ここは中川信子のホームページです。ことばの発達や障害について、
また、言語聴覚士に関連するさまざまな情報を配信していく予定です。

「そらとも」は「この空のもと、いたるところに、志を同じくする友あり」という意味です。
疲れて、ひとりぽっちと思えるときには、空を見あげ、胸いっぱいに元気を補給しましょう。
その曲がり角の先には、きっと新しい出会いと、すばらしいできごとが待っています。

  小児保健協会発行の「小児保健研究」2009年 2号に掲載されている報告です。
「子どもの生活リズム改善の取り組み  
        生活リズム調査がもたらす養育者の行動変容に関する考察」

  論文の要旨は以下のとおりです。
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 適切な生活習慣(早起き早寝、朝型)がヒトの健全な生活には不可欠な要素であることを最新の脳科学の進歩が教えているが、子どもたちの生活習慣に大きな影響を与える養育者自身の行動変容がなかなか進まない実態がある。

われわれは子どもの生活リズム改善の取り組みとして、生活リズム調査を実施。その結果を養育者と共有することにより、養育者に行動変容がもたらされ、その変容が継続していることを知った。

今後各地で同様の取り組みの応用と発展が進み、こどもたちの生活環境が適切になることを期待したい。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

  この報告のもとになった調査では「アクチウォッチ」という機器を利用したことが特徴です。  「アクチウォッチ」は腕時計くらいの大きさで、加速度計と記憶装置を内蔵し、装着した人の活動量を一定時間記録し、解析ソフトによって図示できる機器です。

 この機器を返却するときに、養育者による観察記録と、機器による記録とを即座に比較し、養育者と著者らが議論・共有することを試みたそうです。

 この「アクチウォッチ」というなじみのないデバイスへの興味が調査への関心を高めたことはもちろんですが、この調査に参加することで養育者が自分の生活リズムを客観的に振り返ることができました。

 「生活リズムが整うと、子育てがラクになると思いますか?」という質問に対しては100%の参加者が「そう思う」と答えただけでなく、90%の参加者が調査終了後も「生活リズムを意識するようになった」と答えたとのこと。  健診後のフォローの場などでは子どもの生活リズムの改善をお話ししても、ほとんど改善していただけないのが実情なので、このやり方は魅力的だと思いました。

 報告の別刷りは以下でお頒けいただけるそうです。

  神山潤  115−0053  東京都北区赤羽台4−17−56
         東京北社会保険病院
     電話    03−5963−3311
     ファックス 03−5963−6678

    なお、神山潤先生が主宰される「子どもの早起きをすすめる会」のHPは以下のとおりです。http://www.hayaoki.jp/

富山大学の大規模調査(富山スタディ)の結果も上記サイトからダウンロードできます。 関根道和先生による「富山スタディからみた子どもの睡眠習慣と健康ーーー寝ぬ子は太る」です。

日本赤ちゃん学会の第9回学術集会が開かれます。

 日時  平成21年5月16日(土)  17日(日)

会場  滋賀県立大学(滋賀県彦根市)

テーマ 地域で育む赤ちゃん学ーいのちの始まりと育ちを支える科学

 シンポジウムが3つ、自主ラウンドテーブルが4つ組まれています。いずれも大変興味深いものばかり・・・・。

詳細は http://www.crn.or.jp/LABO/BABY/SCIENCE/index.html
をご参照ください。

平成21年6月21日に開かれる第26回小児保健セミナー(主催:社団法人 日本小児保健協会)のテーマは「乳幼児健診とその周辺 --今知っておきたいこと」です。  

 私にもお声かけいただいたので、ご高名な先生方に混じり、「乳幼児健診とことばの遅れの見方」と称して、40分ほど、お話をさせていただくことになりました。   健診には長くかかわってきたものの、実は知らないことだらけなので、他の先生方のお話を聞くのが楽しみです。

詳細は以下に掲載されていますのでご参照ください。
http://www.jschild.or.jp/aca/s_0906_1.html

◇『ゆるゆるスローなべてるの家』刊行記念トークイベント◇

「強さ」から「弱さ」へ。「上る」から「降りる」へ。精神障害をかかえた人
びとが共同生活を送る「べてるの家」の向谷地生良氏と、スローライフの提唱
者・辻信一氏による、ゆるゆる「生」トークです。

■日時:4月24日(金) 19:00〜21:00

■会場:善了寺本堂(横浜市戸塚区。JR戸塚駅・東口より徒歩5分)

■お話:向谷地生良(「べてるの家」理事、北海道医療大学教授)

■聞き手:辻信一(文化人類学者、環境運動家)

■参加費:1,500円(『ゆるゆるスローなべてるの家』1冊+ワンドリンクつき)
   または500円(本なし、ワンドリンク・資料つき)

