ここは中川信子のホームページです。ことばの発達や障害について、
また、言語聴覚士に関連するさまざまな情報を配信していく予定です。

「そらとも」は「この空のもと、いたるところに、志を同じくする友あり」という意味です。
疲れて、ひとりぽっちと思えるときには、空を見あげ、胸いっぱいに元気を補給しましょう。
その曲がり角の先には、きっと新しい出会いと、すばらしいできごとが待っています。

木村順さんの本.jpg

 作業療法士の木村順さんの新しい本が出ました!!

最初の数ページを見ただけで、ワクワク、ドキドキしてきました。

苦手なことのある子どもたちをどうとらえ、おうちで、園で、学校で、今日から何をしたらいいか、合点!合点!できます。

苦手でできないから何回もやらせる、練習させる、という考え方は、百害あって一利なしだ、ということも、わかっていただけると思います。

たくさんの人に読まれますように。

  

飯田先生本.jpg

  精神科医、飯田誠先生の「自閉症は漢方でよくなる!」(講談社)が出ました。

先生とは、とても不思議なめぐりあわせでお会いすることができたのですが、そのいきさつは、「推薦のことば」に書かせていただきました。
(私の「推薦のことば」が巻頭に、しかも、ズラズラと長く載ってるのでびっくりされるかもしれませんので最初にお断りさせていただきます。)
飯田先生ご自身も、実に不思議なめぐり合わせから、自閉症の人たちに「大柴胡湯(だいさいことう)」が顕著な効果を発揮するということを発見されたのです。

私自身、知り合いの自閉症のお子さんや、アスペルガーのお子さんが、漢方を飲み始めて徐々に、あるいは、すぐに、なんとも言えず「ラク」そうになる姿を何人も見てきたので、早く、この新知見が公のものになるといいのに、と願っていました。

「よくなる!」という題が「治る!」と誤解されないか心配ですが、「改善する」という意味だと読んでいただければいいと思います。
実際に改善した子どもや成人の人たちの例が、豊富に紹介されています。
あまりよくならなかった人の例も紹介されています。漢方といえども万能ではありません。

漢方や代替療法についての誤解や拒否の強い日本の医療の中で、どこまで受け入れられるかは未知数ですが、「現実」が説得材料になっていくであろうことを期待しています。

 飯田先生に関しては以前にも書いたことがあります。
http://www.soratomo.jp/article/13402378.html

先日、講演帰りに新幹線に乗ったときのこと。
指定席はあいにく窓側が取れなかったため、自由席にしました。
が、自由席も案の定、窓側はすでにいっぱいだったので、やむなく、通路側にすわりました。

窓側にはサラリーマンらしい男性がいたのですが、この方が、妙に落ち着きがない方で。
しょっちゅう、身動きしたり、かばんを開けたり閉めたり、読んでいる文庫本を閉じたり、通路のほうを見たり。

人が、電車の減速と共に読んでる本を閉じると「次の駅で降りるのかな?」と、思いません?
通路の方を見て身動きしたら「あれ?トイレに行くのかな?」と思いません?

ともかく、私は、彼の身動きのたびに「?」と、いつでも立てるように心の準備をしました。が、そのつど予想は空振り。お隣の彼は、結局終点までしっかり乗っていたのでした。
なんだか、ツカレタ。私がひとりで勝手に空回りしてたわけです。

隣の人が立ち上がって「すみません、降ります」と言うまで、気配や身動きに全然気がつかない「鈍感」な人も世の中にはいます。そういう人の「鈍感力」がつくづくうらやましくなった車中でした。

