ここは中川信子のホームページです。ことばの発達や障害について、
また、言語聴覚士に関連するさまざまな情報を配信していく予定です。

「そらとも」は「この空のもと、いたるところに、志を同じくする友あり」という意味です。
疲れて、ひとりぽっちと思えるときには、空を見あげ、胸いっぱいに元気を補給しましょう。
その曲がり角の先には、きっと新しい出会いと、すばらしいできごとが待っています。

  急遽、家を建て替えることになり、昨日(7月17日)に引っ越しました。本宅(?)からほんの100メートルほどのところにあるアパートを借りたのですが、いくら距離が近くても、引っ越しは引っ越しです。洗濯かごも、トースターも何もかも、いったんダンボールにつめて運び、着いた先で箱から出すという作業を省略することはできませんでした・・・・。ふぅ。

   運送を業とする方たちの手際のよさと、力持ち加減には、驚嘆しました。私たちがウンウンいってつめたダンボールや重い家具をこともなげにひょいひょい運んでくれました。本をつめてずっしり重いダンボール箱を、なんと、二つまとめて運ぶ姿にはびっくりでした・・・。

  さて、新宅のほうは何がどこにあるんだか、そもそも、運んできたのかどうかも定かではなく、旧宅のほうは、ドロボーが入ったあとのように散らかっており、寄る辺ないというか、頼りないというか、しばらくはふわふわした気持ちで過ごすことになりそうです。   どこに何があるか、分からない、覚えてない、探せない・・・・・って、ある種の発達障害の要素を持つ人たちの気分と、似ているのかもしれないな、って思っています。

   引っ越しのメリットは、「ふぅ、疲れた」「暑い(-_-;)」とか言っていられずにやむなくかいがいしく働いたため、日ごろの肩こりが軽快した(!!)という点です。やっぱり運動不足だったみたいです。

 NPO法人「ことのはサポート」は、「ことばの遅い子への支援」をキーワードにしたNPOです。   柳田節子さんが中心になって立ち上げました。もともとは、保護者のみの集まりでしたが、言語聴覚士とのコラボレーションをめざして、NPO法人になり、その際、私が副理事長を拝命しました。   

 柳田さんとは、最初から「ツーカーの仲」で、あれこれ相談されたり、逆にこちらが支えられたり、という関係です。

 「全国津々浦々に、ことばや発達のことを、気軽に相談できる相談室を作りたい!」というのがかかげた夢の一つなのですが、なかなか、実践的にお手伝いできずにいます。
  今は、江戸川に一つ「リジョイス」という相談室があります。
   http://www.ab.auone-net.jp/~kotosupp/sub3.html

    このほど(と言っても、もう1ヶ月以上前ですが)ホームページとブログ版とがリニューアルされました。柳田さんが作ったものです。柳田さんは、驚くほど多芸多才で、いろんなことをあっというまにこともなげにやってしまうので驚きます。 

    NPO法人「ことのはサポート」HP
    http://www.ab.auone-net.jp/~kotosupp/index.html

   「ことのはサポート ブログ版」
  http://blogs.dion.ne.jp/kotonoha_fight/

 関連する本   
 「うちの子、ことばが遅いのかな・・・・・」(言の葉通信)ぶどう社
 「ことばの遅い子、学校へゆく」     (言の葉通信) ぶどう社
 「こうた もどっておいで」         (柳田節子)  リフレ出版
  以上3冊については
    http://www.ab.auone-net.jp/~kotosupp/sub5.html
    をご参照ください。

 『三木安正著作集 全7巻』
       学術出版会   全巻で 90300円

 http://www.gaku-jutsu.co.jp/pages/user/search/?keyword=%8EO%96%D8%88%C0%90%B3&blog_id=344787

 私が「親分」とあおぐ、故・三木安正先生の全集です。
 三木先生は日本の幼児教育、知的障害児の教育の基礎をきずいた大きな人の一人です。
 復刻版なので、読みにくいところもあり、また、値段も高い(!!!)のですが、財布をはたいてさっそく買い込み、本棚の一番大切な本を置く場所におさめました。

  「精神薄弱教育の研究」(昭和44年、日本文化科学社 現在は絶版)も、二分冊になって収められています。上記の本は、広辞苑くらいの厚さがあるので、先生はつねづね「昼寝枕」と呼んでいました。「こんなに厚い本を読むヤツはいないよ!」って。

  脳科学とやらが進歩し、発達障害ばやりの今日このごろですし、その恩恵は決して否定すべきものだとは思いませんが、障害のある子どもたちに対してほとんど何の手立てもなかったころ、「この子らの育ちにとって、どういうかかわりが望ましいのか」を実証的に考え続けた先生の足跡は、とても大きいと思います。また、今こそ、理念問題に立ち返りながら目の前の問題を考えて行かなければ、特別支援教育が上すべりのものになってしまいそうで、ちょっと気がかりです。

