ここは中川信子のホームページです。ことばの発達や障害について、
また、言語聴覚士に関連するさまざまな情報を配信していく予定です。

「そらとも」は「この空のもと、いたるところに、志を同じくする友あり」という意味です。
疲れて、ひとりぽっちと思えるときには、空を見あげ、胸いっぱいに元気を補給しましょう。
その曲がり角の先には、きっと新しい出会いと、すばらしいできごとが待っています。

  11月19日に、大学の時の教育心理学科の同期生が集まって懇親会をやりました。卒業以来、38年ぶりに会う人もいました。  
  今年の9月ころに、「東京大学教育学部創立60周年記念祝賀会を行います」との案内が送られてきました。出席する気もないので、その辺にほってあったのですが、10月に入ってから、九州に住む同期生のUさんから「その日に集まれる人だけでも集まりませんか?」というメールが来ました。
 「集まれる人だけ、たとえ3人でも集まろう」と始まったこの話、とてもマメなUさんが、一人ずつ、一人ずつつてをたどって、同期生の連絡先を掘り起こし、最終的には15人(男10人 女5人)いた同期生のうちの14人の住所と連絡先が判明。11月19日の懇親会当日は、15人のうち9人(男6人 女3人。学科の男女比とちょうど同じ!)が参加しました。中には関西での仕事を切り上げて駆けつけた人もいました。

  会ったとたんにニックネームが飛び出し、40年前にタイムスリップしたようでした。 私たちは、ちょうど、東大闘争さなかに駒場(教養学部)にいた学年です。長期ストライキのおかげで卒業が6月30日でした。「(卒業式を行うはずの安田講堂が壊れていたため)学部の教室で卒業証書をもらったよなぁ」とか、「(就職活動のときに)履歴書に6月卒業と書いたらとてもけげんな顔をされた」とか、「当時出始めたばかりの脳波の実験台にされたが、針を刺されるのがチクリと痛かった」とか、思い出話に花が咲きました。

 大学の先生をやってる人、特別支援教育にかかわっている人、天下りで話題沸騰の役所に長年勤めた人、マスコミ世界に身をおいた人、幼児教育にかかわっている人など、各自の近況報告を聞きながら、みんなそれぞれに、誠実な人生を歩んできたのだなぁ、という感慨を覚えて、胸が熱くなりました。
   東京大学に教育学部があり、付属学校(中高一貫校)がある、ってことは、あまり知られていないことだと思います。(東大付属は、双生児研究では有名ですが、決して有名な受験校ではありませんし。)教育学部創設の「こころざし」と「思い」については、同期生懇親会に先立つ創立記念式典でも話されました。
  私は日ごろ、東京大学の卒業生であることには、それほどの感慨はありませんが、東大教育学部の卒業生であることには大きな誇りを持っています。「一人一人を大切にする教育とは何か?」ということをストレートに追い求める教育と研究があの学部にはあったし、今もあるから、と思っています。小さな学部の中の一学年15人の小さな学科で、私たちは大切に育ててもらった、そして、育ち合った・・・とあらてめて思いました。

  「5年後にまた集まろうな!」「5年後にね!」と約束して、4時間あまり長居した居酒屋をあとにしました。一人だけ消息の分からない旧姓Oさんも5年後には集まれるといいな、と思います。

    国土交通省(総合政策局 安心生活政策課)が作成したハンドブックを、先月の、特別支援教育巡回専門相談の時に、特別支援学校(旧・養護学校)の先生に一部いただきました。
  鉄道の駅員さんやバスの運転手さんなどに広く知ってもらおうと作られたそうで、国土交通省のHPからダウンロードできます。さし絵にも運転手さんや駅員さんたちが出てきます。
「知的障害、発達障害、精神障害のある方との コミュニケーションハンドブック」

 ハンドブックの表紙にはこう書いてあります。

      「ハンドブックの使い方」
―――本ハンドブックは、公共交通機関、公共施設、商業施設などの建築物、公園や駐車場などで利用者に接する方々が、知的障害、発達障害、精神障害のある利用者の困難さを理解し、状況に応じて、適切な対応をするためのポイントを記載した参考書です。ーーーー

  このハンドブックのこと、先日の「子どもの発達支援を考えるSTの会」第8回研修会の折に、厚生労働省の日詰さんからも紹介されました。

社会の理解は、こうやって一歩ずつ進んで行くんだな、とうれしくなります (*^。^*)

   「グリーフケア」、聞いたこと、おありでしょうか? チラシをいただきましたので、掲載します。
 

<第3回東アジアグリーフケアセミナー>−アジアにおける家族のグリーフケア−
  〜私たちには大切なものがあります。家族であったり、思想であったり、夢であったり・・・。
それは人を根底から支える、いのちに等しいものです。
ご家族をなくす経験をされた方は、癒しがたいいのちの喪失を経験されます。
喪失に伴う悲しみはグリーフと称されます。
このセミナーは、東アジアという視野で大切ないのちを喪失した方のグリーフとそのケアについて、皆様と共に学び、感じ、歩むことを目指しています。〜


○日時:2009.12.12(土)〜13(日)
○会場:北九州市立男女共同参画センター「ムーブ」 ℡093-583-3939

○講師・シンポジストは: 仁志田博司(東京女子医大名誉教授・新生児科)、朴華文(韓国)、竹内正人(産科医)  中込さと子〔看護)、柳田邦男(ノンフィクション作家) など

