ここは中川信子のホームページです。ことばの発達や障害について、
また、言語聴覚士に関連するさまざまな情報を配信していく予定です。

「そらとも」は「この空のもと、いたるところに、志を同じくする友あり」という意味です。
疲れて、ひとりぽっちと思えるときには、空を見あげ、胸いっぱいに元気を補給しましょう。
その曲がり角の先には、きっと新しい出会いと、すばらしいできごとが待っています。

新聞の広告で見つけた映画です。2月から上映中だったそうですが、まだ間に合いそうでよかった!

法隆寺の大修理、薬師寺の伽藍復興などをなしとげた最後の宮大工といわれる西岡常一さんにまつわるドキュメンタリー。

西岡さんの本、「木のいのち 木のこころ」(天)(地))(人)三部作(草思社)は、すばらしく示唆にとんだ本でした。今は3冊分まとめて新潮文庫に収められているようです。
木を使って建てるときの心得は「個性を殺さず 癖を生かす」こと。
人が育つ、人を育てるということも全く同じと思い、一筋に生きる人のことばの一つずつの深さに、わが身を思い返しながら、何度も読み返した本です。

この宮大工西岡棟梁の最後の仕事ぶりの映画、上映は2月から始まっているようですが、まだまだ、この後も上映予定が続きます。

私も時間を作ってぜひ見に行こうと思います。

「鬼に訊け 宮大工西岡常一の遺言」

テクノエイド協会から本年1月に『聴覚障害児の日本語言語発達のために』が出版されたとの情報をいただきました。

『ALADJIN』というテストバッテリーに関する研究成果と言語指導を行った症例をまとめたものです。

テクノエイド協会のホームページから、一人1冊までは送料のみの負担で手に入れることができるそうです。
http://www.techno-aids.or.jp/aladjin120215.pdf

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ここまで〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

テクノエイド協会
http://www.techno-aids.or.jp/

ついでにのぞいたテクノエイド協会のHPによれば 
「平成24年度チャレンジド向け通信・放送役務提供・開発推進助成金(情報バリアフリー事業助成金)の助成対象事業者の公募」を行っているそうです。(3月20日=4月16日)
http://www.nict.go.jp/press/2012/03/12-1.html

ST(言語聴覚士)という仕事をしていてうれしいことの一つは、よき仲間、人間としてすばらしい人 の存在にふれられることです。

成人の言語障害、摂食・嚥下障害については、医療保険、介護保険という頼れる傘ができたために、逆に、自分たちで何とかしなくちゃ、という動きが弱まっているように私からは見えますが、子どもの発達の分野では、何も守ってくれる後ろ盾がないために、逆にがんばる人たちがたくさんいるように思います。


「とくしま発達しあわせネット」の代表のAさんも、全国にいるそんなステキなSTの一人です。代表のAさんがスポーツ大好き人間であることから、キッズサッカーを中心に事業展開し、あわせて発達に関する研修会、勉強会などを行っています。

スポーツといえば、障害のある子どもたちがスポーツを楽しむチャンスは、まだまだ少なく、また、適切な指導のできる指導者もとても少ない現状だそうですが、徳島の子たちは幸せだわ〜。障害のある子どもたちのサッカークラブとしてはNPO法人トラッソスが有名です。狛江の子どもたちもお世話になっています。

さて、「とくしま発達しあわせネット」が世界自閉症啓発デー(4月2日)に併せて行う映画会の案内をもらいましたので、転載します。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜転載ここから〜〜〜〜〜〜〜

4月2日は国連が定めた世界自閉症啓発デー
4月2日〜8日までは発達障害啓発週間です。

「とくしま発達しあわせネット」では
4月8日(日)に自主映画上映会≪「ちづる」in とくしま≫を行います。
また、会場では発達障害啓発とくしまキャラバン隊さくらによる発達障害体験会や(株)ヤンセンファーマさんのバーチャルADHDの体験会を併せて行います。

映画ちづる公式ホームページ... http://chizuru-movie.com/
申し込み http://tokushimashiawase.web.fc2.com/
とき:2012年4月8日(日)
開 場=14:00
上 映=14:30〜16:00
*発達障害疑似体験会は14:00〜16:30まで

ところ:ふれあい健康館 ホール
          (徳島市沖浜東2-16)

