ここは中川信子のホームページです。ことばの発達や障害について、
また、言語聴覚士に関連するさまざまな情報を配信していく予定です。

「そらとも」は「この空のもと、いたるところに、志を同じくする友あり」という意味です。
疲れて、ひとりぽっちと思えるときには、空を見あげ、胸いっぱいに元気を補給しましょう。
その曲がり角の先には、きっと新しい出会いと、すばらしいできごとが待っています。

 今日はうれしいことが2つありました。

一つは旭出学園のことです。毎年この時期に、創立を記念した「青葉のつどい」が行われます。今年は、創立60周年を祝う「青葉のつどい」でした。
 例年、忙しさにかまけて失礼ばかりしているので、今年は参加することにしました。
集まったのは小学部・中学部の生徒から福祉園の園生、先生方や関係者、保護者など2−300人はいたでしょうか。本当に大勢でしたが、一様に、ゆったり、ニコニコ、「よいお顔」であることに、いつもながら、とてもうれしい気持ちになりました。今は亡き三木安正先生が願った「卒業のない学園」「両親が協力する学園」の旗印そのままです。
  弱冠22歳だった私がドタバタしていたころに小学部3年生だったTくんの姿もありました。もう50歳近いでしょうに、幼いころの面影があり、なんだかタイムスリップした気分でした。

 二つ目のうれしかったこと

お天気がよくて、あまりに暑かったためか、参加者のお一人が気分が悪くなってしまいました。たまたま居合わせたお医者さん(学園生の保護者)のアドバイスで、念のために救急車でかかりつけの病院にお運びすることになり、すぐ近くにいた私も救急車に同乗しました。自分自身が搬送されたことはありますが、同乗するのは初めてでした。救急車って揺れるんですよねー。
 旭出学園からかかりつけ病院30分以上かかる距離。病人はだいぶ気分も回復し、お元気だったのでサイレンを鳴らして走るのもなんだか申し訳ないような気分もしましたが、でも、いろいろ観察しました。
救急車が通る時には、道にいる車さんたちはみごとなくらい道をゆずってくれるものなのですね!! 
 環状7号線が混んでいて、片道二車線ぎっしりのクルマでしたが、左右に寄って停まってくれるので、その真ん中をすり抜けるようにしてどんどん進みます。
  赤信号に巻き込まれて停まらざるを得ないときも、前の車さんたちが、モゾモゾというふうに動いてくれます。5センチでも10センチでも隙間をあけて、救急車を通してあげよう、という気持ちが感じられるモゾモゾでした。
  なんだか、そういう姿に感動し、この国の人たちはいい人たちだなぁって思いました。救急隊員の方も、「右に寄ってください」「ありがとうございました」「真ん中を通ります」「ありがとうございました」「赤信号を直進します」「ありがとうございました」って、絶えず「ありがとうございました」って言うのです。

 そうそう、うれしいことの三つ目もありました。

 救急車には、旭出学園教育研究所の松田祥子先生も、同乗なさいました。
松田先生は、「日本マカトン協会」の親分、いえ、代表です。
私が大学卒業後すぐに旭出学園の教育研究所で研究員(とは名ばかり)としてITPAの標準化作業をお手伝いしていたころの研究所の先輩でした。
 うれしいことの三つ目は、松田先生と、病院で待っている間、いろーーんなおしゃべりができたことです。一挙に、当時22歳だった「ノブコさん」に戻った感じでした。


 うれしいことの四つ目五つ目もありました。
 気分が悪くなった方は、私が若かりしころ、とってもお世話になった方です。今までお世話になりっぱなしでしたが、今回、少しご恩返しができたかな、とうれしかったです。
  それに、一応医療職のハシクレとして、急なことにも取り乱さずに対処できたことで、ちょっぴり自信をつけました。

 一連の出来事を通して、やっぱり三木先生は、旭出学園と私たちを見守り、守って下さってるんだなーと強く確信しました。

 みなみなさま、ほんとにありがとうございます

  ハナミズキ。  チョウチョがはばたいているような花は終わりましたが、すっ!と空に向かって枝を差し出している姿がとても好きです。

 一青窈の「ハナミズキ」の歌詞は♪空を押し上げて♪ で始まります。「空を押し上げる」っては思ったこと、なかったな・・・ととても驚きました。  それ以来、ハナミズキがあると、「確かに、空を押し上げてるかも・・・」と思います。気をつけて見ると、狛江も、町のあちこちにハナミズキが植えられています。

