ここは中川信子のホームページです。ことばの発達や障害について、
また、言語聴覚士に関連するさまざまな情報を配信していく予定です。

「そらとも」は「この空のもと、いたるところに、志を同じくする友あり」という意味です。
疲れて、ひとりぽっちと思えるときには、空を見あげ、胸いっぱいに元気を補給しましょう。
その曲がり角の先には、きっと新しい出会いと、すばらしいできごとが待っています。

2008-09-12

  発達教育  「ほっと人間考」 バックナンバー

 「発達教育」は発達協会(社団法人 精神発達障害指導教育協会)が毎月 発行しているコンパクトな雑誌です。 30年近く前、発達協会の前身である「さざんかの会」が練馬区千川にあったころ からのおつきあいです。子どもの見方や理念に共感したからです。 連載は間で息切れしたりしながら、断続的に今まで続いてきました。 今回ホームページ開設にあたり、バックナンバーの掲載を編集部にお願いした ところ、こころよく承諾していただきました。深く感謝します。 日常の小さなことを気楽に書き続けてきたので、原稿としての完成度の薄さが 気になりますが、「障害のある親子のあゆみを社会で支える」ことについて 考えてきた人間の気楽なおしゃべり、のつもりでお読みになってください。 

LCスケール(Language  Communication Developmental  Scale)は
ことばとコミュニケーション発達にかかわる画期的な検査です。
対象年齢は0歳から6歳です。


従来の発達検査、知能検査では不十分だった「言語表出」「言語理解」「コミュニケーション」の力を測り、発達年齢・発達指数を換算できるだけでなく、そのあとの関わりや指導のヒントにもつながります。

言語臨床だけでなく、特別支援学校、特別支援学級、幼稚園保育園年齢のお子さんたちやもっと小さい人たちへの使用も可能です。

http://www.gakuensha.co.jp/pg305.html

2005年の発売以来、多くの現場で使用され、その実例集も出版されています。

「言語・コミュニケーション発達の理解と支援プログラム

LCスケールによる評価から支援へ」(学苑社)
http://www.gakuensha.co.jp/pg306.html

       
11月8日(日)、10時ー16時、東京都内の会場で、「LCスケール」の
講習会が開かれます。日本コミュニケーション障害学会の主催です。
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jacd/pdf/koushu26.pdf
ふるってご参加ください。周りの方たちにも教えてあげてください。

 

会場ではLCスケールや書籍の割引販売もあるそうです。
LCスケールが早く「日本標準」になりますように!!!

 

私はSTとして、コミュニケーション手段の確保が自分たちの職種の大きな
役割だと思っています。
その意味で、自閉症の人たちのコミュニケーションのひとつの可能性として
ファシリテーテッドコミュニケーションが、少しずつ認知されるように
なってきていることを、喜ばしく思っています。

 多くの本を通じて精力的に自閉症の世界について発信してくれている
東田直樹くんの存在も大きかったと思っています。
ずっと応援していました。
 今回ダグラス・ビクレン教授と、東田直樹くんとのジョイント講演会が
企画されました。多くの方に「あると思わなければ見つけられない」
ものについて知っていただきたく、ご案内します。

日時    11月16日(日)午後1時〜
場所    東京 国立オリンピック記念青少年センター
 詳細は→ ダグラス・ビクレン&東田直樹 ジョイント講演会/フォーラム

 ダグラス・ビクレン&東田直樹 ジョイント講演会/フォーラム

   日時  平成20年11月16(日)午後1時〜    会場  国立オリンピック記念青少年センター

ご案内チラシより

自閉症、脳性麻痺、ダウン症、その他動きの制約を伴う障がいのために自分の身体をうまくコントロールできず、口で話す事が難しい人たちがいます。 そんな人たちにとって社会と繋がる「ライフライン」としての重要な役割を果たす「 話し言葉に替わる代替コミュニケーション 」。 その最先端の情報を広く共有するため、代替コミュニケーション研究の世界的第一人者であるダグラス・ビクレン教授と、筆談やコンピューターを用いて精力的な執筆活動を続ける自閉症のある高校生・東田直樹さん、加えて重度の重複した障がいがありながら著書を刊行して表現活動を続けている大越桂さんなど、当事者および実践や研究に関わる方々を講演者・パネリストとして迎え、ジョイント講演会/フォーラムを開催いたします。