■参加方法:ゆっくり堂へ、メールかお電話でお申し込みください。

■お問合せ:ゆっくり堂 info@sloth.gr.jp  03-3638-0534

◎詳しくはこちらへ↓http://ameblo.jp/cafedelaterra/entry-10243882735.html

  高次脳機能障害はいずれもつらい障害ですが、失語症は、中でも人間の尊厳にかかわる重大な障害です。失語症者は、いち早く「失語症友の会」という当事者グループをつくり、「一緒によくなりましょう」を合言葉に励まし合って進んできました。STも会の運営に大きな役割を果たしてきました。

  今年の10月、東京で「第6回失語症者のつどい in 首都圏」が開かれます。

日時  2009年10月3日(土) 10時ー16時

会場  武蔵野市民文化会館大ホール

主なプログラム  失語症者と家族の体験発表
           多田富雄先生、太田仁史先生の講演 等
参加費  1500円(お弁当は要予約700円)
事務局・問い合わせ先  パソコン工房ゆずりは
          (失語症者の共同作業所)

    168-0082   東京都杉並区久我山4-38-10
       電話・ファックス  03−3247−6381
    メール    p-yuzu@agate.plala.or.jp

なお、財政難のため、賛助会員をお願いしています。
一口2000円で賛助会員になってください。
 振替口座  記号  00130
         番号  334133
         口座名 ゆずりは賛助会

 ゆずりは賛助会責任者 遠藤尚志さんから(ST養成校の同級生です)

  グローバルスポーツアライアンス(GSA)というNPO法人は「エコプレーの実践を呼びかけるスポーツ愛好家の世界的ネットワーク」だそうです。http://www.gsa.or.jp/

  この活動の中に「スポーツエコネット」があり、スポーツ用品の3R(リデュース・リユース・リサイクル)を行っています。その活動の一環としての中古テニスボールを希望する学校に送ってくれる取り組みがあります。テニスボールを何に使うのか? 不思議でしょ?

  学校で使う机やイスの脚に取り付けます。すると、教室のガタガタいう音がとても静かになり、勉強に集中しやすくなるのです。
   音が気にならない人には全く気にならない教室の騒音ですが、どうしても気になってしまう「脳のタイプ」を持っている子ども(おとなも)にとっては、机やイスの音が静かになると、とっても助かるものです。また、それ以外の「定型発達」の子どもたちも助かります。
  スポーツエコネットhttp://sports-eco.net/  のページには、中古テニスボールをとりつけた 学校からの声がたくさん掲載されています。たかがボール、されどボール、です。申し込み方も書いてあります。

  ある学校では、最初、落ち着きのない子が通う通級学級で机につけたところ、大変いい感じだったので、全校でテニスボールをつけることになりました。硬式のテニスボールに切り込みを入れるのは結構大変な作業なので、PTAと「おやじの会」が協力して手際よく仕上げ、終わったあとのビール会で(いつも以上に)親睦が深まったそうです。一石何鳥だったのかな?

   「子どもたちのために」って協力する保護者や地域の大人の姿、ってカッコいいですよね?

 「べてるの家」は、北海道・浦河を拠点として活動する、精神障害のある人たちの集まりです。そのユニークな発想と果敢な「商売」で、全国にたくさんの支持者、いや、信奉者を生み出しています。信奉者のことを「べてらー」と呼ぶそうです。私もべてらーの一人です。
 べてるの家情報サイト「べてるねっと」もあります。

「べてるの家」に関してはいろいろな本が出ています。

「べてるの家の非援助論ーーそのままでいいと思えるための25章」
「べてるの家の当事者研究」          (以上  医学書院) 
「降りていく生き方ーーべてるの家が歩むもう一つの道」
                      (横川和夫 太郎次郎社)
「悩む力ーーべてるの家の人々」 (斉藤道雄  みすず書房)など。

また「寄る辺なき時代の希望ーー人は死ぬのになぜ生きるのか」   (田口ランディ   春秋社)の中の一章にも取り上げられています。

それらの本のいずれも魅力的でしたが、今回の「ゆるゆるスローなべてるの家」はそれらに輪をかけて、来るべき時代の価値観とでも言うべきものに、しっかり踏み込んだ読み応えのある本です。
読み終わってすぐに2回目を読む、なんて、本当に久しぶりでした。

「苦労を奪わない」
「弱さを絆に」      「弱さによって人とつながる」
「足りないことが大事」
「病気で幸せ。治りませんように」
「失敗が失敗のままで収穫をもたらし、弱みが弱みのままで強みとなる可能性を帯びた場所」

などなど、忘れがたいことばがあちこちに見つかります。

 「なぜ?」「どうして?」と、答えのない問いを自分に突きつけ、苦しくなってばかりの人もいるでしょう。若いころ、私もそうでした。
この本はそんな方に、一つのヒントを与えてくれると思います。
答えは「みんなで」の中にある、というヒントを。

     昨日(4月4日)、寝る前になんとなくテレビのスイッチを入れると、NHKで「拝啓 旅立つ君へ〜アンジェラアキと2000通の手紙」の再放送をしていました。http://www.nhk.or.jp/ncon/pr_info/02.html 
昨年のNHK全国中学校合唱コンクール課題曲「手紙〜拝啓15歳の君へ」をめぐる全国の中学生と作曲者アンジェラアキの交流を描いたもので、ついつい最後まで(深夜の2時37分まで!)見てしまいました。

