ここは中川信子のホームページです。ことばの発達や障害について、
また、言語聴覚士に関連するさまざまな情報を配信していく予定です。

「そらとも」は「この空のもと、いたるところに、志を同じくする友あり」という意味です。
疲れて、ひとりぽっちと思えるときには、空を見あげ、胸いっぱいに元気を補給しましょう。
その曲がり角の先には、きっと新しい出会いと、すばらしいできごとが待っています。

読み書き遊び.jpg

以前ご紹介した作業療法士の木村順さんの「発達障害の子の 感覚遊び 運動遊び」の続編が出ました。

『発達障害の子の読み書き遊び コミュニケーション遊び』
         (木村順 講談社)です。

読み書きって、遊びを通してじょうずになるものなのか?
ジャンプする遊びで書き順が整うだって?  え〜、まさか〜。
ブランコやジャングルジムで落ち着いて読み書きできるようになるって? うっそ〜。

たいていの方は最初そう思われると思いますが、この本を読むと、その疑問が氷解するでしょう。
アタマの中の題材を提供された作業療法士の木村順さんもスゴイけれど、難しい理論をいとも簡単に解き明かし、絵にしてくださった編集担当の石川さんにも、敬意を表します。

いまだに「努力不足!」とか、「注意が足りない!」と叱られてばかりの子どもたちが、理解されて、生きていくのがラクになるための助けになりますように。

言語・コミュニケーション.jpg

『特別支援教育のための 言語・コミュニケーション・読み書きに
困難のある子どもの理解と支援』 
   大伴潔 大井学  編著
   学苑社   3000円+税

題名どおりの内容の本です。現役のST(言語聴覚士)も各節を分担執筆しており、きわめて具体的な例や工夫が掲載されています。

どの部分も子ども理解に役に立つと思います。理解できれば、支援の方策はおのずとわかるはずですし。
特に、第三部「読み書きの発達とその障害」は、さすが!でした。

学校の巡回相談の折りに、「字が汚い」とか「漢字を書けない!」とか先生方に「努力が足りない!」ととらえられてしまっている、あの子、この子のために、先生方にこの本を読んでいただければな・・・と思いました。

 、 

調布に仕事に行くバス通りの街路樹は今、ピンク、白、そして紅の花が満開です。花を表現するのに「枝もたわわに」ってはあまり言わないと思いますが、花の重みで、枝がしなうほど満開です。

植えられているのは調布市の市の花に指定されている「百日紅」。  
百日紅。ヒャクニチコウ。
とっても美しい漢字の名前ですが、一般的な名前は「サルスベリ」。幹がつるつるで「サルもスベル」に由来するとか。

私が小学生時代をすごした広島の家の庭にもサルスベリの木がありました。花が咲いてた記憶はないのですが。夏休みに、姉と私で「ほんとにサルもスベルのか?」と、登る練習をしたことがあります。
3歳ちがいの姉は、幹の途中まで登れるようになりました。私は登れるようになりませんでした。
確かに、幹は、見た目以上につるつるで、手がかりというか、足がかりがありませんでした。

バス通り沿いのサルスベリの花を見ながら、「幹はつるつるしてるのよねぇ」と思えるのは、そんな実体験に裏づけられているからだなーと思います。
このトシになると「登る練習してみよう!」とは到底思えないので、やっぱり、発達途上の“その時期にしかできないこと”を、せいいっぱい、やってみるのがいいな、と思います。

  留岡幸助(とめおか・こうすけ)をご存じでしょうか? 24年度から使用される中学校の社会科教科書にも取り上げられているものがありました。

  留岡幸助は北海道・紋別郡遠軽(えんがる)町にある北海道家庭学校を創設した人です。北海道の監獄に教戒師として赴任した留岡は「強制労働など過酷な刑罰を受ける囚人達。幸助は、なんとか囚徒を更生させ、監獄を改革しようと、3 年に渡って囚徒の過去を調査する。そして、犯罪の芽は幼少期に発することを知り、幼い頃の家庭教育の大切さに気づ」き、「広く感化を要する子弟を教育、少年感化事業の先駆者」となりました。

この留岡幸助の生涯を描いた映画「大地の詩ー留岡幸助物語」が完成し、各地で順次上映会が進んでいます。

遠軽は私にとって浅からぬ因縁の町で、親戚同然のお付き合いの方がいるので何回も遊びにいったことがあり、北海道家庭学校も案内していただいたことがあります。この映画の遠軽での上映会には600人もの人が足を運んだそうです。合併後の人口は22000人だそうですから、かなりの高率!!

 ついでに・・・・・・遠軽町のホームページも見てくださいね!! 
太陽の丘えんがる公園 や がんぼう岩 も、オススメします。

留岡幸助も、また同じ山田火砂子監督による「筆子・その愛〜天使のピアノ」に取り上げられた石井亮一・筆子夫妻、「友愛・互助・平和」を国内外で説き映画「死線を越えて」に描かれた賀川豊彦といい、“慈善”ではなく、支援の必要な人へのかかわりを通して国の形を変えようと奮闘した先人の努力の上に、私たちはいるのだという自覚を常に持ちたいと思います。 

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「そらとも」は「この空のもと、いたるところに、志を同じくする友あり」という意味です。

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