と同時に、「やっぱり通路側は安心できないんだ。だから、窓側の席が好きなのね、私は」と、自分で自分に納得しました。

人生において「安心できること」「落ち着ける居場所」は、ほんとに大切・・・・・・。

調布市子ども発達センターが開設1周年を迎えました。
子ども発達センターの前身、あゆみ学園にご縁があって、昭和51年に月一回調布に通いはじめて以来、総合福祉センター、市内の保育園や特別支援学級の巡回、健康推進課のことばの相談、と場所を変えながら、今に至るまで30年以上、調布市の事業に関わらせていただいてきました。
 私は、調布市と、調布市の保護者と支援者たちに育ててもらったと思っています。

 このほど 子ども発達センター開設1周年記念講演会の講師に、と声をかけていただき、とても光栄に思っています。

まだ定員に若干の余裕があるそうなので、お知らせします。 なお、保育のほうはすでに定員に達したので、申し込みを締め切ったとのことです。

 pdfファイルはこちら  ⇒  講演会チラシ 表.pdf 

なお、ファックス申し込み用の用紙をpdfファイルで掲載します。
            ⇒    講演会チラシ 裏.pdf
 

先週末、山形に行っていました。保育士対象のセミナーがありました。
午前ー午後4時間半の講義だったので、前泊しました。
さすがに5時間とか6時間の講義(大学等の集中講義に比べればずっとマシですが)となると、その日のうちの日帰り往復はカンベンしてほしいです。

駅近くで予約したホテルのすぐそばに、「足裏マッサージ」(っていう名前ではありませんでしたが、リフレクソロジーという名前でもありませんでした)があったので、飛んで行きました。

施術者の女性は、最初にオイルを足裏全体にささーっと塗って一なでしただけで「胃がお疲れのようですね〜」と見抜きました。
そう、もっとも不調なのは胃だったのです。食べすぎか???

30分しっかり押してもらって、体じゅうの血流がよくなったみたいな感じで、目がしょぼしょぼしていたのも、心なしか回復。
東京にいると、何だかんだ追いまくられ、自分の体の手入れをする余裕がないので、講演に伴う旅行は、疲れるともいえますが、楽しみでもあるのでした。
東京駅にも羽田空港にも、足裏マッサージがあり、早めに着いた時には利用しています。
アカの他人が、自分のために時間を提供して、押したりもんだりなでたりしてくれる・・・というだけでも、人間は元気になれるのかもしれません。
鍼灸の資格を取った友人が「エネルギーの交換、っていうのよ。鍼もお灸も、自分でやればいいようなもんだけど、他の人にやってもらったほうがよく効くのよ」って言っていたことがありました。

足裏に内臓全体の反射区がある、っていう考え方、実に不思議です。
が、きっと本当のような気がします。
現に、他のところは押されても全然痛くないのに対して、押されると「あいたたた!!」という場所がいくつかあり、反射区で言うと、まさに、今違和感があったり痛かったりする場所なのですから。
興味のある方は「足裏」「反射区」で検索すると参考資料が出てきます。


世の中には、カッコ付の「科学」がまだ及んでいない領域がたくさんあると思います。人間、もうちょっといろんなことに謙虚になる必要がありますよね。
見えてないこと、わかってないことがいっぱいあるんですから。

そうそう、不思議といえば、以前ご紹介した、自閉症の漢方治療をしておられる飯田誠先生の本がもうすぐ講談社から出ます。出たら、ご紹介します。
本の題は「自閉症は漢方でよくなる!」です。「よくなる」は、治る、ではなく、改善する、という意味です、念のため。

本の中には(ハンス・)アスペルガー教授が来日された時にじかに話をしたら・・というエピソードがさらっと入っていたりして、それこそ「マイリマシタ!」です。 飯田先生と自閉症の人とのお付き合いの古さをほうふつとさせます。還暦をとうに過ぎたナカガワですが、飯田先生にくらべれば、まだまだひよっこだな、と反省しきりです。