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お近くの方はどうぞ。

毎年、卒業式や入学式のことを書いている気がしますが、今年も、中学校、小学校の卒業式に参列させてもらいました。壇上に上がって教育委員会としての「告辞」を間違えないように読むお仕事を果たすのと引き換えに、たくさんの感動を味わわせてもらいます。

今日、出席した小学校では、2歳、3歳のころに「ことばの相談」でお会いしたことのあるお子さんや、かかわったことのあるお子さんのきょうだいなど、何人ものお子さんが卒業しました。
成長ぶりに、本当に感動しました。
また、子どもを大切に育てている・・・という学校の雰囲気も心地よいものでした。

そして、どのお子さんも、卒業式の会場に入場する時と、退場する時とでは全く違って、一回り成長した感じになるのが不思議でした。

校長先生にそう言うと、「そうなんです。式の練習の時にも、一回ごとに成長するんです」とおっしゃっていました。

子どもは成長するのがお仕事・・・・なのでしょうか。

  最近、日置真世さんのブログ中毒になっています。
その日置さんのブログ「新サロン日記」の3月4日付けに、「まじくるフェスタ」後のことが書いてあるのですが、大変読みでがあります。

 「まじくるフェスタ」でも取り組まれた「制度を作る」というテーマについて、7月1日からの一週間の間に、全国で「何か」のイベントをやることが決まったそうです。

そのための呼びかけ文(案)の中に、こんな一文があります。

「あいつが悪い! と指差したその先には 自分自身がいる」

今は、世の中あげて、あいつが悪い、こいつが悪い、と何でもかんでも人のせいにして指弾するばかりになっているような気がします。自分は何にも悪くなくて、完全な被害者のような顔をして。 

「あいつが悪い!と指差したその先には、自分自身がいる」という自覚ってとても大事なことだと思います。

自分に対して自省的になる、ということ。
いろんなことを人のせいにしないこと。
そして、自分にできることは自分(たち)でやる。

当たり前だけれど、なかなかできない。
最近、身の回りでいろいろなことがあり、ついつい「あいつが悪い」「こいつだダメだ」と心の中で 言い募りがちだったので、これではいけない、と反省しました。

  「どんなひとのどんな悩みにも よりそって 一緒に解決する方法を探します」をめざす「よりそいホットライン」が 3月11日午前10時から始動します。

 いじめられているけど 誰にもいえない
 収入が不安定で先が見えない
 住む家も食べるものもない
 理由もなく解雇された
 夫の暴力を誰にも相談できない
 家族がバラバラでつらい
 さびしい、生きていくのがつらい

などなど、どんな悩みでも、24時間通話無料でかけられます。
電話番号  0120−279−338  
期間は3月31日まで。

「そんなこと、ほんとにできるの?」と思えるようなことですが、ほんとにやろうとしている人たちがいます。

事務局を担うのは 一般社団法人 社会的包摂サポートセンター

どんな人たちがやってるの? ⇒  こんな人たち

応援しましす!

東田直樹さんとお母さんの美紀さんによる講演会のお知らせです。
4月14日(土)午後1時より、 府中市において開催されます。
第一部は直樹さんによる「自閉症の僕が語る自閉症の世界」
第二部は美紀さんによる「わが子の可能性を信じる子育て」

参加費1000円

下記をご覧ください。
http://www.popship.com/article/246067507.html

東田直樹くん親子を、私はずっと応援してきました。
東田直樹オフィシャルブログ からは毎日考えるタネをもらいます。
直樹くんも自分で書いていますが、「ただ ぼーっとしているようにしか見えな」かったり、落ち着かずにウロウロ動き回ったりしてしまう「カラダ」を持ち、とても興味の引かれることを前にして意に反して大あくびしてしまったり、などなど、周囲に誤解されることの多い自閉症の人たちです。

「人として共に生きていく」
ことばでなら、何とでもいえますが、人を見た目で判断せずに真摯に付き合うことは、本当に難しいです。
直樹くんのブログを読んでいると「共に生きて行く」ための手がかりになりそうなフレーズにたびたび出会います。

 「メディカル朝日」という医家向けの月刊誌があります。(税込み定価1020円)
今発売中の2012年3月号の小さなコーナー「子どものみかた」で、「ことばの遅れ」について寄稿しました。
山口の田原先生(たはらクリニック)からお話があったのでした。