『ディスレクシアでも大丈夫
  読み書きの困難とステキな可能性』
            藤堂栄子 ぶどう社

 http://www.budousha.co.jp/booklist/book/dhisure.htm

ディスレクシアとは「読み書き障害」のことです。知的な障害があるわけではないのになかなか文字を覚えない、書けるようにならない、ひどく字が汚い、本を読むときに読み間違いが多い、行の読みとばし、テニオハの間違い・・・・など、「あれ?」と思われる子の中にはこのディスレクシアの子が混じっている可能性があります。
    ディスレクシアは、言語聴覚士にとっては、あまり珍しいことではありません。ディスレクシアは失語症の周辺ではよく見られ、脳のどこかにうまく行かないところがあると、おきる状態だからです。

 それにしても・・・・・・ディスレクシアとわかったら「おめでとう! いろいろな支援が受けられるよ」と言ってもらえるイギリスと、いじめや叱責の対象になってしまう日本と、症状の現れ方は同じでも、扱われ方の違いには、ほんとに、悲しくなってしまいます。

 あと5年、10年たったら、日本も。藤堂さんの息子さんがイギリスで言われたように「君はディスレクシアだから、そんなにステキなんだね!」と言ってもらえるようになっているといいな、と思いつつ。

 『発達障害  境界に立つ若者たち』
       山下成司 平凡社新書  740円+税

 2009年6月15日発売の新書です。

「はじめに」から   「障害とは親も本人も認めたくはない。でも学校の授業はちんぷんかんぷん・・・・。勉強が嫌いだから、怠けているからできないのだと、周囲からも言われ続けることで、本人は自信を失い、つらい思いをすることになります・・・・・(中略)  健常者と障害者のボーダーにいるような、いわゆる「はざまの子=境界児」と呼ばれる子どもたちです」

  著者は、こういう「はざまの子」を受け入れるA学院という小さな学校に、ひょんなことから美術の講師として採用され、生徒たちと18年間かかわり、教員にありがちな“上から目線”ではなく、生徒といっしょに考え悩みながら過ごしました。
  この本は、著者がかかわったA学院のことと、かかわった生徒たちがインタビューに答えて話してくれた今までのこと、から成り立っています。

 高校生、社会人になった「はざまの子どもたち」に接したことのない方には、ぜひとも読んでいただきたい本です。
  早い時期から、その子の特性に合わせた支援を受けて育つことがなぜ、大切なのか、また、たとえ、高校生年齢になってからでも、ちゃんと理解し受けとめてくれる人に出会えれば、そこからでもやり直しができることもある・・・・など、いろいろなことが学べると思います。

  友人から教えてもらった情報です。

東京大学病院の「こころの発達診療部」主催のオープンセミナー(無料)が開かれるそうです。

テーマは「発達障害と子育て支援」です。 詳細は以下をごらんください。HPから申し込めます。

「こころの発達」臨床教育センター オープンセミナー

     「こころの発達診療部」のご案内は以下の通りです。http://kokoro.umin.jp/

 私が書く原稿に添えられている、林やよいさんのカットは、ファンがとても多いようです。
『1,2,3歳ことばの遅い子』(ぶどう社)や、
月刊地域保健』(長期!)連載の中の「いまどき子育てアドバイス」、
家族計画協会から出ている『ことばが伸びるじょうずな子育て』『発音がはっきりしないとき』などです。
  かわいらしい、くっきりした線で描かれた子どもと、きっぱりした印象のお母さんの姿。表情豊かでずっと見ていてもあきません。

  このカットを描いて下さっている林やよいさんは伊丹市在住です。
『1,2、3歳ことばの遅い子』を作っていたときに、ぶどう社の市毛さんが紹介してくださり、「ぜったい、この絵がいい!」と飛びついて、それ以来のお付き合いです。
 
  林さんに原稿を送信して「このあたりを絵にできますか?」というと、そのものぴたりというか、120%以上のイメージの絵が戻ってきます。
 「腹心の友」といいますが、お腹の中も、心の中も何かの回路でつながっているとしか思えない、不思議な関係です。

  毎日新聞(関西)には4コマ漫画「くるまいすまいる」を連載しておられ、こちらでもファンがとても多いみたいです。東京では読めないので、残念です。

  伊丹のサイト「いたみん」に林さんのインタビュー記事が載っています。
    http://itami-city.jp/mp/cafetime_itami/?sid=899

 林さん、今後ともよろしく!!!!

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