「場面緘黙」「選択性緘黙」ってご存じですか?
お家や、なれた人とならお話しするのに、外ではお話ししない(できない)ことです。意外にたくさん、こういう人がいます。私の周りでも(私も含めて)「小さい時、そんな風だったのよ・・・」という人、何人もいるんですよ。  「かんもくネット」が立ち上げられたおかげで、正しい情報が行き渡るようになり、とてもうれしいことです。その「かんもくネット」からのお知らせです。
                          (中川)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「Knet講演会in神戸」のご案内
家ではよくしゃべるのに、園や学校でおしゃべりできない場面緘黙がある子は、0.7%もいて、早期に適切な支援を行えば早く改善することがわかってきました。
場面緘黙は不安から生じる症状ですが、中には発達の問題を抱える子どももいると言われています。
今回の研究会では、場面緘黙の子どもたちへの支援に取り組んでおられる金原洋治先生をお招きし、共に学びたいと思います。
多くの皆様にご来会いただければ幸いです。 
■日時:平成22年11月7日(日)  13:30ー15:30
           13時すぎ開場 

    ★Knet会員はこのあと講師との懇話会を開く予定です
    15時半すぎ〜17:00(同ビル4階創作工房Aへ移動)

■ 場所:ひょうごボランタリープラザ
(JR神戸駅から南へ徒歩3分・神戸クリスタルタワー6F・078-360-8845)

http://www.hyogo-vplaza.jp/institution/03.html

■演題:場面緘黙(ばめんかんもく)と発達にかかわる問題
    −50数人の子どもたちから学んだこと−
■講師:金原洋治先生(かねはら小児科)
講師プロフィール:
昭和50年山口大学医学部卒。済生会下関総合病院勤務後、平成10年かねはら小児科開業。
現在、心身障害児医療、小児心身医療などに力を注いで活動している。
日本小児心身医学会評議員、日本小児科医会子どもの心対策部委員、山口県教育庁特別支援教育ビジョン推進委員、NPO法人山口県自閉症協会理事、NPO法人Nest理事(フリースクール運営)。かんもくネット会員。
著書(分担執筆):生育の視点にたった学校保健マニュアル(診断と治療社、2007)、スクールカウンセリングマニュアル(日本小児医事出版社、2008)など。

■参加費1,000円(当日)・Knet会員は無料

■主催:かんもくネットhttp://kanmoku.org/
 
■後援:兵庫県小児科医会・神戸市教育委員会
■お申し込み
平成22年10月24日(金)までに、下記のお申し込みフォームよりお申し込み下さい。かんもくネット会員外の方でもお申し込みいただけます。
定員先着72名。 1名ずつお申し込みください。
講演会お申し込みフォーム↓

https://ssl.form-mailer.jp/fms/c3c0382a117579

Knet事務局からの返信を持って受付完了とさせていただきます。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

http://bb2.atbb.jp/kanmokunet/viewtopic.php?p=3386#3386

に同じ情報あります。
かんもくネットHP:http://kanmoku.org/

  10月1日、青森県立弘前聾学校で開かれる研究会にお招きいただきました。 北の国が大好きな私なので、「交通費先方持ちで、秋の青森に行けるなんて!!」とわくわくして、行ってきました。
前日の懇親会も、当日の研究会も、考えること、学ぶことがたくさん
あったのですが、それは後半に書きます。
右は、宿泊先の弘前のホテル13階朝食会場からの岩木山です。
携帯カメラなのですが、その姿の美しさの一端はお分かりいただけるかと思います。

ホテルから見た岩木山.jpg

翌2日に、私的に人と会う約束があったのでもう一泊。 今度は、青森市郊外の浅虫温泉に泊まりました。 浅虫は、私が小さいころ、とても可愛がってもらった方の故郷だと聞いているので一度行ってみたいと思っていました。 1人で泊まれる温泉つきホテルにはいろいろな限定があるので、あまり期待せずに行くことにしていますが、今回は200パーセント満足のお宿でした。お風呂もお料理も、そして、小さい宿であるがゆえの宿の方のあったかいもてなしも。そして宿泊料も!! 浅虫温泉駅に着いた時は、ちょうど、お日様が沈むところでした。 「夕焼け」が売り物の一つでもある観光地なので、「ゆうやけ橋」という橋があり、そこから撮った写真と、翌朝の海のようすです。

