いろいろできるのだけれども、自分ができないかもしれないと自信がない。
この人のようなのが、まさに自閉症です。こういう方がうちにはいっぱい来てます。
本当は、とっても頭がいいんです。でも、緊張が強くて言葉もスムーズに出ないし、行動面でもいろいろある。
混乱がある。手先もうまくいかなかったりする。でも、緊張をとれば解決します。
(AAに)
ね、緊張をとって、もっと楽になろうね。そうしたら大丈夫だから」
それを聞いていたAAが面白かったです。
先生の話を聞いてないようなそぶりなのですが、どうも聞いているみたいで、「大丈夫だからね」、といわれて、ぱあ〜っとニッコリしていました。
医院に行く途中では不安で泣きそうな顔をしていたのに、先生に会ったとたん、普通の表情になり、診察室で椅子にこしかけている間、今思えば不思議なくらい長い時間、のんびりと座っていて、退屈そうでもなく、落ち着かなくもなく、実に“まったり”していました。
後半は先生の言葉にあわせてニッ・・・ニコニコ・・・・ふふふ・・・・と笑っているのです。
なんか、相当分かっているような感じ・・・・・で、安心したようにぼんやりして、リラックスしてあくびをはじめ、ぼんやり、おっとりとしていたのです。
何?これ、と言う感じ・・・・
だって、リラックスするという薬は、まだぜんぜん飲んでないのに(笑)
AAはトイレに行きたくなり、帰宅後もまたトイレ、その後少し昼寝して、またトイレ・・・・と、なんだか、顔つきもむくみがとれたような?すっきりした感じ。
でも、まだ薬はのんでないのです!! 先生に会っただけです。
でも、「ああ、これで万事大丈夫」、というような顔で、ゆったりしています。
これってどういうこと・・・・(笑)
薬の効果などはまだわかりません。
でも、AAは先生のことは好きなようです。
というわけで、飯田先生はごく普通の方でした。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜受診の翌日〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
受診したとき、飯田先生に「粉薬飲めますか?」と聞かれました。
AAは錠剤は大丈夫なのですが、中二くらいのときに漢方を試して、シロップで溶いたりしても、半分くらいで「げえ・・・」といって、なかなか飲みにくかった経験があるので、「どうかわからないのですが、なんとか飲ませます」といって来ました。
先生は、「大柴胡湯が錠剤なので、粉の方は飲めなくてもまあ、大丈夫ですから、二週間分出しておきますね。どうしてもダメなら電話してください」といわれました。
AAは、このやりとりをよ〜〜〜〜く聞いていたらしく、帰宅してから、薬を飲ませようとすると、さっさと粉から飲んだのです・・・・(一応、お湯にといて、砂糖を少しまぜましたが、私は味見して、まずいっ・・・と思った)
今朝は、容器についている粉をなめるように、残らないようにきれいに飲むじゃないですか!!
これを飲むと楽になる、といわれたのをよく聞いていて、これは飲まないといかん!と思ったのでしょう。
空腹時に食後2〜3時間あけて昼の薬を飲むのですが、「学校から帰ってからでいいですよ」といわれました。でも、AAは、障害児学童クラブに行っているのです。 そこで、今日は、学童の職員さんに長々と電話して事情を説明して、飲ませ方も説明しておきました。
夕方、迎えにいったら、「あの・・・・薬見せたら、AAちゃん、自分でコップ出してきて、水に粉薬をといて、まぜて飲んでましたよ・・・・砂糖が入ってましたよね? それもちょっとだけ出して、本当に砂糖だと確かめてから、混ぜて、きれいに飲みました。自分でできるんですね・・・・」
ええええ!!!!
やり方など教えてません!!!!
しかも、超過保護な母は、昨夜と今朝は、全部作って飲ませたのです。
できたものを見て、どう作るのか想像して、AAが自分でやってみた、ということになりますよね・・・・・
どうなってるのか・・・・
いやいや、もしかして、そもそも私がものすごい認識違いと言うか、子ども扱いしていたのかも・・・・(でも、昨日まで、こんな感じではなかったのです)
受診後丸一日たってないので、薬のせいもあるかもしれないとはいえ、多分、これは本人の気持ちの問題ですよね。
昨日、飯田先生に説明されて、「そうか、私はやればできるはずなんだわ」と思ったのか・・・・
なんだか、すごいです。
何よりも、本人が苦い薬を積極的に飲んで、よくなりたい、と思っているところが、すごいものだと思います・・・・
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜その二日後〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
面白い変化は毎日あります。 これは変化なのか、別のものなのか、まだ明確ではないのですが・・・・
今まで、学校に行き渋るときも、からだが動かない、と言う感じの登校しぶりだったのです。
でも、一昨日のロードレース大会の前日、「ややや。いや〜〜。おやすみする」というのです。
「な、なんで・・・・?あ?マラソン?よーいドンってやつ?」 「よーいドン、いきません」
このように、本人、主張の内容がハッキリしてきているのです。 断固とした拒否なのです(笑)
学校にいったら、結局、マラソンは走りました。 障害児学童にむかえにいったら、ニコニコで出てきて、「あ、今日、走ったのね?」と聞くと「はいっ!!」と嬉しそうでした。
この日の夜の時間は、なんというか、「くつろぎ」と顔に書いてあるかのようなくつろぎぶり。疲れていても妙なうたたねをしてしまうようなことはなく、お風呂に入って普通に時間になったら寝ました。
こういうのは、別にたいしてなんということもないともいえますが、流れがスムーズで、おだやかなんです・・・・。
そのほか「晩ご飯よ〜〜」と呼ぶと、AAがす〜〜〜っと来るんです。
いままで、部屋にいって顔を見て呼ばないと来なかったです。
このへんについては、微妙な変化なのですが、何かが、ちょっと違うような・・・。
でも、従順になったわけではないところが、面白いです。
拒否の言葉は明確に言うようになりました。
「いや」も、ハッキリしてきたのです・・・・