 この「ハナミズキ」を徳永英明がカバーしているのをたまたまテレビで聴き、中毒のように聞いています、遅ればせながら。(アルバム VOCALIST)
 Youtube:    http://www.youtube.com/watch?v=w9bxyOGTsrI

 昔は「レコードが擦り切れるまで」聴く、と表現しましたが、今はなんと言ったらいいのでしょうね。CDは擦り切れませんから・・・・。

  

  「浦河べてるの家」のキーワードの一つが「降りてゆく生き方」。
他人と競争し、蹴落とし、自分だけが少しでもよい側に回ろうとし、右肩上がりに昇りつづけようとあがく・・・・。
  そんな生き方から「降り」て、ちがった道をたどってみないか・・・・。
ちがった道、とは、人とのつながり、地域の絆、支えあい、などなど。

 「降りてゆく生き方」と題する映画が製作されました(主演 武田鉄矢)。 各地で上映会の予定があるようです。私も見に行きたいなと思っていますが。

NHKニュースでの紹介(youtube)   
 
http://www.youtube.com/watch?v=MUG3tkKwQgQ&feature=related

映画 公式サイト
 http://www.nippon-p.org/mov.html

 『奇跡のリンゴ 〜〜「絶対不可能」を覆した農家 木村秋則の記録〜〜』
     石川拓治    著
     NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」製作班 監修
     幻冬社   2008年8月     1365円

 「浦河 べてるの家」の向谷地さんの本に紹介されていたので読みました。
 りんご農家・木村秋則さんは2006年12月、NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」で紹介されました。
  農薬も肥料も使わずにたわわにりんごを実らせる。しかもそのりんごのおいしさはたとえようもなく、しかも、二つに切った状態で2年たってもしぼむだけで腐らない・・・・
  従来の農薬頼みのりんご栽培の常識では絶対に考えられなかった農法でのりんご作りを目ざした木村さんの8年間の苦闘と、そこから導き出された農の姿、“いのち”の本質・・・。

 木村さんは言います・

「リンゴの木は、リンゴの木だけで生きているわけではない。周りの自然の中で、生かされている生き物なわけだ。人間もそうなんだよ。人間はそのことを忘れてしまって、自分独りで生きていると思っている」と。

 深く納得させられ、同時に、「でも、私には何ができるのだろう?」と、自分の生活や仕事のことを振りかえらずにはいられませんでした。

    木村さんへのインタビューや、木村さんをモデルに製作された映画「降りていく生き方」、主演の武田鉄矢がリンゴについて語っている映像などもyoutubeで配信されています。http://www.youtube.com/watch?v=20hBLoLCOMY&feature=related

  『技法以前 べてるの家のつくりかた』
      向谷地生良  医学書院(シリーズ ケアをひらく)

帯には「私は何をしてこなかったか」とあります。
読み終えて「ほーーっ」と満足のため息をついた本は久しぶりでしたし、読み終えたとたんに二回目を読んだ本は全くいつ以来かしら・・・というほど胸のすく思いの本でした。

最初のほうで「履物をそろえると心もそろう、まず形から入れ、中味はあとからついて来る」という言葉は本当か?との導入があり、さらにこのように書かれています。

 (略)ーーーー援助者として外に表された所作は、同時に私たち援助者としての内側に還流し、次なる所作を発動する基礎となっていく。当然のように、その循環の中で大切なのは、【心をそろえてから履物をそろえるのではなく、まず履物をそろえる】、という振る舞いである。

 「形から入る」とは、そのような経験の蓄積から導きだされた実践知である。
     (中略)
  先に紹介した道元の言葉の後に「誰かが乱しておいたら黙ってそろえる」という言葉が続く。周囲のご機嫌とりだとか、よい子ぶっているという批判をおそれずに、黙々と履物をそろえ続けるという所作がゆっくりと人を動かす。

 それと同じように、臨床場面で吟味された「形」が、その背後にある思想や理念をゆっくりと実質化し、現実化するのである。     

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

目次は次のようになっています。
1章  形から入れ
2章  専門家に何ができるか
3章  信じるということ
4章  「聴かない」ことの力
5章  人と問題を分ける
6章  病識より問題意識
7章  プライバシー 何が問題か
8章  質より量の“非”援助論
終章  「脳」から「農」へ
+α  「奇跡のリンゴ」の木村さんとの鼎談