浅虫温泉の夕日.jpg
浅虫温泉の朝の海.jpg

さて、聾学校は、いずこも、生徒数の減少が顕著です。
青森県立弘前聾学校も、例外ではなく、昭和30年代、最盛期には幼稚部・小学部・中学部・高等部合わせて150人もいた生徒が、今年は8名。弘前聾に限らず、いずこの聾学校も、学習集団がつくりにくくなっているとのことです。

早期発見、早期指導の成果、補聴器の進歩、人口内耳の手術の一般化、そして、インテグレーション、インクルージョンの流れの中での喜ばしい変化という面もありつつ、でも、「聞こえにくい」という特性は、どこまで行ってもなくなることはありませんし、通常の子の中で育てればいい、とだけは言い切れません。
聴覚活用、音声のみでのコミュニケーションを強制するのではなく、手話の併用も視野に、「聞こえにくい子」としてのアイデンティティと誇りをきちんと育てる場が必要だと言われていますし、実際、私もそう思います。
短時間ながら見せていただいた授業で、1人ずつの子どもを大切にする、子どもの気持ちに寄り添いながら、必要なスキルを教えて行く・・・・という、教育の本質を見せていただいたようで、とても嬉しい気持ちになりました。
もちろん、聾教育独自の専門性の確保と継承、地域の園や学校への地域支援のあり方、知的障害特別支援学校等との併設の動きなどなど、簡単に割り切れない大きな問題も多々あります。
ですが、研究会と併せて開かれた講演会の終わりのあいさつで、風晴校長が言われたとおり、「特別な子への支援教育ではなく、支援を必要とするすべての子への個別支援」という発想をもって、動いて行かなければ失われるもののほうが多いと思います。

そしてもう一つ印象に残った話。
風晴校長がずっと以前に、幼稚部の担任をしていたとき、「熱があるので、休みます」と連絡してきた子が、2時間目から登校してきたことがあるそうです。お母さんに聞くと、「先生が待っているから、どうしても行く、と言ってきかないので、連れて来ました」というお返事だったそうです。
「先生が、私のことを待っていてくれるから、(たとえ体調が悪くても)行く!」という気持ちで、生徒が先生とつながっている・・・・。

 すべての学校の、すべてのクラスで、そういう生徒と先生の関係が成り立つような条件整備と、教員の力量向上が図られるべきですね。 日本中の子がみんなそんな楽しい気持ちで、学校に通い、成長することができたらなぁ・・・と思います。実態は、まだまだ、ですが。

ともすると発達障害が話題の前面に出て、後ろのほうに追いやられがちな聾学校、盲学校ですが、教育の中で、本当に大事な一翼をになっています。多くの方たちに知っていただければと思います。

風晴先生、他の先生方、共にがんばりましょう!! 青森に行くと、なぜか、いつも、こんな、高揚した気分になるのが不思議です。
あ、そうそう、そろそろ木々の先端部で
紅葉も始まっていました。

なお、弘前聾学校は平成20・21年度 文部科学省委託事業として
「PT、OT、ST等の外部専門家を活用した指導方法等の改善に関する実践研究事業」 に取り組みました。その報告書が青森県のHP上に載っています。↑
なかなか広がらないSTと教育分野との協力関係がさらに開かれていくといいな、と思います。
ごらんになってください。

お問合せ・ご相談はこちら

「そらとも」は「この空のもと、いたるところに、志を同じくする友あり」という意味です。

疲れて、ひとりぽっちと思えるときには、空を見あげ、胸いっぱいに元気を補給しましょう。
その曲がり角の先には、きっと新しい出会いと、すばらしいできごとが待っています。

お気軽にお問合せください