2010年07月26日

「存在」・・・・・石

北海道日高地方ニ風谷(にぶたに)にアイヌ民族の伝統を残し、世に伝えることに奔走した萱野茂(かやの・しげる)さんの名前を冠した「萱野茂ニ風谷アイヌ資料館」があります。
萱野さんが集めた資料の多くは、「平取(びらとり)町立ニ風谷アイヌ文化博物館」に寄贈・展示されていますから、「萱野茂ニ風谷アイヌ資料館」に残る資料の数はそう多くはないのですが、萱野さんご自身が生前に作られたアイヌ伝統の品や、たくさんの写真が展示されていて、「すごい人だったなぁ」ということが伝わってきます。亡くなったあとも、その存在がくっきりと残る感じです。

萱野さんの書かれた「アイヌの碑(いしぶみ)」(朝日文庫)は、日本国が少数派に属するアイヌの人たちを、どのように扱ってきたのかが淡々と書かれています。静内(しずない)アイヌのことを書いた小説「静かな大地」(池澤夏樹 朝日文庫)もそうですが、和人が行ってきたアイヌに対するしうちの数々に対して、本当に申し訳ない思いに駆られます。

  ニ風谷の「萱野茂資料館」の入り口あたりに、金田一京助氏の歌碑が立てられていました。
  『物も言わず 声も出さず
      石はただ 全身をもって おのれを語る』

 静岡県富士宮にある「奇石博物館」も、「石」をめぐる、実に味わいの深い博物館でしたが、「あるだけで存在を語る」ものって、何なのだろうな・・・・などと、わが身を反省しつつ考えました・・・・。
 

  

posted by 中川信子 at 07:17| Comment(0) | 徒然のぶこん