 10月18日・19日の両日にわたって、東京・御茶ノ水で「子どもの発達支援を
考えるSTの会
」の第7回研修会を行いました。
18日の講演テーマは「発達障害の早期支援」。
九州大学大学院名誉教授の大神英裕先生にお願いしました。
子どもSTの会の会員ともども、心待ちにしていたのですが、期待にたがわぬ
すばらしいお話でした。研究者のお話を聞きながら、ゾクゾクしたり、ワクワク
したりするなどという経験は、めったにないことだと思います。

大神先生が行っておられる研究は、現在進行形ですが、北九州糸島地区で
多職種と協力して、平成12・13年生まれの子ども全員(約1900人)を対象に、
質問紙による調査を継続的に行うという気の遠くなるような内容です。
 「奇蹟の糸島プロジェクト」とも呼ばれるこの研究は、乳幼児の発達について
多くのデータを蓄積し、大きな成果をあげてきています。

 この研究は、発達障害の初期予徴を見出し、早期から地域全体で応援する
プログラムを構築しようとの壮大な意図を持ちますが、早期に発見するだけで
なく、気がかりがあると思われるお子さんにどのような援助が有効なのかという
ことも合わせて実践しているところにその真の凄さがあると私は思います。
 詳しくは「発達障害の早期支援  研究と実践を紡ぐ新しい地域連携
         (大神英裕   ミネルヴァ書房)をご覧ください。
 保健師さん、健診にかかわる職種の方たち、療育にかかわる方たちすべてに
ぜひとも読んでいただきたい本です。

  ベートベンに「心より出て、願わくば、再び心へと至らんことを」ということばがある
そうですが、研究の中にも、人の温かみが感じられる「ことば」を通して、心へと伝わる
研究もあるのだなー、となんだか興奮さめやらぬ思いでおります。
私たち(ST)もがんばらなくっちゃ。  

 今日(平成20年10月15日)の朝日新聞東京版朝刊・生活面「患者を生きる」に友人で狛江(こまえ※)在住の皆河える子さんと息子さんが登場していました。
 皆河さんの息子さんは無痛無汗症という稀少な病気を持って生まれました。これからの連載で紹介されるでしょうが、皆河さんは、全国に呼びかけて「無痛無汗症の会『トゥモロウ』」を立ち上げて当事者をつなぐ仕組みを作りました。

  お住まいの狛江市では「福祉ネット ナナの家」の総元締めとして、乗馬、爆風コンサート、映像教育、ヘルパーステーション、障害のある人たちの居場所づくり、など、実に果敢な活躍ぶり。
  そうそう、乗馬は、健康にいいんですよ!!  障害のある子どもたちの馬に乗った時のよい笑顔といったらありません。ボランティアをいつもいつも求めていますから、時間と興味のある方はぜひ手伝って、楽しんでください。

  皆河さんと私とは、「多摩川沿いに温泉を掘りあてて、恒常的に乗馬ができて、温泉に入れる施設を作れたらね (^_-)-☆ 財政状況のかんばしくない狛江が観光立市できたら最高(^。^)」という夢(白昼夢といいますか、妄想といいますか)を語り合っています。「夢は見るものではなく、かなえるもの」ということばが大好きな私ですが、さすがに、こればかりはあまりかなえられそうな気はしません・・・・。

    ※ 「狛江」を(こまえ)って読めない人が全国的に多いのでふりがなをつけました

                                20年10月12日記

私は「障害」ということばが好きではありません。「障碍」と言おうが、「障がい」と
言おうが、やっぱり好きではありません。特に、発達「障害」については、周囲が
「特性」「独特な個性」として広くとらえて手立てを講じればさえすれば、あまり問題なく
暮らしていけるような場合にも「障害、障害!」と、騒ぎ立てるきらいがあるように
思えます。

「障害」にあたる英語のひとつに「disorder」という単語があります。
order の意味には、命令とか順番とか秩序とか体制とか整理とか
いろいろありますが、中に「調子」とか「好調」とか「順調」とかいう意味あい
も含まれています。

接頭語のdis- は「欠如」「否定」「反対」の意味を表わします.

そこから考えると、disorder= order  が disされた状態 つまり
「調子がよくない」「順調でない」、「列からちょっとはみ出した」
といったイメージなのではないのでしょうか?

