わさないよう、他のお医者さんで薬をもらうことにすればいいのかな?

とはいえ、飯田先生に行くと、薬を飲み始める前から、なんだかよくなって来たような気がするんですよね、不思議なことに。
今回 別のことで漢方薬をいただきに行った息子も同じことを言っていました。
飯田先生の代わりの先生って、ありえないのです、私たち家族にとって。
それが私(たち)にとっての
名医たるゆえんなのです、きっと。

自閉症の漢方治療 飯田医院

◆「自閉症は漢方でよくなる!」(講談社)

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疲れて、ひとりぽっちと思えるときには、空を見あげ、胸いっぱいに元気を補給しましょう。
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