3ページの特集ですが、市中の小児科のお医者さんたちに知っておいていただきたいことを、コンパクトに書いてみました。

どこにでも置いてある雑誌ではありませんが、見かけたらご覧になってください。

なお、「ことばの遅れ」以外の特集は
■胃ガン治療
■“眠れない”を治して、病気を治す
■再破裂の可能性の高い、軽症クモ膜下出血を見逃さない
■医療の質と安全をシステムで高めるーー亀田総合病院
                   など、充実しています。

とってもわかりやすく、すぐに明日からでも取り組めそうな遊びの本です。

おまけに、その遊びにどういう意味があり、どういう力を育てようとしているのかの「効能書き」も、ちゃんとつけてあります。

使われているのが、カットではなく、実際の子どもさんの写真なので、その臨場感の助けもあって、これもやってみたい、あれも面白そう! とイメージがふくらみます。

保育園、幼稚園、療育の場や、おうちで、みんなで楽しく運動できそうですよ!!2011年11月発行  1600円+税

 日本の特別支援教育推進の立役者の一人である柘植雅義さんが、編集にあたった本です。2012年2月発売  定価2800円+税
本の扉にはこうかかれています。

多様な専門スキルで発達障害当事者ニーズを充たすために集う「対人援助専門職
発達障害当事者が健やかに生きるために整備される「発達障害支援ネットワーク」

ふたつの歯車が連動するとき、誰もが愉しく自由に生きていくユニバーサルデザイン社会は実現へと歩みはじめる。

この社会の青写真は「誰が支援するのか?」に応える16の専門職種、「何を支援するのか?」に応える12の支援内容を起点に、描かれる。

特別支援教育の理念に始まり、支援の枠組みと全体像を俯瞰するのに役立つと思います。

柘植さんに頼まれて、「言語聴覚士の立場から」の4ページ分を担当させてもらいました。

私のメインの仕事は、1歳半健診後に「ことばが遅いかな?」と相談に?遊びに?くる親子さんとお会いすること。
年齢は、早い子では1歳7ヶ月、ほぼ3歳代までです。
毎回、毎回 可愛らしく、楽しく、面白いことの連続です。
帰っていく親子を戸口で見送ったあと、その日の担当の保健師さんと、「可愛かったねぇ」と言います。

j順調に伸びて「じゃあ、今回でおしまいですね」となるのはうれしいながら、もう、この可愛らしい坊やと会えなくなると思うと、ちょっと悲しかったり。

とはいえ、発達障害を含む心配の兆しを見きわめて、なるべく早く、適切な支援につなげることがいちばんの課題なので、「可愛いと思う目」と「心配を見つけ出す目」の両方を持ちつつ、遊びます。
このなんともいえない緊張感が、この仕事を大好きな理由です。

先日、ある坊やが、棚の上のオモチャをじーーっと見ているので「これ? これで遊ぶ? 取ってあげようか?」と何の気なしに言ったところ、「うん」というお返事が返ってきたので、ものすごく感動してしまいました。

「ことばの相談」に来所するお子さんは、コミュニケーションが取りづらい、とか、一方通行的というお子さんが多いので、何か話しかけたときに「うん」とか「ううん」とか言うお返事が戻ってくることが、とても少ないのです。

あらかじめ、お返事は戻ってこないものと想定して、それでも、楽しく遊べる関わりは何か?と、あれこれ模索しながら関わることが常なので、「うん」だの「ううん」だのとお返事が戻ってくると、とても驚いてしまうのです。

その日も、担当の保健師さんと、「定型発達の子って、やっぱり、スゴイねぇ」「子どもが相づちを打ってくれるから、お母さんも、さらに関わろうという気持ちを引き出してもらえるのよねぇ。張り合いがあるもんねぇ」とひとしきり感動を分け合いました。

育てにくい子、反応の乏しい子を育てるお母さん、お父さんは、ほんとに日々大変。プロの手を借りて、ラクな子育てができるように、全国的な早期支援の受け皿がさらにさらに充実するといいな、と思います。

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「そらとも」は「この空のもと、いたるところに、志を同じくする友あり」という意味です。

疲れて、ひとりぽっちと思えるときには、空を見あげ、胸いっぱいに元気を補給しましょう。
その曲がり角の先には、きっと新しい出会いと、すばらしいできごとが待っています。

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