詳細なプログラムは「星の会  子どもを亡くした親と家族を支える会」HPに掲載されています。

http://www7b.biglobe.ne.jp/hoshinotsudoi/8_eagcs.html

  全国的に新型インフルエンザの流行が続いているようですね。 狛江市内もごたぶんにもれず、一時治まりかけたかに見えて、まだまだ続いています。

  先日、道で、ばったりお母さんにお会いしました。   特別支援学級(固定制の)に通っているお子さんのお母さんです。

  「インフルエンザは大丈夫ですか?」と言ったら、「うちの学級(特別支援学級)は、誰もかからないんですよ。」とのこと。
  「日ごろ、体を鍛えてるせいですかね。よかったですね」と私が言うと、お母さんいわく「いやあ、そうとばかりも言えなくて・・・・。(固定級が設置されている)学校自体では、学年閉鎖とか学級閉鎖とか続いてるのに、うちの子のクラス(固定級)だけ休みの子がひとりもいないってのも、母としてはビミョーな感じなんですよね・・・。」と。
  私は思わず、「ああ、そうかー。そういうことも、ありますよね」と言いました。

 「みんな」の中では、はやっているのに、うちの子のクラスでは、はやらないということ。ある意味、望ましいはずの事態が、かえって疎外感というか、違和感になることもあるんだな、と。

 また一つ、お母さんの気持ちを教えてもらいました。

  今年度も、「発達障害者施策検討会」が厚生労働省で開催されています。
  私も構成員の一員として各都府県が展開しているモデル事業についての意見を述べたり、発達障害情報センターの情報発信について意見を述べたり、という機会を与えられています。
  先日、11月2日にも、中間報告会が開かれました。それに向けての資料の取りまとめ、印刷、委員や関係先への発送、など、なかなか目に見えないところでの、事務を担当する方たちのご尽力には頭が下がります。

  上記発達障害者施策検討会は、20年8月29日付けで「発達障害者支援の推進について」という報告書を出し、大まかな方向を打ち出しています。
       (「発達障害者施策検討会」で検索すると資料が出てきます。)

  各都府県の代表者がわざわざ東京まで出てきて、検討会に進捗状況を報告し、検討会構成員の意見を受けて事業の手直しをするなど、精力的な取り組みがなされています。

 法律ができるだけはできたけど、実効が伴わない、といわれ続けて来た(それはほんとのことですが)「発達障害」のある人たちへの支援が、一歩ずつ、一歩ずつ前進していることを実感します。

  みなさん、さらに、がんばりましょう。

  それと共に、昨今の流れとして、「ハッタツショーガイ」への取り組みばかりが強調されて、知的障害やその他の障害の人たちをないがしろにするような風潮も感じないではありません。(もちろん、今まで日が当たっていなかった分を、一挙に取り戻そうとしているので、相対的にマスコミ等に取り上げられることが多い、ということはあるのかもしれませんが・・・・)

  「早期療育」「健診後の相談」という現場にいれば、さまざまな障害のお子さんが従来と変わらず通ってくるので、全方位へのセンスを失うことはありえませんが、会議や、本の中ばかりで考えると、視点がすっかり偏ってしまう危険もないではないような気がします。   三木先生に「一番障害の重い人と付き合うことで、一番大事なことを学ぶことができる」とおっしゃっていたことを思い出します。

   ハッタツショーガイを押し立てて進む、ことを当面大事にする必要はあるでしょうが、究極的には「すべての子どもに光の当たるような社会と施策」が目指されなければならないと思っています。

 昨今は、「発達障害」関連の本があふれかえっていますが、杉山先生の本は、それらの中でも先頭を走る本だと思います。  時間がないので、詳しく感動をお伝えすることはできませんが、今回の「講座 子どもの心療科」もすごかったです。

 地域で「ことば」を入り口とする「相談」という看板を出してお店を広げていると、実にいろんなお子さんにお会いします。いわゆる「発達障害」や「発達障害(疑い)」ではとうていくくることのできないいろんなお子さんと親ごさんたち・・・・・。

  (ちなみに、私は個人的には「発達障害の疑い」ということばが大嫌いです。「かもしれない」「案ずる」「心配」という意味を表わすだけでいいのに、なぜ「疑い」と悪者扱いされなくてはならないのでしょうか・・・)

   この本は、地域で「支援」にあたる、すべての方に読んで、知っていただきたいと思います。

 内容の一部紹介

◆心療科で出会う発達障害   

発達障害の理解と対応;    
発達障害の診断と鑑別; 
発達障害の治療とフォローアップ;   
広汎性発達障害の子どもと関係を築くコツ;     
発達障害の薬物療法;   
発達障害児の示す問題行動の理解と対応;      

◆ 心療科で出会う情緒障害   
小児心身症への対応;摂食障害の理解と対応;    
摂食障害の心理治療;子ども虐待への対応;    
性的虐待を受けた子どもへの対応と支援;    
不登校をめぐって;不登校への対応;

◆心療科をめぐって   
心療科の入院治療;    
心療科に関連した福祉制度

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疲れて、ひとりぽっちと思えるときには、空を見あげ、胸いっぱいに元気を補給しましょう。
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