私たちSTはセラピストと呼ばれる職種の常として、「何かをする人」「してあげる人」でなくてはならないという強迫観念にかられがちです。
「する」「してあげる」というのは専門家の驕り、勘違いで、実は相手の力を奪っているのではないか?
 「しない」ことの中に実は大切なことがあるのではないか?と問いかけられました。
「べてるの家」関連の本を読むときにいつも再確認させられる「ことばの力」「仲間の力」の大切さを思うと同時に、専門家としてどういう姿勢でいたらいいのか、たくさんの示唆が与えられました。

  市民公開講座 第4回 子どもの「こころ」と「からだ」の健康フォーラム

日時  平成22年5月27日(木) 18時20分ー20時30分

会場  いわき市総合保健福祉センター

内容  講演1
     「どうする?低身長  高額医療の対象となるケース」
        福島整肢療護園 小児科  吉原康先生

     講演 2
     「子どもとのよい関係〜ことばとコミュニケーション」
        子どもSTの会  言語聴覚士   中川信子
参加費 無料

定員  120名

申し込み・問い合わせ
     子どもの「こころ」と「からだ」の健康フォーラム事務局
     電話 0120−446−870
     FAX 0120−652−215

  羽田空港のJALの手荷物検査場でのこと。一番端っこの検査場から入ろうとしていたら、前に高齢のご夫婦が。ピーッと警報が鳴ったりして、ご夫婦ともにさんも二回やり直しを求められていました。でも、無事に通過。   次に私が通ろうとして、チケットをバーコードにかざしたのですが「エラー」。係りの方が「航空会社が違うので、目で確認させていただきます」と言います。よく分からないけど「はい」と返事。よく見ると、確かにバーコード読み取り機はANAのものでした。(羽田の場合、原則として第一ターミナルはJALとその系列  第二ターミナルはANAとその系列。でも例外もある)

  つまり上記、係員の兄ちゃんが言った「航空会社が違うので」は「このゲートの機械はJALのチケットを読み取れないので」の意味。「目で確認させていただきます」は「(人間の目で)確認させていただきます」の意味。やっと納得。

 その後、歩く歩道で先ほどのご夫婦に追いついたところ、奥さんの方が言っていました。「あの人、目で確認する、って言ってたけど、じーっと目を見ると、何か分かるのかねぇ?」  なーるほど。そういう考え方もあったのね。

 日本赤ちゃん学会の第10回学術集会が開かれます。 日時  2010年6月12日(土) 13日(日)

会場  東京大学本郷キャンパス

参加費  事前受付 5000円  当日受付 6000円

シンポジウム 1 脳の進化と発達

シンポジウム 2 NICUから地域へ〜〜早産児の発達支援〜〜

公開シンポジウム 赤ちゃんが育つ場・赤ちゃんが育む場

日本赤ちゃん学会ホームページ 及び 大会ホームページをご参照ください。

 更新をすっかりサボっておりましたが、病気だったわけではありません。 新居の片付けの続きをしたり、仕事場として使っていたアパートを引き払うことにしたので(新居に個室ができたので)4月後半から連休いっぱいは奮闘しておりました。

私には分類大好きの“特性”があるので、運び込んだ本を分野別に並べ替えるのに、とても時間がかかったのでした。

自宅が仕事場兼用になるということは、便利な反面、仕事と生活の境目がなくなるのが、ちょっと気がかりです。
 というのも・・・・・・
 仕事場に置いていた本のいろいろも、自室の自分のすぐそばに並べました。「べてるの家」をめぐるさまざまな本や、読みかけの本などをかなり読みました。ただでさえ、原稿が遅れがちなのに、「読むべき本より読みたい本を!」に伴ってさらにひどくなりそうです。

 そうそう超!大型の絵本「秘密のノーム」(サンリオ)や、同じく大型本「イーハトヴ詩画集  雲の信号」(偕成社)なども、本棚に並べてエツに入っています。

 本はいいですねぇ〜。

 

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「そらとも」は「この空のもと、いたるところに、志を同じくする友あり」という意味です。

疲れて、ひとりぽっちと思えるときには、空を見あげ、胸いっぱいに元気を補給しましょう。
その曲がり角の先には、きっと新しい出会いと、すばらしいできごとが待っています。

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