  この「手紙」は、25歳になった「僕」と15歳の「僕」との間の手紙、という内容。このブログでも昨年末にコメント欄で紹介して下さった方がありました。
試聴できます
合唱版   ⇒ http://www.nhk.or.jp/ncon/arch_letter/index.html
アンジェラアキ⇒http://douyou1001.seesaa.net/article/115601960.html

 歌詞の中にあるフレーズ
「自分とは何でどこへ向かうべきか 問い続ければ見えてくる」
「人生の全てに意味があるから 恐れずにあなたの夢を育てて」
「いつの時代も悲しみを避けては通れないけれど 笑顔を見せて今を生きていこう」
は、障害や病気という予想外の困難に直面して悩み、混乱している人たちのすべてに、(そして、自分にも)私が贈りたいと常日頃思っていることと重なることばでもあります。

  番組の中で、コンクールに向けて、この歌を何回も何回も歌うことを通じて、また、問題にしっかり直面しながらくぐりぬける中で、歌詞のことばが自分の中にしみこみ、自分自身のものとなり、苦しい現実を超えてゆく力を得た中学生たちの姿がありました。
  あらためて、音楽の力、ことばの力ってすごいなぁ、と思い、「ことば」にかかわる仕事をしていることのしあわせを思いました。 

 見終えて寝ようとしたら「今夜はナマラナイト」http://www.nhk.or.jp/namara/という山形弁全開の番組(再放送)が始まり、これまたえらく面白かったもので、寝たのが4時近く! 昨日は一日眠くて眠くて。たまらず昼寝しました・・・。ひとさまには、「早寝早起きがすべての基本です!」なんて言うくせに・・・・・・・・・

   「言語聴覚士のための言語発達障害学」 
       大石敬子・石田宏代編集
       医歯薬出版株式会社 2008年3月刊

   言語聴覚士養成校の学生を念頭においた教科書シリーズの中の一冊です。4400円+税と値は張りますが、言語発達障害を概観するには適した本です。

   周辺分野の方たちが、ST(言語聴覚士)って、子どもをどういうふうにとらえるの? ことばの発達をどう考えるの?ということを知りたい時の助けになるでしょう。

  1 言語発達障害とは
  2 正常言語発達
   3  発達障害学
   4  評価
  5 支援
 に分かれており、「5  支援」に多くの紙数がさかれているのも、セラピストならではの視点だと言えるでしょう。
不肖ナカガワも「5 支援」の章の中で「家族支援」の部分を分担執筆しています。

本全体の印象は、もちろん専門書ではありますが、発達障害系の本を読みなれている保護者の方には、決して難解ではないと思います。

  狛江の我が家のそば、「六郷さくら通り」は、以前は「福祉会館通り」と呼ばれていました。(Wikipediaにもそのいきさつが出ています)
  福祉会館は、今は建て替えられて、福祉・保健の拠点「あいとぴあセンター」になり、私も、時たま?たびたび?出没しています!  職住近接を地で行くほどの近さです。

  このあたりには、その昔、新宿区の学校の生徒が夏に宿泊学習をする施設があったというから驚きます。え? 狛江って、わざわざ林間学校(いや、川間学校?)に来るような場所だったのか、と。

  六郷さくら通りの、多摩川住宅の中の通りの桜は、それはそれは見事です。満開の時期には、あまりの美しさについ気をとられがちなので、運転するには危険かもしれません・・・・・・。

  この桜、今年は花冷えとかで、咲きそうでいて、まだ満開にはなっていません。
できることなら、週明けまで持ちこたえてほしいものです。そのためなら寒いのはガマンしてもいいです。なぜなら、来週月曜4月6日が市内の小学校の入学式だから。

     一昨年でしたか、入学式に行ったところ、校長先生が本当にうれしそうに満面の笑み。「桜が満開でよかった、うれしい、子どもたちをこの満開の桜で、迎えてあげたかった!」とおっしゃっていました。桜の開花の一日一日をこういう気持ちではらはらしながら見ている人がいるのだな、と知ったその翌年からの桜は、またちがった美しさを私に伝えてくれるようになりました。 

  先生方への辞令交付に伴う諸儀式も終わり、新入生、新学年を迎える準備で、日本中の学校はとても忙しい時期だと思います。入学式の日に新入生に渡す交通安全の黄色いランドセルカバーや黄色い帽子を、学校ごとの新入生数にあわせて数えている人も、全国にいるのでしょう。

  いろいろなものを見て、その裏にいる人たちの力を感じられるようになったのも、年を取ったおかげの楽しさかな、と思っています。
   

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「そらとも」は「この空のもと、いたるところに、志を同じくする友あり」という意味です。

疲れて、ひとりぽっちと思えるときには、空を見あげ、胸いっぱいに元気を補給しましょう。
その曲がり角の先には、きっと新しい出会いと、すばらしいできごとが待っています。

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