確かに、私の知ってるAくんもZちゃんも「列からはみだしがち」な、かわいい子
たちです!!!   運動会の時なんか、だから目立ちます。

だったら・・・・と私は思うわけです。
「列の方を、こんなに整然としなくてもいいことにすれば、目立たないんじゃ
ないの?」って。
こういうことを保育園や幼稚園や学校の先生方に言っても、あまり取り合って
もらえませんけどね。

東京学芸大学の上野一彦先生は「障害とは支援を必要とする個性である」と
いつもおっしゃっています。私も、ほんとにそうだなーと思います。
WHOが出した「ICF分類(国際生活機能分類)」を、世の中の人がみんな
知ってくれるといいのに、と思います。
そして、「支援」のレパートリーの中に、「自分たちのほうが、もう少しアバウト
になる」っていう項目も加えてくれたらいいな・・・とも。

セミナー案内

 11月24日に

後天性脳損傷のこどもを支援するシンポジウム 
  小児高次脳機能障害の社会環境を考える」 が開かれます。

充実した資料が配布される予定ですし、家族会や専門家の講
演もありますので、ぜひご参加下さい。
お子さんの保育の場も用意される予定です。
どうぞ、周りの方にもお勧め下さい。

詳細 お申し込みは上記のホームページまで

おすすめ記事

発達障害に気づく

(厚生労働省のサイト「発達障害情報センター」内)
  
  特に「乳幼児編」は写真入りの解説が掲載
   されていて、子どもの発達がよくわかります。

おすすめパンフレット

「子育てママを応援します!〜育児ストレスを減らす3つのヒント」
  

  NPO法人えじそんくらぶ から出ています。
  無料ダウンロード可能です。育てにくい子を
  持つ親ごさんと周囲の人たちのために。

 パンフレットのダウンロードはNPO法人えじそんくらぶ内の

 NPO法人えじそんくらぶ発行、ダウンロードできる冊子のご案内から

 実力を出しきれない子どもたち〜AD/HDの理解と支援のために〜

 〜大人のADHDストーリー〜ADHDという名の贈り物

 子育てママを応援します!〜育児ストレスを減らす3つのヒント〜

 の三冊です。

                          20年10月4日                     

旭川に行ってきました
北海道からの依頼には、後先考えずに「行きます!」と即答
するクセがあるのですが、この時期の北海道は、何とも言えない
美しさです。

旭川地区ことばを育てる親の会40周年記念の学習講演会という
あつまりでした。またまた学ぶところの多い二日間でした。
150人近い方が来てくださったのもありがたいことでした。

旭川市は人口35万。小学校が60だかある、という市域の広さ。
人口7万6千、小学校6校の狛江から見ると想像できない規模です。
特別支援教育へのアプローチの仕方も、きっとうんと違うのだろうと思います。
が、目指すと方向はただ一つ。すべての子どもが大切にされる
世の中だ、と思いました。がんばる人たちたくさんにお会いできました。

先週は7度になったという旭川。
私が行っていた間は10度とか12度とかあったので寒いという感じは
ありませんでしたが、沿道の木々はすでに色づきはじめ、赤、黄、が緑に
混じりあい、夢のように美しい風景でした。緯度が高い分、光の角度も違う
のでしょうか、東京とは、木もれ陽の感じが違います。

講演後、美瑛の「パッチワークの丘」や「四季彩の丘」を通って、
空港まで送っていただきました。
広々した丘陵風景。車から降りると、木々の葉が風に揺れる音、
遠いところから聞こえるせせらぎの音・・・・などなど、しばし世の
雑用すべてを忘却のかなたに押しやりました。

その上、空港が近づくと空に大きな虹がかかりました。
しかも二重に。
内側の虹は誰かが人為的に作っているのではないかと思うほどの
色の濃さ。まったくのところ「ことばにできない美しさ」でした。目には
しっかり焼きついています。

同乗していた「ことばの教室」の先生に教えていただいたのですが
内側の虹(主虹というそうです。色が濃い方)と、外側の虹(副虹)とは、
色の配列が逆になっていました!!!   ほんとだ、びっくり!!

家についてから、ネットで調べてみたら、虹が二重になるわけと
色の順番が逆になる理由が載っていました。
ダブルレインボーと言うのだそうです。
http://www.an.shimadzu.co.jp/support/science/010912/010912a.htm
説明を読んでも、私の頭では理解できませんが、現物は何しろ
も・の・す・ご・くきれいでした。
透明な光の色。
絵の具では決して出せない色合い。
神々しいということばがぴったりでした。
美しい自然に出会って、ちょっぴり謙虚な気持ちになって帰ってきました。

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「そらとも」は「この空のもと、いたるところに、志を同じくする友あり」という意味です。

疲れて、ひとりぽっちと思えるときには、空を見あげ、胸いっぱいに元気を補給しましょう。
その曲がり角の先には、きっと新しい出会いと、すばらしいできごとが待っています。

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